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冒険者パーティーを追放~「戻って来いと言っても知らないからな」と言ってパーティーを抜けた俺は、魔眼の力を使い最強冒険者を目指します~  作者: 夢見叶
第三章 ダンジョン調査依頼と新たな仲間

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四十四、少女救出 3

 俺がクリスの元へと近づくと、少し困った顔のアリスが少女を抱きかかえていた。


「マイルさん大変です! この子が急に意識を失ってしまったんです。どうしたらいいでしょうか?」


 慌てているアリス。まあ、目の前で急に人が意識を失って倒れてしまったらそれはびっくりするよな。


「大丈夫だと思うぞ。たぶんモンスターから襲われるかもしれないと言う不安感や緊張感から解放されて疲れてしまったんだろう。それで、意識を失ってしまったんだと思うぞ」


「そうだったんですね」


 アリスは胸をなでおろす。とりあえずアリスも落ち着いたが、今のクリスを連れて先へ進むこともできない。それに気になることもあるし、


「少し早いが町へと戻ろうか」


 俺はアリスに町へと戻ることを提案した。


「そうですね。この子の事も心配ですし」


 アリスは二つ返事で答えてくれた。


 俺達はダンジョンを出て町へと戻ること。町へと戻る帰路の間俺が少女を背負って冒険者ギルドまで送り届けた。ただアリス、クリスは俺と同じ年で年上だぞと突っ込みを入れておく。


 日もまだ少し高いところにあるため、冒険者ギルドにも人はまだ少ない。俺は中に入ると一直線にミラーさんの所へと向かった。


「マイルさん、今日は早いご帰還ですね」


 俺の姿を見るやミラーさんがそんなことを言ってくる。


「今はそんなことよりも、ミラーさん休憩室を貸してくださいませんか?」


「休憩室ですか!? ですがどうして……」


 そこまで言ったところでミラーさんは、俺が背負っているクリスの事にに気づいた。


「分かりました。すぐに準備しますの少しお待ちください」


 ミラーさんが急ぎ準備をしに向かってくれた。


 それから十分、


「マイルさん、アリスさん二階へどうぞ」


 ミラーさんが案内してくれる。俺とアリスはその指示に従い二階へと上がり休憩室の中へ。


「ここに寝かせて」


 俺は指示に従いクリスをベットに寝かせる。さっきまで少し苦しそうな顔をしていたが、ベットに横になると同時に少し安らかな顔になる。


「この子が起きるまで、自由にいてくれていいからね。それと、朝の事はまた後で詳しく聞かせてね」


 そう言ってミラーさんは休憩室を出て受付へと戻っていく。クリスの事で頭がいっぱいで朝のミラーさんとの約束なんて完全に忘れていた。


 ベットで寝るクリスを見ながら、


「マイルさん、どうしてこの子はあんな所に一人でいたのでしょうか?」


 もっともな質問だな。だが、元々は一人ではなかったんだろう。


「たぶんパーティーでダンジョン調査依頼を受けたんじゃないかな。ただ、ダークウルフ五体に襲われて、この少女一人を残して逃げ出したんだと思うぞ」


 俺達がクリスの声を聞いたとき、入口へと逃げる冒険者三人とすれ違った。彼らが、クリスの冒険者仲間で、モンスターから逃げるために置いて逃げたんだと俺は思っていた。


「そんな、ありえないです。だって冒険者の仲間なのですよ。おいて逃げるなんて、しかもあんなモンスター達の前に」


「そう言う奴らもいるさ。自分の命惜しさにな。ケイルみたいな奴らもいるし」


 俺が少し俯きながら言うと、


「そうですね。人の心の中は分からない物ですもんね」


 アリスが俺の事を思いながらそんなことを言ってくれる。そんなアリスの目には涙が浮かんでいる。


「アリスは本当に心優しいな」


 俺はアリスの目から涙を拭きとってやりながら言葉をかける。


「それは、マイルさんが優しいからですよ」


 ニコリと笑いながら言ってくれた。


 それから暫くの間、俺達はクリスの事を見守り続けた。


 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


 休憩室にクリスを寝かせてから二時間程が経った。


「う、う~ん」


 クリスが目を覚ました。


「ここはどこですか? 私は確かダンジョンの中にいたはず」


 辺りを見渡しながらそんなことを言う。まだ意識がはっきりとしていない様子。


「ここはルーラの町の冒険者ギルドの中にある休憩室のベットの上だぞ」


「冒険者ギルドの休憩室ですか? っあ!」


 そこで意識がはっきりとしたのか、俺の顔を見てハッとなった。


「あなたは、私がモンスターに襲われたときに助けてくれた」


「俺はマイル=マイヤー、十五歳。君と同じ冒険者をしている。それと隣にいるのは、俺のパーティーメンバーの」


「アリス=マーベリック、十三歳、Cランク冒険者です。」


 俺とアリスが自己紹介する。クリスは俺の事を知らないようだったため、あえて俺は自分の冒険者ランクを隠しておいた。Sランクなんて聞いたらクリスがびっくりしてまた意識を失ってしまうかもしれない。そんなことになっては大変だと思いあえて黙っている。


 そして、


「すみません。本当は私から名乗らないといけない所を、私はクリス=サーベル十五歳。Dランクの冒険者です。ルーラの町で生まれて、友達と一緒に冒険者をやっていました」


 過去形か、まああんな事があったらそういうよな。


「どうしてクリスさんはあんな所に一人でいたのですか?」


 大体の予想はついているが、クリスの口から事実を聞いておきたかったために聞いてみる。

 最後までお読みいただきありがとうございます。


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