第18話
今回も短い。800字程度です。
日の光が飛び込んできた。
気がついたら朝になっていた。どうやら、結構な時間寝ていたらしい。
起きない体を無理やり起こすと、皆の姿が見えなかった。どこにいったのか……。
ドアがガチャリと開いて、誰かが入ってきた。
比較的ラフな格好をしていたのは……。
昨日踊っていたクレアだった。
私は驚いた。何故ここにいるのか、と。まさか、ここを突き止めて来たのか? 昨日のことで話しがあるとか? いろいろな考えがグルグルと回った。悪い考えばっかりだ。
「あのっ、昨日はお世話になりました。ありがとうございました。少々グロかったですが……。あ、そうでした。父から、食堂に来るようにとの伝言です。食事の時間です。シバさん達も、食べておられますよ」
以外だった。……父?
『ああ、そうだ。隣の部屋には絶対に行くなよ。あそこは“俺の娘”のプライベートルームだから、入るなよ! あ、できれば祭りでも行ってくれねぇか? おもれぇもんが見れるぞ! そんじゃぁな、ガハハッ!』
…………。
俺の娘=クレア
……ありえん。あの親父さんからどうやったらこんな綺麗な女性が――。
「あ、ああ。分かった。今行く」
「失礼します。お待ちしています」
そう行ってクレアは出て行ってしまった。もう少し話したかったのにな……。
しばらくして、私も行くことにした。昨日の夜は、何も食べていない。
ギュルルル、とお腹が鳴った。
† † † † †
食堂に行くと、シバがパンを食べているのが一番先に目に入った。シバは私に気づくと、パンを頬張ったまま、母音でおはよう、と言った。続けて、食堂に集っていた人がおはようと言ってきた。私は、作り笑いをしておはようと返した。
おじさんに指定された席につき、とりあえず先にパンを食べようとした。
……しかし、無かった。
隣の席にいたシバを見た。ブンブン首を振っている。
目の前の席のシエロを見た。何のことか分からなさそうだったが、私が空の皿を指差すと、分かったように頷いて、それから首を振った。白猫や、双子の片割れにも尋ねたが、誰も首を振っていた。
頬張っていたパン、そしてすべてを最初から分かって首を振ったような仕草――――。
「やっぱ、お前かー!」
「わっ、すまないー!」
グシャリ、と頬を殴ったとは思えない音がした。
久々の更新。
あっ、そうでした! 新年あけましておめでとうございます!(遅