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②不思議な鍵

「どした?桜子?」

 ミカが桜子の顔を覗き込んだ。

「あ、いや、この商店街、かって。」

「この商店街?」

 ミカは首を傾げた。

「ついさっき、うちのクラスの青木がこの久城商店街で小さな龍を見かけたんだってさ。」

「龍ぅ〜?」

 ミカも桜子と同じように眉をひそめた。

「桜子も嘘かなって思うんだけど。青木ってわかりやすい嘘なんて言わないし、それに、最近久城市で不可解なことが起きてるから。ちょっぴり本当なのかなって思ってて。」

「あ〜、確かに。この前商店街で幽霊騒動があったっけ?なんか、あれ原因というか真相が判明してなかったんだっけ。」


 先週末に商店街で幽霊を目撃したと言う噂があった。

 どうせ物とかが落ちたり、風で飛ばされたりしたんだろうと思うが、証拠が無く、しかもその幽霊を目撃した人がかなりの人数だったため、ガチの幽霊だったかもしれないと言われている。

 それにしても幽霊か、、。どんな幽霊なんだろ?昔の商店街の人とか?


「あっ!ここ、ここ!」

 ミカが走って、目線のちょっと先にあるお店の看板の前に立って、ここだよーっと両手で大きく手を振った。


「ここが新しいゲーセン?」

「そ。今ここで<マジサー>のグッズが景品として大量発生中なんだよ!」

「まじか!?」


 <マジック☆サーチャー>、通称<マジサー>とは、魔法少女がアイドルをしてみたという設定で活動しているアイドルグループだ。

 ミカは熱烈的なファンで、発売されているグッズは大体速攻で購入している。

 対して、桜子はファン言うわけでは無い。しかし、<マジサー>の歌はかなり好きなので、桜子も時々関連グッズを買ったりしている。

 あ、これ桜子もファンなのか?


         ーーー


「う〜ん!一応目当ての物は取れたからこれで良しとするか!」

「それくらいで諦めてくれて嬉しいよ。」

 ミカはゲームセンターに入ってすぐに、まるで狩りをするライオンのごとく颯爽景品(獲物)をとりにいった。

 桜子はこういう時大抵ミカの戦利品(景品)を持つ係だ。

 桜子はミカほど筋力はないので(というかミカがゴリラ)、できるだけ少なめで終わってくれるのがありがたい。

 幸い、ここのゲームセンターのクレーンゲーム等は難易度が高く、ミカのお目当てだけで終わってくれた。


「この後どうする?そのまま家に直行?」

「う〜ん、どうしよっかなぁー。私はもう行くとこないし、桜子は?」

「桜子も・・・。あ、あるかも?」

 桜子ももうここに用はないと思ってたけど、少し気になることがあった。

「青木が言ってたこと、ちょっと確認したくて・・。」

「えっと、変な龍のこと?」

 ミカは<マジサー>のぬいぐるみを撫でながら言った。

「そ。」

「でも、路地裏の何処なの?」

「もしかしたら、幽霊騒動の場所あたりかな?

 可能性だけど、久城市で起きてる奇妙なことが全て関連してると思う。」

「あ、確かに!」

「そして、その幽霊騒動が起きた場所は、ここ、か。」


 案外ゲーセンと近かったみたいだ。

 路地裏は薄暗く、道にはチラシやゴミがところどころに落ちていた。

「なんか、怖いから早く戻ろ。」

「そだね。」ミカはぬいぐるみをギュッと抱きしめてそう言った。

 桜子とミカはお化けとかが苦手だ。しかし、こう言う心霊現象は気になるという矛盾がある。


「?」

「どした?桜子?」

「なんか落ちてる?」

 ダンボールが積まれてる所の端っこに何か光るものが見えた。


「・・・鍵?」

 拾ってみると、綺麗な装飾が施された鍵だった。

「綺麗だね?アンティークとか?」

 ミカが桜子の肩から首を少し出して、言った。

「子供のおもちゃって感じじゃなさそう。」

「だね。」

 ミカはコクコクとうなづいた。かわいい。


「とりあえず交番に預けますか?」

「うん、そうしよ。」

 桜子とミカの小さい冒険は終わった。(冒険かどうかは言い難いが。)


        ーーー

 交番に着いて、見つけた鍵をポケットから出そうと手を入れたけど、あの金属特有の冷たい感触が無かった。

「あれ?鍵が無い。」

「What!?」

 ミカの発音良さ過ぎの英語が出た。


「何処かに落としちゃったのかな?」

「かもね。来た道戻って探す?」

「ううん。もう遅いし、落ちてたら他の人が拾ってくれると信じる。あの鍵結構目立つと思うし。」

「私も賛成。帰ろ〜。」


 ミカには言ってないが、交番に行く途中。ポケットにある鍵が消えたような感覚がしたのだ。

 そして、桜子の身体に何か温かい物が入ってった気がしたのだ。

 



         ーーー


「鍵が無いだと?」

 黒いローブを着た初老の男は、部下の言ったことに驚いた。

 男と部下の側には同じ黒いローブを来た女の遺体があった。

「はい。もしかしたら、路地裏に落ちたのでは無いかと。」

「くそっ!探しに行くぞ!もし、あれが<火消し屋>に見つかれば厄介なことになる。」

 男はそう言って部下と共に、彼らが拠点にしている建物から出ていった。




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