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不運からの最強男  作者: フクフク
幼少期前編
20/208

侍女との攻防戦_02



『まずは、魔力を感じましょう。身体の奥にある魔力を体内に循環するイメージをします。身体が熱くなれば、上手く循環ができています。それが魔力です。この循環を魔力循環といいます。魔力循環は、魔法を使用する上で必要です。魔法を初期で失敗する理由は、魔力循環ができていないのです。魔力循環できるよう繰り返し練習しましょう』


 本の通りに意識してみる。

 身体がポカポカと温かくなってきた。

 これが魔力循環。この感覚を忘れないようにしよう。


『魔力循環が上手くできるようになれば、次は魔法です。魔法はイメージです。イメージが明確であればあるほど魔法の精度は上がります』


 指先に光る玉をイメージし『光明』と念じる。

 ポワーンと小さな玉が指先にでき消える。

 ありゃ、簡単に出来てしまった。

 初めての魔法なのに、感動がまったくない。

 一瞬過ぎて魔法を使った実感がないんだ。


 気を取り直して、次は、目の前に光る玉を複数イメージし『光明』と念じる。

 ポワン、ポワン、ポワンと目の前に光る玉が現れては消える。

 おぉー。これはなかなか。ということは……これもありか。

 前世で見た蛍の幻想的な光景を鮮明にイメージし『光明』と念じる。

 ポン、ポン、ポン、ポンと眼前に光が広がる。

 やはりそうか! 暗闇なら完全再現ができていたな。


 この世界の魔法は、イメージが全てだと言っても過言ではない。

 もちろん魔力も重要だが、同じ魔法名でもイメージによって効果が変わる。

 これは前世の知識がある俺にはかなり有利な条件だ。

 しかも、明確なイメージができるため、精度もかなり高い。


 よし! 次は魔力循環を高く意識して、強い光をイメージし『光明』と念じる。

 ピカッと、白い強い光が部屋全体を一瞬覆う。

 まぶしっ。目がチカチカする。


「「「ジークベルト様! ご無事ですか!」」」


 侍女たちが慌てて、部屋に入ってくる。

 やべぇー。やりすぎた。魔法使ったのがバレる?!

 ここはなんとかしなければ……。

 頭の中をいろんな不安がかけめぐる。やばい泣きそうだ。

 いや、このまま泣いてしまおう。


「うっうぅ、うぎゃあぁーー」

「びっくりさせてしまいましたね。申し訳ございません」


 泣いている俺を抱き上げ、律儀に謝罪する侍女。

 みんな、ごめんねと、心の中で反省しつつ、侍女たちの様子を窺う。


「どこも異常はありません」

「こちらも異常はありません」

「おかしいわね。部屋が一瞬光ったように見えたのだけど」

「「私も見ました」」

「もしかすると外かしら、マリアンネ様が光魔法の修練をされていたわね」

「はい。本日はお庭で修練されています」


 侍女たちは、一通り部屋を調べ、異常がないと確認すると、光魔法の修練をしていたマリアンネの魔法であろうと結論づけた。

 姉さん、ナイスアシストです。

 侍女たちは、泣き寝入りした俺をベッドに戻し、部屋を出て行く。


 あぶねー。調子に乗りました。

 魔法の威力は、スキルLvと魔力だ。魔力循環を高めることで、イメージした光より、より強い光を発するのではないかと考えた。

 読みは当たったが、俺の魔力を侮っていた。

 純粋に魔力だけで、あれだけの光を発するとは、予想していなかった。

 これは魔力の制御も修練しなければならないなっ。嬉しい課題ができた。

 次は魔法の持続だが、これも魔力循環を高めることで継続することがわかった。

 持続時間の制御も、魔力制御ができるようになれば解決だ。


 一応『癒し』も試してみる。

 小さな柔らかい光が身体に降りそそぐと、少しだけ疲労がとれたような感じがした。

 おぉー。これも成功した。でも効果はわかりにくいな。

 いざ必要な時に失敗しないよう、また精度を上げるためにも、最低一日一回は『癒し』を使うべきと判断する。

 あれよこれよと、試しているうちに、その晩に光魔法Lv1を習得した。

 始めたら止まらないんですよ。





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