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王の花嫁  作者: 川本千根
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若き王2

【弟】 リオス




王の花嫁は神が決める…か


いくら信心深いとはいえ、兄上はこのくじ引きみたいな花嫁選びに疑問を持たないのだろうか


鳥湖族の王は民を支配する存在ではなく、神と国民を繋ぐ役目として捉えられている


王に課せられる責任は重い

鳥湖の王は施政の他に神事のいっさいを執り行なわなければならい


さらに移動国家という馬鹿げた制度のため、国を移る前後数年の王の心労は並大抵のものではない

移動のための準備、移動中の民への目配り、移動先での生活の定着への指導がどれほどの負担になるか


父上は繊細な感性をお持ちの上にお身体も強くなかったから、王としての責務がお辛かったであろう

だからこそ大きな病気もないのに、こんなに早く命の炎が消えようとしているのだ


結果まだお若い兄上に全ての期待が集まってしまった

あと十年経ったらこの豊穣な朱国を離れて過酷な砂漠の国、青国に移らなければならない

この十年で蓄えを増やし、青国での暮らしに備えなければならないのだ


頼れる王が一番必要な時期が来る


皆、兄上を完全無欠な人間だと思って頼りきっている

宰相のトウゴでさえ


娘の恋心を知るトウゴはサリが花嫁に選ばれるのを望んでいるだろう

気心の知れているサリが花嫁になるのが望ましいと思うのは皆一緒だ


だが、そううまく行かないのが、この花嫁選びではないだろうか…


私はこの国の王に、好きな相手との結婚をさせないためにこの花嫁選びがあるような気がする


いったいそれはなぜなのか…


兄上に男のお子が生まれなかった場合を考えて、私もいずれ花嫁選びをしなければならない

私は自分の花嫁を神になんか選んで欲しくない


私は結婚する相手は自分で選びたい




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