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冒険者パーティーを追放~「戻って来いと言っても知らないからな」と言ってパーティーを抜けた俺は、魔眼の力を使い最強冒険者を目指します~  作者: 夢見叶
第三章 ダンジョン調査依頼と新たな仲間

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五十六、クリスの気持ち

「君達が信じないと言うなら仕方がないな」


「やっぱり嘘だったのか! そんな見え見えの嘘ついてもすぐばれるんだよ!」


「何を言っているんだ。君達と話していても時間の無駄だと言っているだけなんだが。皆行こうか」


 俺はアリス達に声を掛けて、冒険者ギルドへと向かうとする。すると、


「おいおい、何を意味の分からね~こと言ってんだよ! そこのクリスは俺達の仲間なんだから置いてけよ!」


 こいつはクリスの事を物のように扱うのか。


 俺はそのことに対して心の中でため息をつく。まさかここまで最低な奴らだとは思わなかった。正直ケイル達が俺にしていた扱いと同じだ。


「クリス、もし君が戻りたいと言うなら俺は止めない。君がいたいと思える場所に居れるのが一番幸せだからね」


 これは俺の本心だ。正直な事を言うと残って欲しいと言う気持ちもあるが、クリスの気持ちを無視して引き留めることも出来ない。


「私はもう、フォレストガーディアンの一員です。他のパーティーに入ることなどありえませんよ」


 クリスは俺の目を見て答えた。その目には力が籠っており、本気だと分かる。


 俺はその答えを聞いて、少し安心した。


「これがクリスの気持ちだと言うことだ! 分かっただろう」


 俺が言うと、


「クリス! 何を好き勝手言ってるんだ! お前に決める権限なんてあるはずないだろうが!」


 大声で言ってくる。


「お前は俺達の後ろを黙って付いてきていればそれでいいんだよ!」


「嫌です!」


「はぁ~? おいおい、バカかお前は。お前が俺達に逆らえると思っているのか!」


 男が腰に下げている剣に手を掛ける。おいおい、こんな街中で攻撃を仕掛けてくる気かよ。どんだけ気が短いことか。


 俺がクリスの前に出ようとした瞬間、


「マイルさんはそこにいてください。これは私で決着をつけないといけないことです」


 クリスが槍を持ち前にでる。その目には強い覚悟があった。


 俺は、


「ミラーさん、冒険者ギルドに行ってきてもらってもいいですか?」


「分かりました」


 俺の狙いを理解してくれたミラーさんが冒険者ギルドに走っていく。町の人達も俺達に一連のやり取りを見てくれていたし、何かあっても問題ないだろう。それに、今のクリスは一週間前とは比べ物にならないくらい強くなった。彼では勝てない。


「ゲルド、もう私に関わらないで!」


 クリスがゲルドと呼んだのは、パーティーのリーダー格の男で、今剣を構えてクリスと向かい合っている。


「おいおい何を言っているんだよ! お前は俺達に逆らえないだろう。それはお前が一番分かっているよな」


「確かに昔の私は弱かった。でも、あの日、ゲルド達に見捨てられて変わりました。正確に言えば、マイルさんと出会い変わったんです」


 確かにクリスは俺達と出会ったことで変わった。それは自分自身で変わりたいと思ったからこそであるが。クリスをそんな気持ちにさせたのがゲルド達、元パーティーメンバーの影響が大きいんだろう。


「変わっただと、あほな事言うなよ。一週間前と変わらないその槍、まともに扱えないのにまだ持っていたのかよ」


「はい、これは私が冒険者になるとき、両親から貰った大切な槍です。そんな大切なものを手放せるわけありません!」


 なるほどな。一週間前、クリスの戦闘をスタイルをどうするか話した時、槍にこだわっていたのはそういう理由があったからなんだな。


「そんなことを言っているからお前は弱いんだよ。いつも依頼では足で纏い。それで何回依頼に失敗したと思ってるんだ?」


「それは、ゲルドの選んだ依頼も悪かったでしょ! かなりギリギリの依頼を受けて失敗してたじゃない!」


「自分が弱いことのいいわけかよ。だが、それでもお前は俺達の大切な仲間なんだ。一週間前の事は謝ってやる。だから戻って来い。そして、荷物持ちとしてしっかり働けよ」


 ニヤリとした顔をするゲイル。その後ろに居る元パーティーメンバーの二人も、


「そうね。ゲルドの言う通りよ」


「俺達と、そこの男どっちを信じるんだよ!」


 ゲイルの言葉に乗っかるように言ってくる二人。


「そんなの決まっています。マイルさん達を信じます。見ず知らずの私の事を助けてくれて仲間にしてくれた。そして、優しく大切にしてくださいました。それに比べてあなた達は、仲間だと言うのに私の事を物同然の扱いしかしなかった。それも自分が弱いからしょうがないと思っていましたが、マイルさん達は全然違かった」


 照れる。俺はただ、一緒に戦う仲間として当然の事をしただけ。それ以上でも以下でもない。自分がケイル達にされたことと同じことをしない。仲間には楽しく冒険者をして欲しいと言う気持ちでやって来ただけだが、それがクリスにとって嬉しかったんだろう。


「そんなことか。それくらいの事俺達にも出来るよ。お前が望むのならそうしてやる。だが、まずは俺達に逆らったことへの罰を与えないとな」


 ゲルドがクリスに向かってくる。


「これで正当防衛成立ですよねマイルさん」


「ああ」


 クリスが槍を構えてゲルドの攻撃を防ぐのだった。

 最後までお読みいただきありがとうございます。


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