放送部日誌:1日目
「じゃあ遥君あらためハルくんは書記担当と言う事になりましたぁ!」
快活な部長の声が部室に響く。
「おめでとー」
「おめでとう」
祝い(なのか?)の言葉も聞こえてくる。
「何でこうなってしまったんだ……」
つぶやく俺に、部長は
「いや、書記って居なかったなぁと、ね」
「そういうことじゃないっすよ……」
今日部室にいる人は6人。
スタメンである部長、藤本先輩、薫先輩。
それに加え、中学三年の北原正、南義一だ。
普段から一緒にいることが多く、藤本先輩が勧誘してきた部員である。
それとなく気になっていたことだが、なぜ部長や薫先輩らは勧誘しないのかと聞くと、
「私達はもう勧誘を終えたのよ」
と返ってきた。最低人数は1人らしい。
会話が途切れてしまったので何かいい話題はないかと考えていたら、薫先輩は少しうつむきながら
「その、遥は……好きな人とかはいるのか?」
予想の斜め上をいく質問だった。
「……ッ!ゲホッゲホッ!い、いきなりどうしたんですか!?」
「い、いや、忘れてもらって構わないよ!話題提供をしようとおもっただけよ!あは、あはは!」
「あ、そういうことですか。僕はいませんよ。てか付き合ってるとかじゃないんすね……」
少し落ち込んだじゃないか。
薫先輩は笑いながらどこかに行ってしまったようだ。
「さて、それじゃあミーティングするよー!」
部長の声を合図に、部員が皆注目した。
「とりあえず他のみんなを呼んどいたから、そのあいだに少し新入部員たちにお知らせしとこうかな♪」
ホワイトボードをよっこらせと出してきて、そこに何かを書きつけている。
『新入部員歓迎祭』
「えーと、今年は合計7人の新入部員を獲得しました。そこで私達は……っと、ハルくんはワードで書いてくれるかな~?」
「あ、わかりました、続けてください。」
「オッケ~♪んと、7人新入部員が入ったので、毎年恒例歓迎会を焼き肉やさんの月桂館でやりまーす!部員表に出席する場合自分の名前をまるで囲んでね♪」
そこまで言った時、部室の扉が開いて5、6人の人が入って来た。