第3話 回復術師王城に行くようですよ
「アイリスもう朝よ起きなさい」
「んう⋯おはようママ⋯」
まだ今年三歳になったばかのアイリスには日の出という朝早い段階で起こされたため、
まだ眠気が引かず返事はするものの二度寝にしゃれ込もうとした。
「⋯吊るすわよ?」
「ひんっ!?」
サシェを怒らせるのはマズいということをすでに、
学んでいたアイリスはサシェの一言で飛び起きる。
「まだ眠いのはわかるけど、今日は大事な日なんだから早く起きなさい」
そう言ってサシェは部屋から出ていく。
今日は国王ライオット・オルトランデの一人息子ラングスタ・オルトランデ三歳の誕生日を祝うパーティーが開催されるので、それに出席するための準備をしなければいけないのである。
パーティー自体は夕方からなのだが、アルフリッドが国王ライオット・オルトランデと旧知の仲であるため早い段階で王城に行くことになっているのだ。
アイリスは眠いのを我慢して、寝巻から普段着に着替える。
ドレスは別に持って行ってパーティーが始まる前に着替えることになっている。
他に特に持っていくものが無いアイリスの荷物などはサシェが全て用意してくれてある。
「アイリスご飯食べちゃいなさい」
「ん、いただきます⋯そういえばパパは?」
まだアルフリッドの姿を見てなかったアイリスはサシェにそう聞くと、
サシェはフフフと笑いながら父親の部屋に行く。
それを見たアイリスは両手で耳をふさいだ。
「あなたはいつまで寝てるのさっさと起きなさああい!」
「かおがあああああああ!」
顔がと叫んでいたあたり、またアイアンクローを食らったのだろう。
リビングに戻ってくるサシェ、その後ろを拘束魔法で逆さまに吊るされてるアルフリッド。
(アイリスは言うこと聞いて良かった)
と内心考えながら食事を続ける。
それからアルフリッドやサシェも食事を終え準備が終わって少し経つと、
外から馬車の音が聞こえてきて家の鐘がなる。
「迎えが来たようだな、それじゃあ行こうか。」
エルストイ一家は馬車に乗り王城に向かう。
「アイリス眠かったら少し寝ててもいいわよ?
あなたの目の前で寝てる人なんかすでに爆睡してるわけだしね」
乗るのと同時に爆睡を始めたアルフリッドを呆れた目で見たサシェはアイリスに寝てても良いと言う。
それを聞いたアイリスはサシェの膝を枕に眠りにつくのであった。