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① いつもと変わらぬ日

 大体同じ時間に起きて、学校に登校して、勉強して、友達と遊んで、下校して、家で本を読む。

 普段と何も変わらない日常。

 でも、時々全く違う日常を歩んでみたいと思う時がある。


         ーーーー


 桜子は妄想するのが好きだ。学校や家で嫌なことがあっても、妄想で違う世界に行くと辛い気持ちが消えていく。


 幼い頃からずーっと妄想してたから、皆からは変人扱いされる時もある。

 でも、もう慣れてるし、妄想したら人の意見なんて気にしない。


「桜子!戻ってきて〜!」

 桜子の友達は桜子の扱い方が分かっている。

 こうして桜子を現実世界に戻してくれる。

 はいはい、分かってるよ。


「どしたの?」

「今日の帰りに新しくできたゲーセン行かない?」

「お金あるの?先週UFOキャッチャーで大爆死したって聞いたけど?」

「大丈夫!バイトでなんとか回復したから!」

「言っとくけど、お金は貸さないからね。」

「分かってるって。私が今まで桜っちからお金を借りたことある?」

「無いね。」

「じゃあ、ホームルーム終わったら即校門前で!」

「りょーかーい。」


 昔からの友達のミカはゲーム大好き人間だ。スマホから、パソコン、携帯ゲーム、それからUFOキャッチャーのようなゲームまで、あらゆるゲームをするゲームオタクである。(二次元オタクでもあるが)

 ゲームのためならどんな難関でも突破するスタンスで、テストも学校生活もゲームが出来るように全力でしている。

 そのやる気を桜子にも分けて欲しいが・・・。


 さて、ミカは私と別クラスでホームルームが終わる時間は別々、今日も早く終わって欲しいものだ。


「えー、今日の昼頃に不審な人がこの周辺にいたと言うので、皆さん気をつけて帰ってください。」

 担任の教師がそう言う。

 クラスのみんなはその人について色々な事を言う。


 不審者ねぇ。頼むから桜子とミカの邪魔はしないで欲しいんだけど、、。


 ホームルームが終わり、桜子たち生徒は部活に行ったり、下校するため、教室を出て行った。


「そういえば、昨日の夜中に俺未確認生物を見たんだ!」

 クラスの男子の1人がそう言った。

「見間違いじゃ無いのか?」

 他の子は彼の言ったことを疑っていた。

「嘘じゃねぇよ! 確かに見たんだ!」


「じゃあ、どんな姿だったのよ?青木?」

 桜子は青木の話しに少し興味が湧いた。


「お!来栖(くるす)も気になるのか?」

「いや、別に。最近妙な噂を聞くから、もしかしたら何か関係あるんじゃ無いかなって。」

 実は最近桜子が住む町では、不可解な事件や不思議な現象が起きているのだ。

 それに、ホームルームでもこの辺りで不審者がいたらしいから、かなり気になる。みんなには言いたく無いけど。


「あぁ〜!確かに! 来栖頭良い!」

 青木は桜子を賞した。

「お世辞ありがとう。で、どんな姿だったの?」

 

「それはな、、、。」

 青木はわざと結論を長引かせるように、ためて言った

「小さい龍だったんだ!」

「はぁ?」

 桜子は耳を疑った。

 あ〜、でも未確認生物についてだった。龍も一応未確認生物のうちの一つだったけ?


「いくら未確認生物とはいえ、龍ぅ?UFOとかツチノコじゃなくて?」

「うん、そう!俺もびっくりした!蛇かと思ったけど、空を飛んでたし、姿も蛇っぽくなかったんだよ。」

 なんか嘘っぽいなぁ〜。でも、こいつはあまり嘘を言わないからなぁ〜。


「どこで見たの?」

「え〜っと、確か・・・。商店街のろじ・・。


 ガタンっ!!!


「「!?」」


 言いかけていた途中誰かが椅子から勢いよく立ち上がった音がした。


 音がした方を見ると、同じクラスの水月乃空(のあ)さんだった。


「そんな生き物なんてこの世に無いわ!馬鹿馬鹿しい!」

 水月さんは何故か怒っていた。

「でも、俺は見たんだよ!」

 青木は水月さんに反論した。

 反論されると思っていなかったのか、水月さんは驚いて一瞬だけ目を丸くした。


「・・・夜中だったから、疲れてたんじゃ無いの?。」

 刺々しく言って、水月さんはスタスタと教室から出て行った。


「なんだよ、あれ。」

 青木は水月さんの行動に口を尖らせて言った。

「なんで怒ったんだろう?」

 桜子は水月さんがどうして怒ったのが分からなかった。

「さぁ?あいつ、確か難関大学に行くから最近ピリピリしてんじゃね?」

「まだ一年生なのに、、。」

 桜子はまだ勉強を本格的にしようとも思っていない時期だ。


「それより、お前八重桜と待ち合わせしたんじゃね?」

「あ、そうだった!」

 八重桜はミカの苗字である。

 桜子は大急ぎで荷物をまとめ、教室を出た。



      ーーーー


 商店街の路地裏で真っ黒なローブを着た女が、倒れていた。

 女の肩には怪物に噛まれたような傷があった。

「はぁ、はぁ。・・・、お嬢様に、知らせなくては・・・。」

 女は荒い息をしながら、携帯電話で電話をかけた。しかし、繋がらない。


「!?」


 女の目の前に同じように黒いローブを来た人達が立っていた。

 集団の1人の初老の男が女の子携帯電話を足で粉々に砕いた。


「さて、渡してもらおうか。その()を。







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