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蒼藍~反魔道士思想の村~  作者: 環田 諷
もぐら退治
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その10

忙しくて投稿が遅れてしまったこと、心より謝罪いたします。

 アルバートに荷物の管理を頼んだロジーナは、再び村を見た。

 先ほども説明したとおり、村は進むのすら困難な姿だった。モグラが空けたのであろう穴で、家も傾いているのがほとんどだ。せっかく整備していた道路も、石畳が割れて散乱しているのだ。これでは整備しないほうがよかったかもしれない。遠めに見てアレだけ大きかった二尾は、やはり力が強いようだ。しかもそんな村の奥のほうから、ひどい悲鳴が聞こえてくる。すぐに助けに行きたいが、こんな状況では駆けつけることは不可能だ。

 初任務で極めて大変な状況に追いやられたロジーナに対し、ビルは冷静に、しかしすこし楽しげに、にらみ合っていた二人に指示を出す。


「二人は先に行ってください。私と彼女は後から追いかけます」

「こんな役立たずと一緒かよ!」

「俺が役立たずかどうかは、貴様が決めることではないが?」


 指示を無視して、二人はまだにらみ合う。ビルは二人の下へ歩み寄っていくと、両方の高等部を掴んだ。そのまま額同士を勢いよくぶつける。シュールの付けている仮面もあって、お互いダメージは結構大きい。イルは額を押さえて座り込んだ。シュールも仮面の上から額を押さえて痛みを堪えている。


「つべこべ言ってないで、さっさと出発してくださいね。さ、私たちも急ぎましょう」


 ビルは二人を置いて、さっさと村に入っていく。ロジーナはビルと二人を交互に見やった。仲が悪いのか解らないが、新人として対応に困るところだ。

 しかも村は先述したとおりの状況。先に行けと言ったところで、この状況で後に出発して先に着くのは困難だろう。ビルの命令もめちゃくちゃだ。

 そんな彼女の心配をよそに、イルがゆらりと立ち上がった。額はまだほのかに赤くて、まだ痛そうに見える。シュールも額から手を離した。二人はビルの背中を無言でにらむ。不意に、イルが口を開いた。


「解ったよ!行きゃいいんだろ、行きゃあ!」


 そしておもむろに、怒った彼の背中から翼が生えた。漆黒で、こうもりのような翼である。あんぐりと口を開けるロジーナをよそに、シュールも無言で背から翼を出す。イルとは真逆で、純白の、白鳥のような翼だった。


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