第2話 回復術師の父親は親バカ愛妻家です
父親やその周りのキャラの名前が出てきます。
名前考えるのが面白い今日このごろ。
愛娘であるアイリスが産まれてからすでに一年、
嫁であるサシェと共に家族三人で幸せに暮らし仕事も上々、
立場もオルトランデ第二魔術部隊の隊長にまで上り詰めた。
そんな私は訓練を早々に切り上げ帰宅の準備を始める。
「アルフリッド隊長はもうお帰りになるのですか?」
「ああ、俺にはやらねばならぬ重要な任務があるからな⋯」
「重要な⋯任務⋯」
アルフリッドはまるでこれから戦地に赴くような顔で部下であり副隊長の男性レグザにこう告げる。
「俺の世界一かわいい娘であるアイリスが後少しでパパって言えそうなんだ!
俺は早くアイリスにパパって言ってもらいたいんだ!
だから帰るじゃあな!」
(この親バカ愛妻家は何言ってるんだまったく⋯)
そう、このアルフリッド・エルストイは自他ともに認める親バカ愛妻家なのである。
その度合いは酷く、たとえ任務があったとしても国王からの呼び出しがあったとしても娘のためならほっぽり出して家に帰宅する。
そしてそれを知ったサシェにアイアンクローを決められながら王城に運ばれて王の前に捨てられるのもしばしば見られる光景である。
普通そんなことをすれば許される事ではないのだが、
オルトランデ現国王ライオット・オルトランデはアルフレッドはそのことを重々承知しており、なによりこの二人が幼いころからの親友という間柄にあるために見逃されている。
そんなアルフレッドはレグザからの冷ややかな視線をものとも
せず自己強化術式を使用し自宅まで疾走して帰った。
「まあ⋯隊長に何言っても無駄だし、いいか。」
レグザはもう何も言うまいと訓練に戻るのであった。
アルフレッドは町中を疾走している。
屋根を走り壁を走り塀の上を走りと周りの人に迷惑が掛からないルートを走っている。
それを見た人々は、(ああ、またか)とそれをいつもの日常風景として捉えていた。
そしてついにアルフレッドは自宅につき、ドアの前で一度深呼吸をしていざと意気込んで
「ただい」
「パパー!」
アルフレッドの帰宅の声を遮りアイリスがパパと言って出迎えてくれる。
「⋯パパ?」
アイリスが反応の無いアルフレッドに不安になってアルフレッドの顔を見ると
涙を流して鼻血を流して⋯仰向けに倒れた。
「ふええええええ!?」
「お帰りーって今の悲鳴な⋯に、え、どういう状況?」
リビングから出てきたサシェが見た光景は
涙と鼻血を流して幸せそうな顔で気絶している旦那と、
それを見て泣いている娘。
サシェはとりあえず気絶しているアルフレッドを起こすために水を取りに行った。
(はあ、昔はもっときりっとしててかっこよかったんだけどなあ。)
サシェは頭の中でそう愚痴りつつも幸せそうに笑っているのであった。
いつになったらアイリス主人公してくれるんだ⋯
先は長い⋯