2章 第11話
かなり更新が遅れています...
3/20〜は更新が早いと思いますが...
いっそのこと、土曜更新にしちゃおうかな...
「い、嫌……こ、こないでっ!」
「アタイを見たからには、帰すわけにはいかないね」
湿地近くにいるのは、2人の人であった。
1人は普通の人であったが、もう1人は赤いローブに赤い先の尖がった帽子を身に着けていた。
普通の人は、沼にはまって動けないらしく、その顔は恐怖心に満ちていた。
「このことは誰にも言わないから……だから!」
「どちらにしろ、嫌だね。さて、どうしてあげようか……?」
「湿地の魔女……! 本当に、本当の本当に言わないから! お願い!」
赤いローブをまとった女――湿地の魔女――は、顔色1つ変えず、右足を顔の上に乗せ、グリグリと動かした。普通の人は、沼に顔が沈んでいく。
「生きたいかい?」
湿地の魔女は、足を止め、普通の人に言った。
「当たり前よ。生きたい」
「そう、なら……」
湿地の魔女は、普通の人の横腹に馬乗りになった。
そして、手のひらを普通の人の頬に当て――
「禁じられた魔法。求めるは記憶と肉体変え。ヴェヴェルシー!」
「うあああっ!」
普通の人の体は光り輝き、少しして光らなくなった。
そして、そこにいたのは――
紛れもない犬と狂って笑い続ける湿地の魔女だったのです。
† † † † †
「さて、これから、アレインを出てダファ町でも行こう」
只今、昼。今は、雑貨屋で食料を買っている。
シエル達は、私が頼んだ物をすぐに集めてきた。しかし、シバと来たら、役立たずだ。頼んだ物を持ってこないから。それだけ。
今日は、客がいつもより多い。だから、今は双子と私とカノンで並んでいる。
「ダファ町……確か、ここから電車が通っていますよねん!」
「電車、電車〜」
「あのさ、まだ電車に乗るなんて言っていない……まぁ、いいか。ハァ」
思わず、大きなため息が出た。
そんなことを言っている間に、どんどん前の人との差が開いていた。
それにしても、こいつらは、いつになく仲がいい。
「お、電車か〜」
シバ、遅いです。というか、いつの間に話聞いていたんだ……
「あ、シバさん。遅いですよ。もうすぐ、会計ですわ」
「ま、早く並べ」
シバは言われたとおり、私達の横に並んだ。
会計を済ませ、私達は私の提案で警察にでも行くことにした。
――お金がないんだよね――
警察は、警察官以外1人も居なかった。中に入ると誰もいないので、本当に入っていいのか不安になる。
私以外は、初めての警察のはずだ。一般人は、基本的に入れないからだ。
「おおっ、任務受けに来たんですよね? ……ああっ、良かった! 最近、人が来なくて〜っ!」
警官は、入ってくるなり出てきて、私の手を強く握った。
「あ……はい」
思うがままに握らせた。まぁ、強制的に離すのも、信頼を無くしそうだし……
「で、任務はあるの?」
「ええ、ありますよ。ただ……後で後悔しても知らないですけど……」
その言葉を聞いて、嫌な任務だと思い、帰ろうとしたときに、警官がどうにかしてこの任務を受けてもらおうと、こう言った。
「……高額任務……です」
とても聞き取りにくい声であったが、私にはちゃんと聞こえていた。
Uターンして、目を輝かせて尋ねる。
「どんな任務ですかっ?」
「私達は、『ゴスロリ事件』と言っています。週に1度のゴスロリ大会が、ハウィン公爵の家で開かれるんですよ。それで、優勝者が殺される事件がおきているんです……私達が調べたところ、犯人はハウィン公爵、血を吸っているようなのですよ。それで、貴方達にはゴスロリ大会に進入して、殺して欲しいのです」
吸血鬼か……私は、何故そんな事をするのか、疑問に思った。
「動機と優勝金額、任務報酬は?」
「動機は不明。多分、血が吸いたいだけでしょうが……金額は、10万で、報酬が5万ですね」
「高いですねん……」
「受ける価値ありですよっ!」
私は「ゴスロリ大会に進入」に気にかかったが、優勝、そして任務成功さえすれば計15万だ。これは受けるしかないであろう。
「そうだな。それ、受ける」
「では、夜の8時ごろに、ハウィン公爵の家に行ってくださいな。ゴスロリ衣装のほうは、こちらで用意してあります。しばらくお待ちください。さて、どこにしまったかな……」
そういうなり、警官は奥のほうに行ってしまった。
――ちょっと待って、着るの? 進入でも、参加するの? え、こっそり忍んで殺すと思ったのに……!
「あ、私、やっぱこの任務パス。アンタ達だけでしなさ……」
「いまさら取り消しは無効ねん〜」
人生、終わった気がします……
「てか、私がでなくても……シエル、お前出ろ」
絶対に出たくない私は、適当に女の人物を挙げてみた。
言っておこう。シエルは「僕」という一人称だが、女なのだ。いわゆる、僕少女って奴。
「僕? 嫌だよ! 僕はゴスロリ似合わないからねん〜」
「じゃ、私は正体がすぐにばれてゴスロリ大会中止の可能性もあるんだぞ?」
この手を使えば、きっとシエルが受けてくれるはず……!
「エヘヘ、ショナたんを優勝させる方法を考えたのねん。だから、ショナたんが出るのねん〜」
「それに、僕達が出ても優勝はしないという結果。だから、ショナたんが出るの〜」
そういって、2人はニコニコと笑った。
「まぁ、ショナが出るしかねぇだろ!」
「が、頑張れです……」
シバは背中をボンボンと叩き、カノンは苦笑した。
そんなタイミングで、警官が衣装を抱えて戻ってきた。
そうとう急いだらしく、息は荒い。
警官さんは、深呼吸をした後、服を広げた。靴は、下に置かれた。
「ハァ、探し疲れましたよ……あ、これがゴスロリですね〜。……ちなみに、ハウィン公爵はゴスロリを着ている女の子見て嬉しいらしいです……」
「ショナ、ご愁傷様……お前はその体と服を大観衆のに見せるんだよ……」
シバは、軽く目をつぶり両手を合わせた。
服は、黒と白のみでまとめられていた。胸の辺りに、黒いリボンが付いており、スカートの部分は、黒と白が交互に付けられている。
「拒否したいよ……」
「ま、まぁ、お金のためだと思って……」
「慰めてるの? ……もうやだ……ハァ、お父さんからDV受けてたほうがマシ……」
「……なんか、教育上悪い言葉だな……ショナ、頑張れ!」
慰めているのか、よく分からない……
「あ、これ、後で返却してくださいね」
「……」
もう、何かを言う気力はなかった。
なかなか次の章になりませんorz
また、この仮小説タイトルは、『評価…こない〜っ><』となっています(ぁ