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冒険者パーティーを追放~「戻って来いと言っても知らないからな」と言ってパーティーを抜けた俺は、魔眼の力を使い最強冒険者を目指します~  作者: 夢見叶
第三章 ダンジョン調査依頼と新たな仲間

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五十四、宝箱

 ダンジョン内でのボス戦は、他のモンスターとの戦闘とは少し違う。普通のモンスターは倒しても消えたりせず、自分で必要な証拠部位と剥ぎ取ったりをして後処理をする必要があるが、ダンジョンボスは違う。何もしなくても、部屋へと吸収されて、消えていく。その原理は不明となっている。


 そして、ボスモンスターが消える事で、宝箱が現れる仕組みになっている。それに例外はなく、俺達の目の前も宝箱が出現した。俺とアリスのダンジョンに来た目的に一つでもある宝箱。今回探索中には、見つける事が出来ずにいたが、やっとこさ開ける事が出来る。


 ただ、俺とミラーさんは以前にも同じことを経験しているために、驚きもしない。だが、アリスとクリスはダンジョンを攻略するが初めてなこともあり、目の前で起きた出来事に凄く驚いていた。


「マイルさん! 宝箱が現れました」


「どうして、急に現れたのですか?」


 アリスとクリスが少し興奮気味に言ってくる。俺も初めてのこの現象を見たときはアリス達同様に驚き興奮したものだ。


 昔の事を思い出す。


「それはですね。ここで手に入る宝箱はダンジョンが私達にくれるご褒美なのです」


「ご褒美ですか?」


「そうです。ボスを倒したことに対してのご褒美なのですよ」


 俺が思い出に浸っている間にミラーさんが二人に説明していた。少しメルヘンな感じの話になっているが、間違ってはいないため特に口出ししない。


 ミラーさんの話を興味深そうに聞いているアリスとクリス。


「そうだったのですね。確かにボスを倒して何もないとしらけちゃいますもんね」


「私も、ご褒美があるとないとでは全然違います」


 アリスとクリスがそれぞれ納得したように言っている。


「でも、どうしてゴブリンキングは消えてしまったのですか? 普通モンスターは消えたりせず、素材の剥ぎ取りなどを行わないといけないのではないですか?」


 何も知らない者からしたら最もな質問。


「それはね。ボスは死なないからだよ」


 ストレートな答え。


「死なないですか? ですが先ほど、マイルさんがボスに止めを刺しました。それで死にましたよ」


「そうだね。確かに死んだ。でもね、ボスモンスターは部屋に吸収されるて復活しちゃうんだよね」


「え!」


 質問したアリスだけでなく、クリスも驚いている。まあ、倒したモンスターが復活するなんて聞いたら驚くよな。


「ではどうすればいいのですか?」


「どうにもならないんだよ。正直どうしてボスモンスターが吸収されるのかは、全く分かっていないからね。ただ私達が、この部屋を出ると、またモンスターが復活して、次の挑戦者を待ち受けるだけなんだよ」


 ミラーさんの話は学者達が考えている説の一つに過ぎない。倒されたモンスターがどうなるのかは様々な説がある、宝箱に変わっていると言う者や、ダンジョン内にいる他のモンスターを生み出したり、ダンジョンの維持に使われていると言う者もいる。


 ダンジョンが誕生してからかなりの月日が経つが、その殆どが解明されていないのである。だからこそ、常時依頼としてダンジョン調査があるのである。


「不思議です」


「まあそんなことよりもだ。宝箱を開けないか?」


 俺は宝箱の方を指さしながら言う。


「そうですね。やっと宝箱を見つけれたわけですしね」


 アリスが宝箱にダッシュで向かって行く。


「アリスさん待ってください!」


 それに続くクリス。そんな二人を追いかける俺とミラーさん。


「開けていいですか!? いいですよね」


 既にアリスが宝箱に手を掛けている。


「いいぞ!」


 俺が言った瞬間、アリスが蓋を開けた。


「お~~~~~~~~~~~~~!」


 中身を見たアリスが大声を出して驚いている。それに続きクリスもアリス同様に大声を出して驚く。


 そこへ到着した俺とミラーさん。


「何が入っていたんだ?」


 俺の質問に対してアリスが、


「これが入っていました!」


 見せてきたのは黒いローブであった。俺はそのローブを鑑定で見て見る。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


 古のローブ Aランク


 スキル:認識疎外 


 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★



 Aランクの装備であった。しかもスキルまで付いている。


「マイルさんどうですか?」


「かなりレアだな。このダンジョンで手に入る最高の宝だろう」


「ヤッター!」


 アリスが飛び跳ねて喜ぶ。一緒に冒険者パーティーを組むと言った時同様か、それ以上に喜んでいる。まさかここまで喜ぶとは思わなかった。


「そんなに嬉しかったのか?」


「はい」


 返事と同時にアリスがローブを俺に渡してくる。


「マイルさん、Sランク昇格おめでとうございます」


「え!? 俺にか」


「はい。本当はダンジョン内で宝箱を見つけたときに、マイルさんに似合う物が出てきたらそれをプレゼントしようと三人で話していました」


 クリスとミラーさんがアリスの言葉に頷いている。


「それに、マイルさんは私を助けてくれて、パーティーにも誘ってくださいました。仲間に裏切られた私を、凄く嬉しかったです」


 クリスがそんなことを言ってくる。別に気にしなくていいのに。


「皆ありがとう」


 俺はアリスからローブを受け取り纏ってみる。


「どうだ似合うか?」


「はい、似合っています。とてもかっこいいです」


「凄くお似合いですよ」


「かっこいいです」


 俺は少し照れながら、


「これから大切に使わせてもらうよ」


 俺は三人に言った後、ダンジョンから出るのであった。

 最後までお読みいただきありがとうございます。


「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


「今後どうなるのっ……!」


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