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#4 クローフィアの実力

このお話を見てくださりありがとうございます!


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感想もいつでもお気軽に送ってください!

「血操術…… すごいスキルだね?」


「……怖がらないんだ」


「えっ?」


「……初見の人は、大体このスキルを見て怖がる」


「いや、すごいスキルだとは思うけど、怖くはないかな? クーちゃんが私達にその剣を向けるとは思えないし」


「そうですね。 むしろ原理とか、戦闘の時にどう使うんだろうという興味の方が勝ります」


「私は前に一度見てますから! あぁ、懐かしいですわ♡ あの時と変わらず綺麗な紅色ですね♡」


「……3人とも、変わってる」


「ふふっ、いいお友達に出会えたわね〜♡」



 クローフィアはどこか呆れたような、そして少し嬉しそうな表情を見せながら、手の片手剣を再びドロリとした液体にし、容器の中へと戻していった。



「……リリ、持ってきたならタンクに戻しといて」


「はいは〜い♡」



 その容器を再びリリーフィアに渡すと、リリーフィアはそれをまた胸の谷間にすぽっとしまいこんだ。



「クーちゃん、タンクって?」


「……私の血がいっぱい入った鮮度が落ちない特別な容れ物。 使ったら補充する」


「補充……」


「……こう、手首を切ってどばどばーって」


「……それはちょっと聞きたくなかったかも。 でも、そんな事して平気なの……?」


「……ん、実は私は吸血鬼とのハーフ。 そもそもの血の量が多いし、血を溜める器官が体内にあるから平気。 それに、傷も血さえあればすぐに治る」


「吸血鬼…… って、確か魔族の種族でしたよね? 魔族とのハーフの方なんて初めて見ました」



 フィオラの言う通り、この世界にいる魔族と人間のハーフはいないと言ってもいいぐらい少ない。


 理由はそもそも種族が違うので妊娠しづらいという問題もあるが、1番は魔族の住む隣の大陸はほとんど鎖国のような体制をとっているためである。



(まぁ、大まかには本当だけど、ちょっと違うのよね〜)



 実はこの吸血鬼とのハーフというのは、クローフィアとリリーフィアがあらかじめ考えておいた嘘だ。



(真実はもう少しクーちゃんと仲良くなれたら…… ね♡)



 きゃいきゃいと友に囲まれる義娘の姿を見て、リリーフィアは優しげな笑みをみせ、その場を後にした。



「おーし、それじゃあ確認終わったみたいだから一度集まってくれ!」



 すると、ダッカー先生の号令によって生徒達は再び集められた。



「各々スキルの確認はできたな? これからの実技訓練では戦いの方法やスキルの扱い方、基礎身体能力を伸ばしていくぞ! あと、自分の専用武具もそう遠くないうちに作ると思うから楽しみしておけ!」


「ダッカー先生〜? 折角なら私達の専用武具でも見せてあげたらいいんじゃないですか〜♡? その方がイメージもつきやすいと思いますよ〜」


「むっ、確かにそれはそうだな! よし、特別に見せてやろう!」


「クーちゃん、クーちゃん♡? 折角ならクーちゃんのも見せてあげて〜♡?」


「……ん、いいよ」



 生徒達の視線が集まる中、ダッカー、リリーフィア、クローフィアが生徒達の前に並んだ。



「専用武具は常日頃から身につけられる物の形にして収納されてるんだ! 俺の場合はこのカフバングルだな!」


「私はイヤーカフね〜♡」


「……私はペンダント」


「これらに自分の魔力を流すことで真の姿を解放できる! それじゃあ、いくぞ!」



 3人はそれぞれの専用武具に魔力を流した。


 それらは光を帯びたかと思うとあっという間に武具の形へと変化していく。


 そして、数秒と経たずに光が収まった時には3人の手にはそれぞれの武具が握られていた。


 ダッカーの手には大柄なダッカーの身長くらいはあろうかという大剣が。


 リリーフィアの両手にはそれぞれ一本ずつ、綺麗でとても美しい造りをした短剣が。


 そして、クローフィアの手には、小柄なクローフィアより大きいのではないかというサイズの、漆黒に所々赤いラインが入った大鎌が握られていた。


 生徒達は初めて間近に見る現役騎士達の専用武具に誰しもが大興奮していた。



「いい反応をありがとう! とってもカッコいいよな! だが、忘れないで欲しいのが……!」



 ダッカーはおもむろに振り返って、近くに置いてあった大柄なダッカーの2倍はあろうかというくらい大きく硬そうな素材でできている的めがけてその大剣を振り抜いた。


 結果、バガァァンと大きな音を立ててその的は木っ端微塵になってしまった。



「こんな風に、これは簡単に物を壊せてしまう見方によっては危険な代物だ! 君達もいずれこんな武器を持つことになるが、この力を正しく使えるように今からたくさん準備し、手に入れた後も決して訓練を怠らないようにな!」


