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蒼藍~反魔道士思想の村~  作者: 環田 諷
フォディスト
34/70

その15

 廊下に出た途端、彼は驚かされた。出たとこのすぐ横で、ロジーナがひざを抱えてすねていたのだ。他二名と違い、女性の扱いに慣れていないイルは、どう対処していいのか解らない。が、彼女を放ってさっさとどこかにいけるほど、淡白にもなれない。目隠しの結び目のあたりをガリガリと掻いた。

 イルが彼女の真向かいにしゃがみ込む。彼女はそこで初めて、出てきたのがイルだと気付いたようだった。


「何してんだ?お前」

「うっさいわね。ほっといて」


 彼女はそう言ったが、イルにだって多少なりとも知識はある。女性の「ほっといて」を真に受けてはいけないと、誰かに昔聴いた記憶があった。


「もうイヤになったか?」

「違うわよ。もうほっといてって」


 確かその人は、三回までは真に受けるなといっていたと、イルは記憶している。が、定かではない記憶に頼り続けるのは心もとない。彼はさっさと立ち上がり、フォローだけして出かけることにする。


「わかった。じゃ、一応言わせてもらう。あいつはわざと言わなかったんだ。言ってたら、お前すぐ蒼藍そうらんをやめてたろ?仕事しなけりゃ移院はできねぇ。働かねぇ蒼藍はいらねぇんだ。さっさと首になって、お前は魔道士を続けることすらできねぇだろうな。魔道士免許は一生もんだ。剥奪されたら二度となれねぇぞ」

「知ってるわ、そのくらい」


 なぜか、彼女は言葉を返してくれた。多少は機嫌が直ったということか?疑問を抱きながら、イルはもう一度しゃがみ込んで彼女に視線を合わせた。目隠しをしているので、彼の目が見えることはないが。


「じゃあわかんだろ、すねんな」


 ただそれだけいうと、なにをするでもなく彼は立ち上がった。


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