第4話
きゃあきゃあと子供の声が響き、わいわいにぎわう市場を通り抜け、私はある場所へ向かう。
ある場所、と聞き、皆さんは何を思い浮かべますか? ほんの少し考えましょう。
ある場所というのは、実は警察。まぁ、交番ともいうけどね……え? 意味が違う? まぁ、この世界では同じ、といってもいいんです。ただ、規模の問題。
私は、ゆっくりとドアを開ける。なんと懐かしいいんだろう。いつもなら、お父さんと来ていたが、最近は来ていない。
うん、いたよ、いた。受付係。
ちなみに、警察の仕事は依頼の受付と犯人について詳しく調べること。あとは、私達殺し屋に任せるのだ。
「あー、そこの人、ここらに指名手配犯っている?」
「ああ、これはこれは……いいえ、いませんね。ただ、住民から依頼が……」
指名手配犯がいないことにがっかりしたが、住民からの依頼を一応聞くことにした。
大きく頷き、返事を返す。
「これです。死刑執行人様には物足りないでしょうか?」
受付係は、白い紙を私に渡した。
「ほぉ、何々?『白猫が荒らします。魚屋の魚を盗み、八百屋の野菜の皮を剥いたり……とにかく、退治を要請です! 差出人:シバ・テリンシャス』ほぉ……ん、結構良くない? 受けるよ」
「あ、はい。では、頑張ってください。とりあえず、シバ様にお話しを伺っては? ……私達で調べたいんですが……今、別の事件で忙しいんですよ」
警察さん、あの、そういうのを無責任と思うのは私だけ?
まぁ、とりあえず警察を出て、シバとやらの家に向かう。……あ、家はどこだっけ?
その後、地図を買いシバの家を調べると、その場所へ向かう。
リッパなお屋敷、という訳じゃなく、藁で出来た小屋でもなく、ごくごく普通の大きさの家。
チャイムを鳴らして出てきたのは、年の近い男の子だった。
「ひょえ……うは、死刑執行人! 嫌、殺さないでぇ」
「はは、殺して欲しかったらいくらでも殺すよ?」
「勘弁だよ〜……で、なにをしに?」
ハァ、とため息をついた後、一気に話した。
「アンタでしょ? シバ・テリンシャスって。依頼受けたのさ、ホラ、白猫退治の」
「……のぅわ! 忘れてた……うん、そうだよ。オレがシバ・テリシャス。攻撃方法は魔法さぁ」
「はいはい、自己紹介どうも……詳細教えて」
「華麗にスルーですか? んと、まぁ、ほとんど依頼内容に書いたね。確か、いつも夜3時ごろ魚屋に出没する」
「情報ありがとう」
今は午後5時。まだ早い。
「お、おぅ。退治しろよ!」
正直、いろいろとあって疲れた。
ということで、宿を取った。
……誰もいない、1人だけの空間! いつも五月蝿い父がいない!
1人で快感を味わう。
赤い目は、いつもより赤く光る。
「退治って、殺していいんだよね? フフフ……我の血が唸る……もう誰にも止められない。白猫……お主は、我の手で殺す。それまで人生を堪能しておけよ! 死刑執行まで後……9時間といったところかな……」
狂う、狂う――
ハァ、第4話書くのに約50分……っと