「「「はいっ!!!」」」


「ちなみに、訓練では俺だけじゃなく、クローフィア君も君達に色々と教えてくれるからな!」



 そうダッカー先生が告げたが、何人かの生徒は少しクローフィアに教えられることに不服な表情を見せた。



「あらあら〜、クーちゃんの事をまだ侮ってる子がいるわね〜♡」


「……気持ちは分かる」


「じゃあ〜、アカネちゃん♡!」


「は、はいっ!?」


「クーちゃんに思いっきり攻撃していいわよ♡ スキルも全部使ってね?」


「えっ…… そ、それは……」


「……アカネ、心配いらない」


「クーちゃん……?」


「……心配してくれるのは嬉しいけど、私も特務騎士。 正式に認められたこの国のトップ。 まだ騎士ですらない学生に心配されるほど、私は弱くない」


「……っ」



 そう言葉を発したクローフィアの姿は、まだ戦場なんて全く知らない生徒達にすら、歴戦の猛者だという事をオーラだけで嫌でも分からせた。



「そうだよね…… 生意気言ってごめん。 ふぅっ…… いきます!」



 アカネは目の前の小さな少女に向かって自身の持てる最大の速度と力を以って攻撃を繰り出した。


 その攻撃は現役の騎士であるダッカーをして学生レベルの攻撃じゃないと瞬時に理解させられたが、結果は……



「……っ!」


「……良い攻撃だった。 アカネはもっと強くなれる」



 アカネが振り下ろした剣は空を切り、いつの間にかその後ろに回り込んだクローフィアの持つ大鎌の内側の刃が、アカネの首元数センチのところでピタリと寸止めされていた。



「勝負アリだな! アカネ君もクローフィア君もありがとう!」



 しばし生徒達はポカンとした表情でアカネとクローフィアの事を見ていたが、ダッカーがそう大きな拍手をしながら宣言した事で、生徒達も拍手で2人のことを讃えた。



「見ての通り、アカネ君の攻撃は素晴らしいものだった! 学生で今ほどの攻撃を放てるのはこの学校の上級生を入れてもそういない! だがそれをクローフィア君は簡単にいなしてみせた! これだけのものを見せられたら彼女の実力が分からない者はいないな!」



 先程まで不信感を抱いていた者たちも、今のを見たら何も言えなくなったようだ。


 それぐらいアカネの動きは凄かったし、クローフィアの動きはもっと凄かった。



「よし、という事で時間もちょうど良いし、これで今日の実践訓練の時間は終わりだ! 午後はもう一つの必修科目の魔導学の講義があるから準備しておくんだぞ!」



 ダッカーが講義の終わりを告げた事で、生徒達はまばらに訓練所を後にしていく。


 そんな中、アカネ達4人はまだ訓練所に残っていた。



「……アカネ」



 クローフィアは何も言わないアカネに声をかけた。


 もしかしたら、さっきの立ち合いで怖い思いをさせてしまったのかと心配になってしまったから。



「……す」


「……ん?」


「すっごいね! クーちゃん!」


「んん……?」


「私、自分が速く動けるから、目にも自信があったの! なのに、クーちゃんの動きは全然目で追えないくらい速くて…… これがトップクラスの騎士なんだなって痛感させられたよ!」


「ふふっ、アカネ様には心配いりませんでしたね♡」


「ほえ?」


「もう皆さん訓練所は後にしましたよ? 講義も終わりました」


「ええっ!? ご、ごめんねっ、さっきの事を考えてたら周り見えてなかったよっ……」


「……アカネ、お腹空いた」


「うんっ、私もっ! 待たせてごめんね皆んな! ご飯食べに行こ!」



 タタっと元気に駆け出したアカネの後ろ姿を見て、クローフィアはいつもの無表情を少しだけ綻ばせるのであった。

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