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#7 Aクラス女子達の特訓

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#7

 今日は2回目の実技訓練がある日。


 Aクラスの生徒達は訓練所に来ていた。



「揃ったな! ではこれから実技訓練を始めるぞ! 今日行うのはスキルをどうこれから鍛えていくのか方向性を定める事だ! スキルは鍛え方次第でいくらでも伸びる! これも例があった方が分かりやすいだろうから俺のスキルを例に話そう!」



 そう言ってダッカーは訓練用の剣を手に取った。



「俺のスキルは『拡大・縮小』というスキルで、手で触れている生物以外のもののサイズを変える事ができる! こんな感じだな!」



 ダッカーがスキルを使うと、訓練用の剣は片手剣サイズから両手剣ぐらいのサイズになった。



「ちなみに小さくもできるぞ! それで、俺が皆んなくらいの時は剣をあらかじめ大きくして使っていた! 重さは変わらないからな! だが、俺はこのスキルを鍛えて使い方を完全に改めた! 実践するぞ!」



 ダッカーは訓練用の剣を元のサイズに戻すと、的から少し離れた位置に立ち、剣を構えた。


 一見届きそうにもない距離だが、ダッカーが剣を振ると、何故か的は木っ端微塵に砕け散っていった。



「えっ、なんで!?」


「はははっ! このスキルは初見では何が起きたか分からないだろう? 種明かしをすると、剣が的に当たる瞬間だけスキルを発動させて剣を大きくしてリーチを伸ばしたんだ! こんな風に、工夫一つでスキルは必殺の一撃になり得る! まずは一つでいいから自分のスキルの長所を見つけ、そこを伸ばす! もちろん並行して短所の克服もしていくから頑張ろうな!」


