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冒険者パーティーを追放~「戻って来いと言っても知らないからな」と言ってパーティーを抜けた俺は、魔眼の力を使い最強冒険者を目指します~  作者: 夢見叶
第二章 事件と決着

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二十六、共闘

 疲れからだろうか、俺はモンスターが一体背後に回っていることに気づくのに少し遅れた。正面からもモンスターが来ている。両方の対処は正直ムリだ。


「どちらかの攻撃を受けないといけないな」


 俺は覚悟を決める。身体強化のスキルを使っている上に、モンスター全てには低下の魔眼を使い攻撃力を落としている。何とか耐えられるだろうと高を括り、正面のモンスターへ集中するのだが、


「マイルさんは一人じゃありませんよ」


 背後にいたモンスターが倒された。俺は振り向かず、


「アリス!なんでここに来たんだ!」


「それは、私がマイルさんのパートナーだからですよ。その私がマイルさんの隣に居なくてどうするんですか!」


 その言葉に俺は、心強さを感じた。つい一か月前までは初心者冒険者でゴブリンすら倒したことがなかったアリスが今では俺の傍に立ち、一緒に戦ってくれている。


「そうだったな、だが決して無茶はするなよ」


「それは私のセリフですよ。マイルさんの背中は私が守って見せます。だからマイルさんは気にせずに全力で戦ってください」


「分かった」


 アリスの言葉に元気づけられていた俺の下へ、


「モンスターを倒せるのは君だけじゃないぞ!」


 右から迫って来ていたモンスターを一撃で倒しながら声を掛けてくるギルドマスター。


「そうだな。俺達だっているんだぜ」


 ルドラさんが左から来るモンスターを倒しながら現れた。それに、先程まで後方にいたAランクやBランクの冒険者達がモンスターと戦っている。


「皆、君の戦いを見て奮い立っているんだ」


「俺をですか!?」


「そうだ。たった一人で千のモンスターへと挑んでいく君を見て、自分達はこんな所で何をしているんだと。自分よりも若い少年一人に任せてていいのかとな」


 ギルドマスターの言葉を聞き、俺は周囲を見渡して見る。すると、皆の目がキラキラと輝いていて、気合が入っているのがよくわかる。ただし、一組のパーティーを除いてはだが。


「流石、この町の冒険者ですね」


「そうだな。こんなに頼もしい冒険者がいてくれて俺も嬉しく思うよ。だからこそ、この町を守ろう」


「はい」


 俺は正面のモンスターへと集中する。先ほどまでは左右から来るモンスターに、背後と周囲全体を警戒しないといけなかったが、今は正面のモンスターに集中できる。全身全霊を持ってこいつらを倒すと心に誓った俺は、


「アリス、背後任せたぞ」


「はい! 任せてください」


 その言葉を聞き、右目の鑑定の魔眼を発動する。これまで使ってこなかった能力、相手の動きを鑑定して次の動きを予想するという能力を使い、最小限の動きでモンスターの攻撃を躱しながら剣で斬りつけて倒す。この能力は一体のモンスターにしか使えず、複数のモンスターの相手をするときに使うことが出来ないため、先程まで使えなかった。


「ウインドカッター!」


 背後でアリスが風魔法を発動してモンスターを倒している。周囲を探る鑑定を使い、辺りのモンスターの位置などの情報を得ているため、アリスの戦闘の状況や他の冒険者の状況も把握できている。


「アリス、右からモンスターが来ているぞ!」


「は、はい!」


 アリスの死角を突き迫って来ているモンスターがいる事に気づき、声を掛けた。


「ファイアーボール!」


 アリスはそのモンスターを魔法で倒す。


「マイルさん、私の事は気にしなくていいので目の前の敵に集中してください!」


 助けたはずなのになぜか怒られてしまった。


「でも、ありがとうございます」


 小声で言ったアリスの声は、身体強化のスキルを使っていた俺の耳にははっきりと聞こえてきた。


 俺は、周囲を探る鑑定を使いつつ、モンスターと一対一となる状況を確実に作っていき、相手の動きを鑑定して次の動きを予想する能力を使い確実に倒して行く。一人で戦っていたときよりもあまり神経を使わずに戦えているため、体力消費がかなり抑えられている。


「マイル! そっちにAランクが行ったぞ!」


 ギルドマスターが取り逃したモンスターが一匹俺の元へと向かってくる。相手はオーガキング、Aランクのモンスターである。オーガの中からごく一部しか生まれないとされているオーガキングは、出会うこと自体がかなり稀で、ギルドの討伐依頼で出されることも殆どない。こいつの特徴としては異常なまで怪力、一度捕まれば最後と言われている。それと、オーガキングだけが持つ大太刀。怪力を利用してその大太刀を使うためかなりやばい。そのためオーガキングを相手に気を付けるのは手での攻撃と、物凄いスピードで振り下ろされてくる大太刀である。


「了解です」


 教えてくれたギルドマスターに返事を返しておく。まあ、教えてもらわなくても気づいてはいたのだが。周囲の敵の能力を下げる鑑定を常時使っているのだから。


「流石にオーガキングの相手は初めてだぜ」


 初めて戦う相手に、俺は体力も魔力も限界だったが心は少しワクワクとさせていた。ただ一つ残念なのは今回は低下の魔眼でモンスターの全能力を落としているため、本来の力のこいつと戦えないことだろうな。

 最後までお読みいただきありがとうございます。


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