表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冒険者パーティーを追放~「戻って来いと言っても知らないからな」と言ってパーティーを抜けた俺は、魔眼の力を使い最強冒険者を目指します~  作者: 夢見叶
第二章 事件と決着

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/68

三十六、ケイルの終焉

 俺がケイル、アリスがキリエとライラの相手をする。


「なあケイル、もうやめにしないか」


 俺は、剣を下げてケイルに話しかける。正直、話して何がかが変わるわけではないが、今ならまだ罪も軽くて済むのではないかと思ったからだ。気休めかもしれないけど。


「クズが俺に話しかけるな。お前さえいなければ、俺達がこんな目に遭うこともなかったんだ!」


「それはケイル、お前達自身の責任だろう。ろくに努力もしないやつが、Aランクで居続けられるはずないだろうが!」


「努力だ? そんなの才能のない、無能がやることだろう。俺達は違う。天才だ! その天才の俺が汗臭い努力をするなんてありえないだろうが!」


 努力、これを怠る冒険者はいない。それは凄いスキルを持っていようと、戦いの天才であろうとだ。実際にギルドマスター現役時代、毎日剣を千回振っていたと聞く。それ以外にも様々な話を聞いてきた。皆が共通して言っていた言葉が、『一日でも鍛錬を怠ったら感覚を取り戻すのに三日はかかる。だから毎日努力しているんだ』である。その言葉通り、毎日努力してきた人達はしっかり結果を残せている。


 ケイルだって、しっかり自分の実力と向き合って努力をすれば自然と結果が付いてくるようになると思うんだが、もう何を言っても遅いのだろう。


「分かったよ。これ以上は何も言わない。ただ、お前達がこれで終わる奴だとは少し残念だよ」


 その言葉を言って、俺は縮地のスキルを使いケイルとの間合いを縮める。お互いに剣が届く距離に、


「そう言えば、お前と剣で戦うのは初めてだったな」


 剣を下から上へと振り上げる。その攻撃をギリギリの所で躱すケイルである。だが、ケイルは俺の攻撃が見えていたわけでなく、ただ、体を後ろに下げたとき偶然に避けれただけ。その証拠に、ケイルの額には物凄い汗が出ていた。


「避けたか」


「当たり前だ! お前の攻撃を避けれないわけないだろう」


「そうか、よかったよ。これで少しは本気を出すことが出来るからな」


「なに!」


 物凄い慌てよう。ケイルの考えていることが手に取るように分かるようだ。


 俺は、鑑定の魔眼の能力を使う必要もないかと思う。


「ケイル、お前からかかってこいよ。強いんだろう~? 俺よりも!」


「当たり前だ! 俺は最速でAランクに上り詰めた赤い流星のリーダーで前衛のアタッカーなんだからな!」


 俺に真正面から向かってくるケイル。ただ、そのスピードの遅さに俺は思わず欠伸をしてしまった。


「ケイル、まだか?」


 俺は思わずにそんなことを聞いてしまった。


「何を言ってるんだ!」


 俺の言葉を理解できないケイル。そして、向かってき始めてから五秒が経ち、やっと目の前までやって来て剣を振り下ろしてくる。その剣を右手で受け止めて見せる。


「はぁ!」


「この程度かよ」


 正直遅すぎて、受け止めるのが楽すぎた。そこからケイルは必死に剣を引っ張り俺から剣を取り戻そうとしている。それならと思い、


「返してやるよ」


 ケイルの剣から手を放す。すると、思いっきり剣を引っ張っていたケイルは思いっきり尻もちをつく。


「大丈夫か」


 俺は少し笑いながらケイルを見る。俺の顔を見るケイルはバカにされたと思ったのか、先程よりも顔が怒りで歪んでいる。


「もう許さねー、お前をここで殺す。無能が天才をバカにしたことを後悔させてやる」


「そうか、ならやってみろよ」


 俺の言葉を聞くと同時に向かってくるケイル。先ほど同じで正面から、脳がない。


「はぁ~」


 俺はため息をつきながら剣を構える。正直もうこれで終わらそうかと思ったとき、


「ライトニング!」


 雷魔法を放ってきた。一直線に飛んでくる雷撃。俺はこれを見てケイルが火と雷の魔法のスキルを持っていることを思い出した。だが、それほど熟練度も高くなく、メインで使えるほどの威力はない。二週間足らずで熟練度が上がっているとは思えないため、このまま魔法を受けても問題ないだろう。それに、ケイルの狙いはたぶんは他にあるだろうしな。


 俺は冷静にケイルの放ってきた魔法を分析しながら、ケイルの狙いを考える。三年間見てきたケイルの戦い方、その中でよく魔法を使った目くらましをしている場面があったことを思い出す。今回もそれが目的だと感じた。それに、雷魔法を使っている所を見るに、当たった時に偶然起こる麻痺をも狙っているのではないだろうか? と思う。


 俺が魔法に集中している隙に、ケイルが正面から姿を消している。やはり狙いは、魔法を目くらましにした死角からの攻撃。ケイルはこれで俺が焦るのではないかと考えているのだろうが、そんなことはない。正直、魔力などが駄々洩れで一瞬で居場所が分かってしまった。


 背後、既に剣で俺を突き刺そうと向かって来ている。到着まで五秒と言ったところか。


 俺は、心の中で五秒を数えながら、残り二秒となったところで振り向き剣を受け止める。


「お前が俺に勝つことは出来ない。だから諦めてくれ」


 俺はケイルの腹に一撃を加えて意識を奪う。その後武器を回収して、異空間倉庫にしまっていたロープでケイルを縛り逃げられないようにしておいた。

 

 最後までお読みいただきありがとうございます。


「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


「今後どうなるのっ……!」


と思ったら


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。


面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!


ブックマークすると更新通知が受け取れるようになります!


ブクマ、評価は作者の励みになります!


何卒よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