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蒼藍~反魔道士思想の村~  作者: 環田 諷
配属・蒼春院
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その3

今回は区切りを考えて、四話投稿いたします。

 大雑把にその理由は二つ。一つは魔道士院のくくりの最下位であるところだ。

 遅くなったが、魔道士院とは魔道士たちの集う場所だ。端的に言えば会社と考えて相違ない。会社との違いは、資格がないと院を立ち上げることもできないということだろう。

 その魔道士院は、大きく三つに分けられる。

 まずは内院(ないいん)。内院は黄央院しかなく、もはやその別名と化している。エリート魔道士の集う場所で、おそらくすべての新人魔道士が目指している場所ともいえる。とはいえ、新人配属の時点で配属されなければ、出世の道はないのだが。国の中央に位置し、政府とも直接的な繋がりがある。最高ランクの院と言うにふさわしい。

 次に四院(しいん)。四院というだけあって、東西南北に一院ずつしか存在しない。内院と直接繋がっており、内院に行くための一番の近道といえる。なぜなら、全ての院が内院にも劣ることのない実力を持っているからだ。内院の次と言っても過言ではない。

 最後が外院(がいいん)。外院の数は無数に存在する。つまり言ってしまえば院関係の中の末端ということだ。ほとんどの魔道士がここに属し、院によって実力に差がある。上二つの区分に対して統一性がなく、各院の知名度も低い。

 そしてジェシカが配属された碧空院は、この外院の、ぎりぎり中の上くらいになる。別にジェシカでなくとも、外院に配属されたものの半分以上は落ち込むものだ。しかしそんな彼らの思いとは別に、配属率は四院の各院に一人ずつ行ければいい方だったりする。

 二つ目は、碧空院という院の個性だ。ジェシカが落ち込んだ原因のほとんどは、ここに起因する。

 魔道士院というのは、なかなか院ごとに個性が出る。たとえば今ロジーナたちがいる黄央院は、真面目な人間が多い。そのため、黄央院が持つ院の個性は真面目ということになる。そして問題の碧空院の個性は、派手の一言につきる。ファッションや芸能に多くの興味を持ち、化粧や髪型をばっちり決める。真面目ではあるので、ちゃらちゃらしているのとは違うのだが、戦闘などで髪や化粧はぐちゃぐちゃになるので、整える魔道士は珍しい。必死に勉強したり、努力に汗を流す生活をしてきた新人魔道士たちは、そういう派手さとはなおさら縁遠いのだ。

 そんな理由から、ロジーナのような典型的な魔道士思考を持つ新人達の間では、失礼ながら行きたくない院としてささやかれていた院だった。

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