検診
大きな円柱が幾つも横たわっている。
円柱一つに一つには、様々なケーブルが秩序だって接続されていた。
円柱の上部と側面の上半分、下部の側面の下半分が分離し、開いていく。
見る人が見ると、つくね筒を上下に合わせてから、上下の筒をずらしたように見えただろう。
円柱の中には、人の姿があった。
人の頭部には半球状のアンテナ器具が覆っていた。
点滴のように、栄養を入れる為のチューブが腕に接続されている。
人は全裸で排泄物処理のためか、下半身には漏斗状の器具が付けられていた。
首、腕や足はシリンダー内で傷つかないように、ベルトで固定されている。
だが、主要な筋肉については、電極が取り付けられていて必要に応じて刺激を与えて動かしているようだった。
頭部のアンテナが引き込まれるように外れると、小さなアームが天井から伸び、下半身の漏斗状の器具や、電極も鳥外されていく。
漏斗状の器具が外れると、その人物が男性であることがわかった。
下から押し上げられて板ごと人の体が上がっていく。
するとしたに大きなアームが入れられ、その人物は内部を移動していく。
エアセクションを通ると、その人体は真白い別の部屋に入れられた。
部屋の中には体内をスキャナーする機械など、医療機器が並び順番に確認されていく。
部屋の片隅に有人運用時に確認する為の画面があった。
その画面タイトルには『自動検診機』と書かれていた。
一通りの数値が確認されると、寝ていたはずの男性が目を開いた。
すると画面には『一時休止』の赤い文字が大きく中央に表示され、点滅し始めた。
次に、板に拘束していたベルトが緩む。
寝ていた男は、筋力が衰えているのか、遅い上にぎこちない動きで板の上で起き上がった。
板の上で、頭を抱え、ため息をつく。
狭い室内を動き、大きなレバーを回しハッチのような扉を開ける。
狭い廊下に出ると、隣の部屋のハッチを回して中に入った。
部屋にはまだ誰もいない。
有人運用時に使用する画面を見ながら操作し、情報を引き出す。
部屋の奥のドアが開くと、人体を乗せた板が部屋に滑り込む
画面には様々な数値が表示され、記録されていく。
一通りの数値が記録された時、男は画面操作をすると先ほどと同様の『一時休止』画面が表示された。
板に固定する為のベルトが外れていく。
「会いたかった」
板に乗っている人体に向かってそう言った。
胸の起伏や下半身から見て、その体は女性だった。
男は、ゆっくりと目を開いた女性の上に跨った。
女性の意識がはっきりせず、虚ろな意識の状態のまま、男は勝手に性行為を始めていた。
女性は泣いていた。
男は女性に鼻と口を覆う機器を押し付け続けた。
初めは女性は呼吸を拒否していたが、耐え切れず女性が息を吸うと女性の意識は失われた。
男は初めに乗っていた板の上に女性を戻すと、自動運用を再開した。
女性は部屋から出ていき、天井を動くアームで元のシリンダーに運ばれていく。
男も自分がいた部屋に戻り機械を操作してから、板の上に寝た。
部屋を出て、開いているシリンダーに入ると、男の頭には半球状のアンテナが付けられ、腕に注射針が差し込まれた。
様々な電極が取り付けられながら、シリンダーは閉まっていく。
完全に閉まる頃には、薬剤が投与され、男は意識を失っていた。




