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34.【スパイダーウーマン】

居合わせた、というのは正確ではない。選挙妨害事件の、大声でヤジとばす連中を見飽きた花ヤンは、少し離れた所の人の落下事件を目撃した。気づいた人が110番したようなので、様子を見守ることにした。

 ○月〇日。

「あれは、スパイダーウーマンやな。蜘蛛降りて来たかと思ったさかい。」

 今日の花ヤンは饒舌だ。福島の介護施設強盗事件の際、居合わせたからだ。

 居合わせた、というのは正確ではない。選挙妨害事件の、大声でヤジとばす連中を見飽きた花ヤンは、少し離れた所の人の落下事件を目撃した。気づいた人が110番したようなので、様子を見守ることにした。誰も110番しないようなら、自分が110番しようと思っていた。何しろ、今は南部興信所の調査員やが、元は阿倍野署の刑事や。長年巡査部長やったが、定年間近で、東京に転勤。EITOに協力した功績を認められて、定年間際に警部補に昇格。正に「たたきあげ」や。

 混雑が原因で、なかなか緊急車両が来ないから、やきもきした。

 何せ、ビルに人がぶら下がっている。既に1人落下しているのだ。早く何とかしてやってと神頼みしていたら、何と天使が舞い降りてきた。

 いや、EITOエンジェルズや。1人は、南部興信所所員でもあり、南部所長夫人の総子に違い無いが、もう1人は誰か?その内、ビルのあちこちを走るEITOエンジェルズが見えた。バトルか?ビルの中は不利ではないのか?

 あれよあれよ、と見ている内に、そのぶら下がりは救出された。

 後で、佐々ヤンこと佐々一郎に尋ねると、選挙妨害は囮だったようだ。

 EITOエンジェルズのメンバーで救出されて良かった。

 総子の相棒は、何と、少し前に俺に聞いた『暴れん坊小町』だったらしい。

 興奮して話す花ヤンの肩を叩く者がいた。「呼んだ?花ヤン。」

 総子だった。小町を紹介された。成程、斎王を演じただけあって、別嬪だ。あの祭りの『斎王』というのは、ミス何チャラの相当する美人だ。ブスは選ばれない。

 ところが、容姿とはちぐはぐなことに、『口が悪い』。腕力も暴力的に使う。

 いつしか『暴れん坊小町』と呼ばれ、恐れられるようになった。あまりに悪名高いので、小町の父親の、署長は、小柳警視正経由でEITOの出向を命じた。

 皆が、厄介者でお荷物の筈の小町を敬遠したが、総子はビンタ噛まして、一発で大人しくなった。総子が成長したのか、小町が図太いのかよう分からん。

「ええ部下持ったな、お嬢。」と、俺がからかうと、「うん。幸田より役に立で。」と総子は返した。

 そらそうや。いくらベテランの探偵(調査員)でも、アクロバットは無理や。

 俺はふと倉持を見た。倉持は、ずっと小町を見ている。

 いかん、暴れん坊小町どころやない、『メデューサ』や、倉持は石になっている。

 ―完―




このエピソードは、既に他のサイトで公開した作品ですが、よろしければ、お読み下さい。

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