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第4部

「南西部のフォリー山が真っ二つに割れた?見間違えではないのか!」

国王が宰相に確認する

「はい。しかと私の目で確認して参りました。何か巨大な刃物で切ったような見事な断面でした。」

とこちらをチラチラ見ながら宰相が説明していく。


これは完全にバレてるよ……だめだ!俺はこの世界を救った英雄なんだから堂々としてればお咎めはないだろう……ないよね?……本当にないですよね?…


ドキドキしながらも話は進んでいき、次の議題に移った。


今更だが、ここは、王宮内の議事を行う場所で今はその議事の真っ最中だ。

なぜ俺がここに居るかって?

そりゃ勿論、近衛騎士団長だし、あとこの国の最高戦力でもあるからね!!!



「なに?隣のオスム帝国が戦の準備をしているだと?」

王が重臣に尋ねる

「はい。戦力を帝都に集結させており、あと2週間ほどで全帝国戦力が集結いたします。そして、国境付近でも怪しい動きが多くなってきているので間違いないかと」


それって結構やばいんじゃない?大丈夫なの?


「ロスト、全面戦争をした場合の勝算はどれくらいだ?」

王からの質問がきた。やばいやばい!えーと、ロストの過去の記憶を探りなんとか答えを導き出す。


「こちらの戦力が集められて3万5000人。帝国の戦力は軽く8万程度集まるものだと仮定します。普通に戦えば、地の利を生かし、最善の方法を使っても負けは濃厚だと思います。ただ、こちらは“普通に戦えば”の話ですが」


王はなにかに気づいたようにニヤリと笑う。


「ほう?ではその普通ではない方法を教えてくれんかのォ?」


「それは………私が軍を率い、私自身が最前線で戦った場合です。」


俺は内心でほくそ笑みながら答える。ここで手柄を上げれば、王女様の婿もかなり近づく。

そうすれば俺の…俺の夢が叶うーーーーー!



ただやはり面白くない輩も当然出てくる。

「しかし、それはかなりのリスクを伴います。帝国が何の考えも無しにロスト様の居るこの国に戦争をふっかけてくるはずがありません。ここは、慎重に行った方がよいかと。」


と何時も何かと近衛騎士団に絡んでくるふつーーーの騎士団の団長が言ってくる。

この人は近衛騎士志望だったらしいが落ちて騎士団に入ったそうだ。それで俺みたいな若造が言ったのが気に入らないらしい。ただの嫉妬だ。


「ロフト、そこの所はなにかかんがえておるか?」

国王から問われる。

騎士団長はニヤニヤしながはこっちをみてやがる。

鬱陶しい!


「はい。私には《神の軍を率いる者》という特殊スキルがございます。このスキルを使い、私が全力を出せば確実に勝てます。」




え?なんか不味いこと言った俺?みんながみんな口を開けてポカーンとしてるよ。


「な、そ、そ、そ、それは本当か?」


「はい。『ステータスオープン』」



俺のステータスを見た瞬間絶句してる。

これこれでかなり面白い。さっきまでニヤニヤしてた騎士団長が真っ青になってやがる!ざまぁ!


「これならいけるな……よし!こうなったら集められるだけ兵を集めよ!そして、2週間後の戦争に備えよ!」


国王が何かつぶやいた後、戦争の決定を下した。


よーしいっちょやってやりますか!!



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


会議のあと国王に呼び出された。


「まぁまぁ、楽にしろ。ひとつお前に頼みたいことがあっての。」


「はい?」


「実は………わしはもうあまり長くはない。お前も鑑定もちじゃからわかるじゃろ。病が身体中を蝕んでいる。」


王の言葉に少し驚いたものの『鑑定』をしてみる。


確かに、病気だ………ただ……これは結核だ。

確かにこの世界の文化水準なら不治の病なのも頷ける。

ただ、治療方を知っている俺からすればかなり簡単な病気だ。平成の世ではほとんど治り致死率はかなり低い。


「国王陛下、僭越ながら申し上げます。その病気は直せます。勿論私の調合したクスリを飲んでいただきますが」


「本当か!!もう長くないと思っていた命が助かるのか……すまないのぉ……」


国王が泣きながら感謝の言葉を言う。


あれそう言えば最初に言おうとしてたことってなんだろう?


「国王陛下、その頼み事とは一体何でしょうか?」


「そうじゃ!!!これなら尚更都合が良い!ロストお前はワシの一人娘と結婚せい!!これは国王命令じゃ!」



ええええええええええええええぇーーーー!!!!


なんてこったパンナコッタ




「こ、国王陛下!という事は…?」


「そうじゃよ!お前が次代の国王陛下だ!!いやーこれでワシの心配事がひとつ減ったわい。」


「さ、流石にそれは他の重臣の方が反対するのでは?」


「それは全く問題ないの。これは国王命令じゃし、事前に宰相には相談し、了承済みじゃ!国王と宰相が了承すれば他に反対などする愚か者などおるまい!」



こうして俺の婚約者が決まった。籠絡する筈がまだ顔すら拝めていないうちに結婚が決まった。


ロストの記憶の中では3年前に会ったきりだ。

その時の、アリス第1王女は16歳だった。


めちゃくちゃ美人じゃないかよ!!!

あの国王からアノ娘か………考えるのはやめよう。


それにしても、早くも次期国王になりました!



〜2日後〜


「こんなに簡単にあの病が治るのか?」


国王は怪訝そうな顔でこちらを見つめる。

俺はなるべく真顔で答えた。

「はい。巷では不治の病とかなり流行っていますが、病気の構造自体かなり簡単なのでこれで確実に治ります。あとは2、3日安静にしてください。」


「わるいのぉ。ただ、今回の戦争が終われば隠居出来るからの。最後の仕事を頑張るか。」



ん?



ん?


今この爺さんなんつった?これが最後とか言ってたよね?


「国王陛下?今なんと?」


「あーそうじゃったお主には伝えておらんかったな!悪い悪い。ワシはこの戦争を機に隠居することにした。昨日の会議で決まったのじゃ。」


言葉を失っていると更に、


「それでじゃの、決戦の日に正式にお主らの婚約発表も執り行うことになったからの。あー服装な近衛騎士団長の戦闘服で構わんからの!」



本気で国王を斬りたくなった……

いくら何でも急すぎる……

しかも婚約発表したら逃げられないじゃん……まぁ逃げはしないけど……


こうして波乱の人生が幕を上げる…

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