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第44話 さらばDX

「矮小なる未開惑星の原住民風情が拙者に勝てると思うてか! 笑止!」


 スーパーニンジャフィールド内に木霊する、アラクネ型忍者エイリアンの甲高い金切り声。こいつの正体は依然不明なままだが、とにかく戦うよりない。


「みんな聞いてくれ! この場には今、スーパーニンジャソードの力が無尽蔵に渦巻いている気がする! それを使えば奴と戦えるはず! みんなで力を合わせて奴を斬るんだ!」


「どこかで聞いた台詞だね」


「だろうな! とにかく奴を叩っ斬るぞ! いい加減他人の都合に振り回されて命懸けの戦いを強要されるのはウンザリなんだ! 今度こそ俺は平和なニート生活をエンジョイ&エキサイティンしてやるんだからね!」


 轟! とティラノサウルスの咆哮が響く。思えばお前とも長い付き合いだったなt-reX! 侍だったり忍者だったり! 名残惜しいが今までありがとよ!


 俺を超能力者にしてくれて感謝してる! 結構楽しかったぜ! でも俺は、そろそろ長期休暇を頂きたいんだ! お願いだからもう休ませて!


『フィーバータァーイム! Inferno! Underdog! boIIIber! dIVa! Voltage! VIper! VITal! VULcan! cIXlone! t-reX! jaXTheripper! XUeen!』


『ItoXII! オール・フィーバー! イエー!』


「ネクロファング!」


「サイクロンアロー!」


「フシャアアアア!」


「ガアアアア!? バカな!? 宇宙忍者たる拙者が、未開惑星の原住民風情に破れるだとおおおお!?」


 すさまじい攻撃を一斉に浴びせられ、白銀に輝くアラクネ忍者の8本脚が同時に粉砕される。


「今度こそ! これで全部終わりにしてやらああああ!」


『XII! XI! X! IX! VIII! VII! VI! V! VI! III! II! I!』


 12本のスーパーニンジャソードの力がひとつとなって、輝きながら虹色の刃に虹色の炎をまとう。謎の宇宙アラクネ忍者をまっすぐ睨む俺の手に、すべての忍者刀が融合した最強の一振りが宿る!


『TIME-OUT!』


「ファイナルファング!」


「グオオオオオオオ!?」


 一閃。虹色の剣閃が奴の脳天を叩き割るする。その背後に空いたワームホールごと空間を一刀両断し、ドオン! と眩い虹色の光炎が大爆発した。


「そんなバカなあああああ!?」


 断末魔の雄叫びとともに、遺灰と化した奴の肉体が暴走したワームホールに吸い込まれ、そして消える。後には12本の忍者刀と静寂だけが残った。


 すべては終わったのだ。終わったよな?


 未完に終わった打ち切り漫画の本当の終焉。ジャック・ヲー・ニンジャ、完!


「つっ、かれたああああ!」


「ニャーン」


「お疲れ様、竜崎ディノくん」


 仰向けにぶっ倒れた状態で変忍が解除された俺の顔を、白猫を両手で抱きかかえた夢野が覗き込む。


 ああそうか、彼女が最後に残った唯一の正当契約者ならば、生き返る権利は彼女のものになるのか。


 思うことはいっぱいあるけど、猫ちゃんが死ななくてよかったと思う。動物が死ぬのは地雷なんだ、俺。

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