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蒼藍~反魔道士思想の村~  作者: 環田 諷
蒼藍の仕事
66/70

その7

「・・・はい?」


 意外な言葉に、ロジーナの涙は止まった。自分は確か、七重宝樹しちじゅうほうじゅの黄金から「蒼藍そうらん」と任命されたはずだが?その疑問が、先ほどの返事で伝わったようで、ビルが失笑しながら説明する。


「今回のはまだ『仮配属』なんです。四院しいん限定のものですが」

「仮・・・?」

「はい。本来は仮免許を本免許にするための、最終試験と仕事先での研修が兼ねられているんですけど。その辺も四院は特別なんですよね」

「じゃあ、あたしはまだ蒼藍じゃないんですか・・・?」

「まあ、理論的にはそうなります」


 いまさらそんなことを言われても、ロジーナはしっくり来なかった。というより、もともとビルは胡散臭いのだ。自分が意外と使えなかったから、体よく追い払うつもりではなかろうかと、疑心暗鬼になる。訝しい表情でみてくるロジーナに、ビルは仮免許証を見せるようにいった。そこは素直に、彼女は従う。

 彼女の免許証は紫色で、思ってより綺麗な色で驚いたものだ。が、同時に少し毒々しさも感じて、実際はあまり好きではなかった。


「これが何か?」

「まあ、見てください。シュール、イル、免許証を」


 二人も素直に従って、免許証を取り出した。車の運転時と同様、仕事の時には肌身離さず持っていなくてはならないのだ。

 見せられた免許証は、ビルのは黒、シュールのは赤、イルのは青だった。ずいぶんとカラフルである。

 そのことをもらすと、ビルが名前の少し上を指差した。そこには玄狄使げんてきし朱蛮使しゅばんし青夷使せいいしと書かれている。あと白戎使はくじゅうしがそろえば、魔道士を大きく分割した四大職業がそろうところだ。各々の細かい説明はおいおいビルから彼女に解説があるので、そこまで待っていただこう。

 そこで彼女は気付いた。


「あれ?あたしのってそれ、書いてる?」


 ひざの上に置いておいた免許証を見ると、そこには名前しかかかれていなかった。

 つまり、本物の免許ではないということだ。

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