「「「はいっ!」」」


「よし、ではクローフィア君!」


「……ん?」


「君はこのクラスの女子の訓練を手伝ってあげてくれ! 君達の班ともう一つの班だな!」


「……ん、それくらいなら」


「よーし、それでは各自、俺とクローフィア君、更には同じ班の者達と相談したりしながらスキルを鍛えていこう!」



 ダッカーの指示で生徒達はまばらに訓練所内に散っていった。



「……という事らしいから、女子は集合」



 そして、クローフィアの元にはクローフィアを入れて8名の女子が集まった。


 ちなみに、この学校の男女比は男子が7割、女子が3割くらいになっている。


 なので、一年生のAクラスは32人クラスとなっているが、女子はその内の8名しかいないのである。


 戦いに身を置く以上、必然と女子の方が少なくなるのは自明の理だろう。



「……じゃあ、簡単に自己紹介お願い」


「では、私から。 ウルティマ・ヘスギアと申します。 ヘスギア辺境伯家の長女でございますわ。 呼びにくければウルとお呼びください」



 まず初めに名乗ったのは、170くらいの高身長と見事な金髪縦ロールが特徴的なちょっと気の強そうな女の子、ウルティマだ。



「次はウチっすね! レオナ・カナレって言います! カナレ男爵家の次女っす!」



 次に名乗ったのは、貴族の令嬢にしてはかなりハイテンションで元気いっぱいなレオナだ。



「お次は私。 ロッティ・アズガミーナよ。 アズガミーナ子爵家の長女ね。 クローフィア様、よろしくね……♡」



 そして、どことなくネッチョリとした雰囲気を醸し出す、眼鏡をかけた細身の女子ロッティ。



「わ、わ、私はフランです…… 普通の平民で、すごいこの場にそぐわないですが…… よ、よろしくお願いします……」



 最後に、見るからにど緊張しており、プルプルと震えているフランが名乗り、一旦自己紹介は済んだ。



「……ん、ウル、レオナ、ロッティ、フラン、よろしく。 次はスキルを教えて?」


「では、さっきの順番で。 私のスキルは『スライダー』と言って、物体と物体の間に発生する摩擦を操作できますわ。 こんな風に」



 ウルはスキルを発動させると、訓練所の床を氷の上かのようにツルツルと滑って見せた。


 更には魔法にも適用されるらしく、アイスボールの魔法を地面に向かって放つと、地面では炸裂せずにツルツルーっと滑っていって的に当たってから炸裂した。



「ウチのスキルは『重撃』っす! 攻撃した対象への次の攻撃がどんどん重くなっていくってスキルっすね!」



 レオナはそう元気に言いながら的を訓練用の剣でコンコン叩いていく。


 すると、それが数十回目になった頃には軽くコンコン叩いているだけなのに的からミシミシと音が鳴り始め、最終的にバキッと粉砕してしまった。

 


「私のスキルはこれね♡」



 ロッティがそう言うと、ロッティの足元から特殊な形をした魔法陣が現れ、そこからズルリとウネウネした触手が現れた。



「『触手召喚』よ♡ カワイイでしょ♡」



 スリスリと触手に頬擦りするロッティを見て、数名顔を引き攣らせているが、どことなしか触手も喜んでいるように見え、そこまでSAN値が削られることは無かった。



「わ、私のスキルは『オーバーヒール』です…… ヒールの魔法の強度を強めてたくさん回復させたり、攻撃する時は細胞を異常に発達させて爆発させれたりします……」



 フランも中々に有用なスキルを持っているようで、これで一通りスキルの確認も済んだ。


 アカネ、セリー、フィオラもウル達に自分のスキルを教えて共有しておく。



「……ん、大体分かった。 それで、鍛える方法だけど、とりあえずパッと見た感じの短所を教える。 その方が長所も伸ばしやすいから。 じゃあまず、アカネ」


「はい!」


「……なんで敬語?」


「えっ? いや、今は先生みたいなものじゃないの?」


「……普通でいい。 アカネ、縮地使って私を突破して?」


「分かった!」



 アカネは縮地を使って目にも止まらぬスピードでクローフィアの横を通り抜けようとした。



「……んっ」


「いったぁっ!?」



 が、アカネはパコーンとクローフィアが作った拳に額を撃ち抜かれてひっくり返った。



「……縮地は確かにとっても協力。 けど、それよりも早く動ける相手に移動する先を読まれて今みたいに攻撃を置かれてるだけで簡単に破られる」


「クーちゃん痛いよぉ……」


「……デコピンの恨み」


「まだ根に持ってたの!?」


「……こんな感じで、一見強いスキルにも穴はある。 アカネのこの穴を埋めるためには縮地の連続使用と一定距離じゃなくて一回一回距離を指定して移動できるようになるのが目標」


「うー、連続で使えないって簡単に見抜かれちゃうんだ……」


「……使えてたら私の拳が当たる前に避けれる」


「確かに……」


「……次、フィオラ」


「はい。 私はどうすれば?」


「……あの的を私の攻撃から守って?」


「分かりました」



 フィオラが的に寄り添うように盾を構えたところに、剣を持ったクローフィアが攻撃を仕掛けていく。


 最初はクローフィアの攻撃を凌いでいたフィオラだったが、クローフィアはフィオラの限界を試すように攻撃のギアをどんどん上げていく。



「くっ……! ふっ……! あっ!?」



 そしてついに、完全に裏を取られる形でクローフィアの剣が的に一撃を入れていった。

 


「……ん、これぐらいの速度が限界。 フィオラの守護スキルは常時発動に見えるけど、僅かに再発動までの隙がある」


「私ですら知りませんでした……」


「……これほどのスピードで動ける人は限られるからしょうがない。 フィオラは守護スキルの再発動までの時間を短縮するのと、もう片手に武器を持って反撃する技術を身につけるのが目標」


