プロローグ
焼け跡からは、2人の遺体が発見された。
男性と女性だということはわかったが、損傷が激しく見た目だけでは、身元が判別できない状態だったらしい。高級住宅が建ち並ぶ街の一角で起きた突然の火災。
家は全焼を免れたものの、火災の火元とみられるリビングは完全に焼けており跡形もない状態。2人の遺体はそこで発見された。
不可解なのは2人の遺体はリビングに横たわって発見されたということ。
警察や消防の見解によると、煙を吸いすぎて気を失ったか、もしくは始めから逃げるつもりがなかったのか。
しかし、その理由は警察の捜査によってすぐに判明した。
遺体で見つかった2人は火災の起きる前からすでに死んでいたのだ。
1人は胸を刃物で刺された事による失血死。そして、もう1人は毒による中毒死。
火災が直接的な死因ではなかった。
現場宅の寝室から運良く焼けることを免れた防火仕様の小さな金庫が見つかった。
その中には不倫現場の証拠を押さえたと思われる写真などが数点。
この証拠を突きつければ、なんの問題もなく不倫が認められるだろう。
そして、鑑識の結果、2人の遺体の身元も判明した。
西森俊雄、西森雪絵。
2人は夫婦で不倫問題のもつれから、一方を殺害し、毒を飲み心中をはかったと思われる。
なぜ、火災まで起こす必要があったのか?
それは、すでに亡くなってしまった本人から聞く術もなく、警察は夫婦による心中事件として、事を収めるしかなかった。
読んでいただきありがとうございます!
「面白い!続きが気になる」
と思っていただけた方は
下にある⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎マークから作品への応援お願いします。5つ貰えると嬉しいですが、正直に感じた星の数だけで大丈夫です。
ブックマークもしてもらえると嬉しい限りです。
今後もよろしくお願い致します。