覚醒
「ケホッケホッ。大丈夫か?!ウェット。」
俺は急いで脈をとった。意識はないものの幸い脈は正常に動いていた。
水の音が気こえる。耐え難いほどの異臭もしていた。
どうやら。下水施設におちたようだった。
「みーつけた!」
突然あたりが明るくなった。少し先には先程のライダースーツがいる。
「くっそ!」
俺はホルスターから銃を引き抜くと乱射した。不思議なことに弾はかすりもしなかった。
「無駄よ。私はあなた達とは違う。」
「違うったって。」
頭上で耳障りな音がした。反射的に横っ跳びをした直後空間が歪み爆発をした。
今は、ウェットからやつを遠ざけなくては!
「何処へ行くっていうの?」
俺は走り出した。
何度も炎の塊が頭の横に出来上がると爆発を起こした。
「無駄っていっているでしょ!」
突然目の前に大量の歪みができた。
俺は横っ跳び使用としたが一歩遅く爆発に巻き込まれ壁に叩きつけられた。
「鬼ごっこも終わりかしらね…?」
ライダースーツがらゆっくりと歩いてくる。
「ここまでか…」
「あんちゃん。諦めるの早いんとちゃうか?」
「誰だ…?」
「誰って。あんちゃんも冷たいな。ずっとあんちゃんを見てきてるのに。」
「俺を見てきている…?」
「そうや。あんちゃん。そろそろ目覚めようや。」
「これは夢なのか?」
ライダースーツが手を構える。不気味に笑った気がした。
「さようなら。掃除屋さん。」
「あんちゃん!今や!目覚めるんだ!」
なにが起きたか分からなかった。気がつくと俺は床に手をつけ叫んでいた。床は奇妙に隆起するのライダースーツの足場を崩した。
「もしかして!お前も!」
ライダースーツが手を鳴らす。
頭の上にキーと、おとがなる。
俺は頭上に手を向け力を込めた。不思議なことに収縮はぴたりと止まった。
「どうして……?そんな馬鹿な…!」
「お前の能力は二酸化炭素がなくてはできない。俺には勝てない。」
「ふざけないで!」
ライダースーツは大量の歪みを作る。しかしその歪みは俺が手を向けただけで消えてしまった。
「なんで…どうして…!」
俺は走り出した。ライダースーツは、呆然と俺を見ている。
「これは、おれの分だ!」
ライダースーツは、無様に飛ぶと意識を失った。
スッと、何かが俺の中から抜けた。
「あんちゃん。わいは、Jや。これからもよろしくな。」
俺の意識も途切れた。