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不運からの最強男  作者: フクフク
幼少期前編
10/208

お属初め_02



「ふーん」


 叔父から、なんとも捉え難い声が聞こえた。

 隠蔽失敗したのか?!

 変な汗がでてくる。不安で、やばい。泣きそうだ。


「ヴィリバルト、鑑定はどうだったんだ」

「魔属性は火・風・土・水・無だよ」

「光・聖属性はないのか」

「ないよ。代わりに幸運者の称号付きで、運値が200だよ」

「運値200?!」


 あれ? 期待と違う反応。

 魔属性の数で多少驚くかなと思っていたが、追加属性の確認がありました。

 しかも上級属性の聖が含まれている、まさかの展開です。

 いやはや選択属性間違えたか?

 だけどアーベル家は、火属性を多く輩出する名家である。

 上級属性を選択するなら炎と考えていたが、何故聖なのか?

 んん……。わからない。

 ただ、隠蔽スキルは上手く仕事をしてくれたようだ。

 ホッと、一安心で終了したかったが、運値でその反応は想定外だ。

 称号ですんなり受け入れられると思っていた。何がいけなかったんだ。


 父上が驚きのあまり、俺たちに急接近していた。

 近い近いですよ、父上!


「落ち着いて兄さん」

「わるい」

「あくまで推測だけど幸運者の称号が、運値に影響していると考えるよ。幸運者の説明は『最強運を持つ者に与えられる称号』とあるからね」

「そう……か」

「兄さん、驚くのはまだ早いよ」

「まだなにかあるのか?!」

「落ち着いてくださいね、魔力値が50でした」

「なんだって!」

「この理由はわかりません。お手上げです」


 あれ? あれれ? 魔力値50ってまずった?!

 叔父さん、お手上げって、なんらかの理由を推測してください。お願いします!

 空気がすごーーく重い気がする。

 あっ! おっ、おれ、Lvやステ値の平均に魔力値上乗せしたけど、初期ステ値調べてないわーー…………。

 うおぉーー。やっちまった感ハンパねぇーー!


「まぁ難しい顔して、ギル、ギル? 聞こえてないわね」

「衝撃だったんだと思うよ。この顔は何を言っても無駄ですよ」

「そうね、ヴィリー鑑定は以上かしら」

「さすが義姉さん、少しも動揺はしてないね。それとも想定の範囲内だったのかな」

「あらすごく驚いているわよ。でもそうね、ジークは私にとって特別だから、何を聞いても受け入れられるわ」


 母上の登場で場の空気が和らぐ。

 まさかの初期ミスをする息子ですが、優しく包み込んでください。

 叔父よ。今すぐ母上に俺を渡しなさい。渡せぇーー。


「なるほど。あとは身体スキルですね。毒・麻痺・闇・呪・状態異常の耐性を取得している。これは義姉さんが頑張ったからだね」

「そう! ジークに耐性スキルがついたのね! 嬉しいわ」

「耐性スキルは取得するのが難しいスキルだからね」

「耐性スキルがついていたのか」


 おお。父上、再起動!

 フリーズするほどの衝撃を与えてしまい、申し訳ないです。

 猛省中です。

 今後このようなことはないよう、精進します。


「早い復活だね。もう少し掛かるかと思っていたよ」

「わるい。公表の件を考えていた」

「そう。兄さんは公表しないと断言していたけど、考えが変わったんだね。私はジークのためにも公表するべきだと思うよ」

「覚悟は決めた。全力でジークベルトを守る!」


 あれ? 雲行きが怪しくなっていませんか。

 公表することで、父上が覚悟するようなことが俺に生じるんですか。

 全力で守っていただけるのは、大変有難いんですが、トラブルが判明しているなら公表やめましょうよ。


「兄さん、別に全てを公表しろとは言ってないよ。魔属性だけ公表すればいい」

「だが」

「公表はあくまでも任意だ。さきのゲルトの件で、注目度は高いだろう。だけど魔属性の適応数だけで満足するよ。誰も魔力値や運値の異常に気づく者なんていないし、アーベル家の公表を疑う者はいないよ。心配なら私が『守り』の魔法でジークを鑑定できないようにするよ」

「それはそうだが、万が一のことを考えれば」

「わざわざ騒動を増やす要因を作らなくていいよ。それに成長すればLvなどで誤魔化しがきくし、称号もその際ついたことにすればいい」

「ギル、私もヴィリーの意見に賛成よ。魔属性だけの公表でいいと思う。他のことは、今ここにいる三人だけの秘密にすればいいわ」

「リア」

「ジークを騒動に巻き込みたくないわ。ゲルトを守れなかったことを今も後悔しているの」

「魔属性の適応数だけでも魔術省は動くよ。だけど問題はない。魔属性は当時の私と同じだから、対応を父さんに聞けばいいよ」

「父上にか」

「上手く対応すればゲルトみたいにはならない。珍しいよね、父さんがこの場に出席しないなんて」

「お義父様たちは、魔法都市国家リンネに滞在されているわ」

「リンネにかい? 最近はよく国を離れているけど、また遠い場所へ行ったね」

「国王に代わり臨時の特派大使として訪問している。賓客だと喜んで二つ返事だった」


 俺から祖父母の話に変わった。

 話の流れから、魔属性のみ公表ってことでいいのか。

 魔力値と運値は、異常値だったんですね。

 叔父は、Lvが上がれば誤魔化しがきくと言っていたが、俺には成長促進があるので、隠蔽スキルに頑張ってもらおう。

 初期ステ値を調べ忘れて、勘違いして本当にすみませんでした。





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