その8
ビルの説明によれば、最終試験合格者は試験をした院から黄央院に連絡が行き、所属院と四大職業の書かれた正式免許証を、仮免許証と引き換えにくれるらしい。ロジーナは白戎使に区分されるので、免許の色は白になるそうだ。
そこで話が元に戻る。
「ですから、あなたはまだ蒼春院から移院できます」
「移院した場合、どうなるんですか?」
移院するつもりなのか、その気がないのか知れないが、ロジーナが尋ねた。
「そうですね。おそらく蒼春院直属の外院で、もう一度試験が行われるでしょう」
この条件を聞いて、今までの新入りはみんな移院していった。もうここまで聞かれたら、移院しないことはないと、少し落ち込んだ様子でビルは話す。
しかし、少し考えたロジーナの結論は違った。
「じゃあ、蒼藍として頑張ったほうが得ね」
「はい?」
今度はビルが聞き返してしまった。ロジーナはそれに返す。
「だってそうでしょ?もう試験受けなくてもいいんだし」
「でも、この仕打ちは珍しくないんですよ?」
「あなた達が平気なら移院してたわ」と、ロジーナは平然と答えた。そして続ける。
「でも、これであたしだけ移院したら、あたしだけ逃げたことになる。それって悔しいじゃない」
彼女が言っているのは、とんだ理論である。別に精神問題やイルの怪我のように外傷も珍しくないところで、逃げたら負けなんて理論はおかしい。が、それは彼女の中では当然の理論であり、立派な主張と考えだった。プライドとも言えるかもしれない。




