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蒼藍~反魔道士思想の村~  作者: 環田 諷
蒼藍の仕事
67/70

その8

 ビルの説明によれば、最終試験合格者は試験をした院から黄央院きおういんに連絡が行き、所属院と四大職業の書かれた正式免許証を、仮免許証と引き換えにくれるらしい。ロジーナは白戎使はくじゅうしに区分されるので、免許の色は白になるそうだ。

 そこで話が元に戻る。


「ですから、あなたはまだ蒼春院そうしゅんいんから移院できます」

「移院した場合、どうなるんですか?」


 移院するつもりなのか、その気がないのか知れないが、ロジーナが尋ねた。


「そうですね。おそらく蒼春院直属の外院で、もう一度試験が行われるでしょう」


 この条件を聞いて、今までの新入りはみんな移院していった。もうここまで聞かれたら、移院しないことはないと、少し落ち込んだ様子でビルは話す。

 しかし、少し考えたロジーナの結論は違った。


「じゃあ、蒼藍そうらんとして頑張ったほうが得ね」

「はい?」


 今度はビルが聞き返してしまった。ロジーナはそれに返す。


「だってそうでしょ?もう試験受けなくてもいいんだし」

「でも、この仕打ちは珍しくないんですよ?」

「あなた達が平気なら移院してたわ」と、ロジーナは平然と答えた。そして続ける。


「でも、これであたしだけ移院したら、あたしだけ逃げたことになる。それって悔しいじゃない」


 彼女が言っているのは、とんだ理論である。別に精神問題やイルの怪我のように外傷も珍しくないところで、逃げたら負けなんて理論はおかしい。が、それは彼女の中では当然の理論であり、立派な主張と考えだった。プライドとも言えるかもしれない。

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