「それは私も考えていたのですが、武器は何がいいでしょう?」


「……受け流しスキルがあるから、敵の攻撃を受け流してできた隙を突ける、近接でも振り回しやすい短めの片手剣とかがいいと思う」


「なるほど…… 練習してみます。 ご指導ありがとうございます、クー様」


「……次、セリー」


「はいですの!」


「……私と魔法勝負。 30秒で何個の的壊せるかやろう」


「えっと、スキルは無しですわよね?」


「……ううん、使っていい。 全力で来て?」


「わ、分かりましたわ?」



 そうしてセリーとクローフィアは開始の合図と共に魔法を放ち始めた。


 セリーは普通に考えて二重詠唱のスキルがあるので負けっこないと思っていたのだが……



「そこまで! えーっと、セリーちゃんが20個で、クーちゃんがろ、60個……!?」


「えぇっ!? く、クー様も何か魔法関連のスキルを……?」


「……使ってない。 ……ロッティ、フラン?」


「私?」


「はひっ!?」


「……2人は魔導騎士志望でしょ? 横から見ててどうだった?」


「なんだかすごかったわ、クローフィア様の方は。 全ての行程が早いというか……」


「そ、それに詠唱もしてませんでした……」


「……ん、2人ともよく見てる。 私とセリーの差は魔法の構築速度。 セリーが3秒くらいかけて構築する魔法を私は0.5秒くらいで構築してる。 これは、近い内に新しい魔導学の講義で学ぶことになると思うから、詳しい事は座学になっちゃうけどしっかり魔術式を覚える事。 後はとにかく反復練習を頑張ってね」


「分かりましたわ!」


「……フランはそれも並行して行いつつ、スキルの方も頑張る。 オーバーヒールの威力調整精度と、最大威力に到達するまでの時間の短縮をまずは頑張って」


「は、はいっ……!」


「……ロッティは、もう一回触手見せて?」


「もちろんですわぁ♡」



 再びズルリと現れたロッティの触手を、クローフィアはペタペタ触って強度を確かめる。



「……これ、一本しか出せない?」


「いや、現状3本くらいは出せますわ? けど、本数を増やすとその分、細く柔らかくなってしまいますね」


「……一本の時の強度は割と文句ない。 私でも斬るのは難しそう。 だから、ひとまずは3本をこれくらいの強度を保てるくらいに硬く太くして?」


「はぁっ♡ い、今のセリフをもう一度……♡」


「……ん? 触手を硬く太くする?」


「はぁっ……♡ もういち…… ぷぎゅっ!?」


「なんか止めたほうがいい気がしたっす!!!」



 目を血走らせてハァハァしだしたロッティを、後ろから持っていた剣の腹でゴンっと叩いてレオナが止めた。



「クーっち! ウチはどうすれば良いっすか?」


「……クーっち?」


「クローフィアっちだと長いっすから、クーっちっす!」


「……ん、それでいい。 レーチェは武器は片手剣?」


「うーん、実は悩んでるんすよね。 もうちょっと取り回しのいい武器にした方がウチのスキルには合ってるかなって」


「……その考えは正しいと思う。 悩んでるなら双剣とかはどう? 手数は1番出せる武器だと思う」


「両手に武器持つんすね! いいと思うっす! でも、全然やったことないっすけど大丈夫っすかね?」


「……基礎は教える。 見た感じレーチェは運動神経良さそうだから割とすぐにものにできると思う。 あと、リリがいる時はリリにも戦い方聞いてみて。 リリは両手に短剣持って戦うスタイルだから」


「了解っす!」


「……最後、ウル」


「はい」


「……ウルはスキルを活かした変則的な動きと戦い方が武器になる。 今は何ヶ所くらい同時に操作できる?」


「そうですね…… 完全に常に操作できるのは2ヶ所くらいですかね? 今の所4ヶ所操作できるのですが、2ヶ所以上しようとすると集中力が……」


「……そしたら、動きながらスキルを使って自由自在に摩擦をコントロールできるようになるのが目標。 あと、敵の攻撃に合わせて瞬間的に発動できるようにする反射神経も鍛えること」


「承知致しましたわ」


「……ん、こんなところ。 見て回るから各自練習してみて?」


「「「「はーい!」」」」



 Aクラス女子達はクローフィアに言われたことを練習し始めるのであった。


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