表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不運からの最強男  作者: フクフク
幼少期前編
24/208

母との日常_03



「ねぇジーク、内緒だけど」

「うー??(なんでしょう)」


 母リアのそばまで辿りつき、ただいま休憩中です。

 つたい歩きは体力を消耗します。

 侍女たちはお茶の用意で、今は母上と俺しか部屋にいません。


「あなたには、自由に生きて欲しい。貴族であることに囚われないで、自由に羽ばたいて欲しいの」

「まんーま、うぅ!(母上、もちろんそのつもりです)」

「そう。わかってくれるのね。これは母としての助言よ。あなたはこれから多くの出来事を経験するでしょう。その中には理不尽な事や不条理な事もあります。判断を間違えることもあるでしょう。でもその判断を後悔することはしないで。あなたはその時の最善を選択したのだから。前を向きなさいジーク。そして誰よりも強く優しくありなさい」

「うぅ(わかりました)」

「私の愛しい子、私はいつでもどんな時もあなたの味方です」

「まんーま、うぅ??(母上、どうしたのですか)」


 母リアは、感極まった様子で、俺を強く抱きしめた。

 今までも「内緒ね……」と話し、母上の身の上や父上との馴れ初め、俺に対する渇望、この世界の価値観などを教えてくれた。

 話が終わると抱きしめる。このパターンが定番だった。

 ただ今日は様子が違ったように見えた。


 ふと父上もそうだが、母上のステータスを『鑑定眼』で見たことがないと思った。

 いまさらMP50を消費して確認する必要もないし、鑑定で魔属性やLvは把握ができている。

 母上の魔属性は、光と水であり、Lv18。二属性適応は平均で、Lvは平均より少し高いが、貴族では無難なのだ。

 叔父ヴィリバルトのようなリアルチートはそうそういないし、今は魔法の修練が大事だ。

 取得した光魔法と生活魔法のスキルLv上げに、全MPを使用中だ。

 正直、他の魔法を使用したいのも山々だが、MPが100しかない現状で手を出すのはどうかとの結論に至った。

 MP10が初期値であることからすれば、贅沢な悩みなんですけどね。

 Lv2になれば、ステ値が上がるため、この悩みもほぼ解決する。

 俺には基本値MAXUP+10の『成長促進』がある。

 おそらくMPと魔力値は極稀の+100になると予想している。

 魔物退治はやくしたいな。


 侍女たちが部屋に戻ってきた。

 母リアの腕から解放され、顔を覗くが普段通りの美しい母上だった。

 気のせいかと安堵し、ソファに座りなおす。ここからは美味しいお茶タイムだ。俺は飲めないけどね。


「奥様、今日は北国アイリスより仕入れました紅茶でございます」

「アイリスの紅茶は大好きよ。でも手に入れづらいのではなくて」

「旦那様が奥様のためにお取り寄せをされました」

「ギルにお礼を言わないといけないわ」

「内密にとのことです」

「まぁ、すごく喜んでいたと伝えてくれる」

「もちろんです」


 頭上では、いつものまったり会話が続く。

 やはり、俺の気のせいだったようだ。

 気持ちを切り替え、貴重な情報源である母上と侍女の会話に耳を傾けつつ、効率的な歩行訓練に知恵を絞るのだった。

 俺は、この選択を大後悔することになる。


 もうすぐ俺は一歳の誕生日を迎える。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