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蒼藍~反魔道士思想の村~  作者: 環田 諷
眼鏡・目隠し・仮面
13/70

その6

「それからここですね」


 彼は東の院をマーカーで丸く囲んだ。


「ここ蒼春院そうしゅんいんでは、なんらかの原因で依頼が来ない物なんかを、政府や黄央院きおういんから依頼されます。大きな機関の両方から依頼が来るのは、ここだけなんですよ」

「何らかの原因って、どんなものですか?」


 ロジーナの質問に対し、眼鏡は首をかしげた。もしかしたら原因は知らされていないのだろうかと、申し訳ない気持ちになる。しかし、彼は思い出したように手のひらをこぶしでぽんとたたいた。


「町から距離がありすぎて、町人が気付いていないときとかですね。下手な混乱を避けるために、知らせないほうがいいのですよ」


 どうやら具体例があまりないらしい。大変な説明をさせたことに、彼女は少し罪悪感を抱いた。もう少し、自分で考える癖をつけなければと、大いに反省する。

 説明が終わりかと思いきや、四院しいん同士の間と、四院と黄央院の間に、太い二重の線を引いた。大きな円と、十字が描かれる形になった。


「ついでに説明しますと、この部分に外院がいいんが点在しているのですね」


 説明をまじめに聞いていたロジーナは、ふと本来の質問を思い出す。


「あの・・・蒼藍そうらんの方々の話は・・・?」

「ああ、そうでしたね」


 もしかして忘れていたのではという感想が、ロジーナの中に浮かんだ。が、疑うのは失礼だと考え直す。その間に眼鏡が、今度は朱夏院しゅかいんの下に星マークを書いた。その少し離れたところに小さな点を書く。二つの間にアルファベットの「I」のような線を引き、「10km」と記した。

 蒼藍不在と繋がりがわからずに、ロジーナはきょとんとする。眼鏡はそんな様子にくすりと笑うと、星マークに書き足しながら説明を開始する。

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