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ユキエとエリコ  作者: 壱
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5.エリコ

 エリコは教室の窓際の席に座っている。

 高校三年になったぼかりだが進路も決めなければならないのだが、進学するべきか、就職か、私は将来に何も希望を持っていない。

 

 見た目も地味で運動もできない。学力も学年全体のちょうど真ん中くらい。何にも取り柄はない。


 でも、好きな事はある。読書。

 そして、私は自作の小説を書いてみたいという夢を持っていた。

 本を読むだけでその世界の中に入り込める。現実を忘れさせてくる。

 

 コツンと私の頭に何かが当たった。またか。

 きっと後ろから丸めた紙くずを投げてきたのだろう。いつものことだ。

 

 私はいじめにあっているのだと思う。

 はっきりとした原因はわからないが、このクラスのボス的存在のトシオに目を付けられたのがいけなかったのだろう。

 

 彼は大企業の一人息子で金持ちの親の七光り。金持ちには自然と取り巻きができるもので、トシオが私をからかいはじめるとその取り巻き達も私をからかいはじめる。

 

 はじめは無視される程度のことだった。しかし、私があまりにま反応が悪いのでエスカレーターしていく。

 

 今だってそう。

 

 紙くずを頭に投げつけられただけじゃ私は何のリアクションもしない。

 彼らにとってそれが勘に触るののだろう。

 

 気が着くとすぐトシオが私のすぐ隣に立っていた。私は本を読んでいたのだが、その本をトシオは乱暴に取り上げる。

 そして、窓から外へ本を放り投げた。


「あっ」

 それでも私のリアクションはこの程度。

 

 その状況を見て取り巻きはケタケタと笑っている。しかし、トシオは私を睨みつけていた。


「お前、こんな事されてもなんで何も言わないんだよ?」

 

 トシオの質問の意味がわからない。彼らが勝手に私に対して行ってる事に対してわたしはなんて言えばいいんだ。私は何をされようと何も感じない。


「別に」と私が答えるとトシオは舌打ちをして教室から出て行った。取り巻き達はその後を追う。

 

 教室中からヒソヒソ話が聞こえる。

 これもいつものこと。私が教室の雰囲気を悪くしているのか、それともトシオなのか、それはわからない。しかし、この教室内にトシオに意見できるものはいない。いじめに参加せずともそれを見て笑うもの、悲哀の目を向けるもの、様々だが私にとってその状況は苦ではない。

 

 私は感情を失ってしまったのだろうか?

 

 いつからこうなった?

 

 母が事故で死んだあと?

 

 父が自殺したあと?

 

 施設に入ってから?

 

 わからない。

 

 私は私がわからない。

 

 私は放課後、誰もいない教室で本を読む。

 

 窓の外からは運動部の部活動に勤しむ声が聞こえてきたり、吹奏楽部の楽器の音色が聞こえてくる。

 

 私はこの時間が好きだ。

 誰にも邪魔されず何も余計な事は考えずにいられる。

 

 たまに教室に忘れ物を取りに来る人がいるが、私に声をかけるものはいない。

 

 携帯のメールの着信が鳴る。

 ユキエだ。私の唯一の友達。同じ施設で出会い、なぜかユキエは私の事を気に入ったらしくよく話かけてきた。

 

 ユキエは私と歳が同じだが、高校には通っていない。ユキエも両親を亡くしている。それからユキエは非行が目立ち、万引き、窃盗を繰り返し何度も警察の世話になっている。

 

 どうやらユキエが学校の近くにいるので一緒に帰ろうという事らしい。

 断る理由もないので、私は「わかった」と返信をして教室を出る。

 

 ユキエは裏門から出てすぐの公園にいるようなので、私は裏門へ向かった。

 体育館の裏の道を抜けていくとそこが裏門だ。その道を歩いてる時に、誰かに背後から私の口を押さえて羽交い締めにされた。

 私はそのまま体育館裏にあるほとんど使われていない倉庫へ引きずり込まれた。

 

 私は状況が理解できずボーっとしていると、倉庫の扉が閉められた。

 倉庫内にはトシオと取り巻きが2人。どうやら私をここへ引きずり込んだのはこの取り巻きのうちの一人らしい。


「お前が悪いんだぞ」

 トシオがそう言い放つ。

 

 この人は何を言ってるんだろう?


「お前が一体何をすればいい反応を見せてくれるのか俺たちなりに考えたんだよ」

 トシオがそう言うと、取り巻きの二人が私を押さえつける。

 私の制服のシャツをトシオが乱暴に開き、ボタンがちぎれる。そして、トシオが私の胸を触る。

 私は表情ひとつ変えずにトシオをじっと見つめる。


「これでも無反応かよ」

 トシオはつまらなそうに舌打ちした。

 

 そして、トシオが私のスカートの中に手を突っ込んでパンツを脱がせた。そのまま、トシオが私の上に覆いかぶさる。

 トシオの性器が私の性器に無理やりねじ込まれる。


「痛いっ」私はあまりの痛さに思わず声をあげた。

 

 それを聞いたトシオはニヤつきながらそのまま腰を振り始めた。

 私は取り巻きに手足を押さえつけれ、何も抵抗できなかった。

 

 私の初めてはこんな感じで終わるのか。まぁ別にそんな事はどうでもいいけど。

 私はトシオが腰を振り続けてる間もそんな事を考えていた。

 トシオの動きが止まる。どうやら私の中で果てたようだ。

 その後、取り巻きの二人にも次々に犯される。


 今までは何をされても何も感じなかった。何も思わなかった。でも、なぜだろう。

 この感じ。遠い遠い嫌な記憶が蘇ってくるようなこの感じ。

 なんだろう。


 スカートのポケットに入れってある携帯の振動を感じた。

 (あっ、そうだった。ユキエと裏門の公園で待ち合わせしてたんだった)

 

 二人目の取り巻きが果てたあとに私はある事を心の中で決めた。私の中の闇が一気に溢れ出たような感じ。今までに感情。

 おそらくもうこの感情を抑えることはできないだろう。


 こいつらを必ず殺す。


 

 

 

 

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