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りなの彼氏  作者: 凪子
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「小さい声で話してたから、よく聞き取れなかったけど、何か一方的にりなが男の人に怒ってる感じだったよ」


「感じだったって、声かけたんでしょ」


「廊下でたまたま会った時にね。でも、すぐ逃げるようにブース戻ってった。で、ブースの中で喋ってた会話をその後聞いたの」


「何でがりがりだったの」


「さあ……何か聞けるような雰囲気でもなかったし」


そう、と私は呟いた。


「そのネカフェの場所教えて」


「いいけど」


名前を教えてもらい、スマホで検索して地図を出す。


新宿の駅前にある、最近できたインターネットカフェだった。


トレイを持って立ち上がると、後ろから元樹君が追いかけてきた。


「ねえ、何でいきなりりなのこと捜してんの」


私が黙っていると、


「やばいことになってるんじゃないよね」


「やばいことって何」


「だから、その……」


と元樹君は口ごもる。


「よく分かんないけど、組関係の人とかさ」


「何それ。そういうんじゃないから」


知ってる。あやすように言った私の言葉なんて、元樹君は聞いちゃいないんだってこと。


何のなぐさめにもならないような言葉さえ、縋ろうとする人には嘘みたいに綺麗に光るから、だからいつまでたっても、狭苦しいフラスコの中から出られないんだってこと。










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