プロローグ
「……、……、…………なのです」
教室に声が響く。
朗読を終わり、席についた。
途端に、男子のくせに声が高いだの耳につくだの騒ぐ声が聞こえる。
「……チッ」
舌打ちを一回し、授業に集中する。
あと1時間の辛抱だ。
放課後、とある建物に一人で入って行く。
そして、その一室に入り、長いため息をもらす。
「やっぱりここは最高かな」
いわゆる一人カラオケというやつだ。ぼっちとかは関係ない。他の人がいても耳に障るだけだ。
毎日いれている曲を歌い、満足して帰ろうとしたとたん、部屋を覗いている人がいるのに気づいた。
「……ッ!!!」
顔がゆでダコもかくやというほど赤くなり、部屋のすみに逃げる。もちろん狭い部屋なので、全く距離は変わらない、ような気がする。
その女性はずっと微笑んでいて、微動だにしなかった。
そして、彼女が同じ学校の女子生徒だと分かった時には、こちらに向かって歩き出していた。
やばいやばいこのまま学校でこの話をされて女子生徒はおろか男子生徒にまで広がってギリギリ保っていた地位が底辺まで下がって大学まで俺の場所は保健室になって結局大学にも入れず浪人してそれも知られて笑わ
「ちょっと、いいですか?」
「はい、2浪は覚悟します」
「ん?何か言ったかな?まあとにかく、
ーーー放送部に、入らない?」
宮本遥、高校一年生。秘密ヲ握ッタ女子高生ニ脅サレ、放送部ニ所属ス。