第10話
双子、双子♪
更新遅くなってすみませんorz
ある日、ショナにある人物がこう言いました。
「今、別の事件で忙しいんだ」
そして、その事件とは――
「いやっ、エルさん、こりゃまた……」
「ああ。どうやらこれから2ヶ月間は意識不明だとさ。どうせ、最強殺し屋に恨みでもあったんだろう」
ショナの家の台所で、エル――ショナの父――が何故倒れているか調べていた。
この世界で、指紋を調べるということは滅多にしない。
生きていれば、話を聞きだせるかららしい。また、死んだとしても超能力や聞き込みをすればいいのだ。
「過去見能力者は? 何故こんな大きな事件のところにいない?」
「ああ、今こちらに向かっているらしい」
1人の警察官は、ため息をついた。
「はぁ、これじゃ調べようがないな。誰に聞いても知らないとか、そんなことがあったの? だしな」
「だな。私達は引き上げよう。沢山の事件があるからな」
「ああ。そうだな」
1人の警察官が、引き上げの合図をすると、ぞろぞろと帰っていった。
† † † † †
夜――辺りは当たり前に暗く、街灯が目立つ。
この町では、星が見えない。このアレインの町は、冒険者の町ということだけあって、街灯整備、施設整備orが進んでいるのだ。
私は、出窓近くの椅子に座って、夜空を見ていた。
「ショナ?」
夜になっても、まだボォーッとしていた。どっかの誰かさんのせいで水を多く飲みすぎたに違いない。
「……生きてますかぁ? 生きていたら返事〜」
この声は、ソバ……いや、シバであろう。あれほど説教されて、ピンピンしているのが不思議でならない。
夜空を彩る星が見たかった。だが、いくら待っても星は姿を現さない。
「ああ、生きてる」
というか、座って外見ているんだから、生きているに決まっている。
もしも死んでいたら、床にでも倒れているだろうよ。
「んで、何? 何か用事でもあるの?」
一番の疑問だった事を、シバに質問してみた。
「いやぁ、もう寝ないとなぁ、と思いましてですね」
敬語混じりなのは、私を恐れているから? うん、きっとそうだな。
時計を見ると、針は両方とも12を指していた。
「キリがいいな。寝るとするか。……シバは別室な」
「ええっ?」
「あいにく、男と寝る趣味はないな」
「ま、まぁ、男と寝たい奴はいないよな」
別にそんなことどうでもいいように――むしろ、そのほうがいいと言うかのようにシバは答える。
シバは、大きくあくびをして、部屋から出て行った。
私は、ベットの上に寝転がった。
1分もしない内に寝てしまった。私、こんなに疲れていたのかな……
† † † † †
――次の日の朝は最悪同然だった。カノンがいつの間にか腹の上で寝ていて、それを見かけたシバは隣の隣の家にまで聞こえるくらいで笑って、カノンの毛が抜けていてシーツに毛が付着、宿の方に怒られる。
だから、イライラしている訳で――
「あのさ……ゴメン」
「私、1人で寂しくて……ごめんなさいっ……」
「シバ、理由を述べろ」
「可笑しかった……から」
今は、少し遅めの朝ご飯中だった。私は、謝れ、だなんて言っていないが、シバたちは謝っている。
シバは怖がっているのか、から、のところで声が小さくなった。
「シバ、その前に何故私の部屋に入ってきたのかな?」
私は笑っているのだが、その顔は怒り寸前の顔であろう。
「そっ、それは……」
シバは、うつむいて黙ってしまった。
「それは? ……続き、どうぞ」
「ショナさん、そこまでしなくても……」
カノンが、この後でも予測したのだろう。私をなだめる。
理由聞くまでは無視としておいた。
「いやぁ……あはは、起きるのが遅くてさ……起こそうと思ったら……」
「ま、まぁ、それなら仕方ないか。私が悪いんだね、ゴメン」
深々と頭を下げる。
「キャッ、ホントのホントにいた〜っ!」
「お久しぶりですのん!」
どこからか、声が聞こえてきた。頭を回して探していると、誰かが抱きついてきた。
「シバ……じゃないよね」
「暖かいですの〜!」
「シエロゥ、ショナたんが迷惑しているですの! ……アッ、僕も抱きつく〜! ああ、暖かいねん……」
「でしょっ、シエル。もう、抱きついたからには離しませんの〜……幸せぇ……」
後ろを振り向くと、2人の青い髪の子が抱きついていた……
「ああ、もうっ! こっちは幸せじゃない……! とにかく離れろっ!」
シバは笑い、カノンは笑いをこらえている。しかし、カノンはこらえきれず吹き出してしまった。
「離れませんの〜。ショナたんが死ぬまでこのままですの〜」
「シエル、ショナたんが迷惑してますよぅ」
1人はそう言うなり、私から離れる。もう1人は離さない。
私は椅子からおりて、広い所までいくと、クルクルと回った。少しずつ速度を上げる。
「振〜り〜落〜と〜さ〜れ〜ま〜す〜の〜!」
体はもう地面から水平となっていた。
手が、少しずつ離れていくのが分かった。
「白猫、アイツら誰だ?」
「わ、わたしは知らないわよ」
遂に、手が離れた。それと同時に、私は止まる。目がクラクラして、倒れそうになった。足がふらつく。
「しょ、初級魔法、求めるは押し上げる風! 吹き上げ!」
離れていた1人の子が、両手を真っ直ぐ前に伸ばして、それから上に上げる動作をした。
飛んでいった子は、風により壁にも床にもぶつからず、地面へと降りた。
「酷いですのっ! 危うく怪我するところでしたぁっ!」
プゥッと頬を1人が膨らませた。
「抱き続けたシエルが悪いですの〜!」
「ごめんなさいです……」
「……いいけどさ」
2人はそろって頭を下げた。
「あ、ショナたん、お礼を果たすために来ましたの〜!」
「エヘヘ、僕達が12歳になったら、一緒に連れて行ってくれるんでしょう? 僕らの町を助けてくれたお礼に、僕達が付いていくお礼〜。というか、もう戻る場所がないんですよ〜。ショナたん、勿論連れて行って下さいますよね?」
――そういえば、こいつらが5歳のとき、この町に100人もの人を殺した殺人鬼がいた。それで、その殺人鬼の次のターゲットはこいつら――シエルとシエロ――であった。剣を持って、その殺人鬼は殺そうとした。丁度、私と父はこの町にいた。それを見かけた父は、私を蹴ってその殺人鬼の前まで行かせ、「さぁ、戦え」といった。
私は父の言う通りに刀を2本持ち、戦った。相手は強い。なんの能力も持ってはいないのに。
血が、沢山出た。こんな経験は初めてだった。父のほうを見ると、「新しい経験だな」といい笑った。
意識も無いかもしれないのに、私は2人の為に戦って、とうとう勝った。
後で、2人と話すと、親がいないことで、施設に預けられているということだった。
「あのね、ショナたん、僕達が施設を出られる12歳になったらね、連れて行って欲しいなぁ! 約束だよっ! ゆーびきりげんまん!」
私は、何もいえないまま指きりげんまんしたんだっけ――
「約束、まだ覚えていたんだな」
「当たり前です〜! この町に来たのは、僕達との約束を果たすため……? あれ、お父たんは居ないのですか?」
「たまたま寄っただけだ。お前のせいで約束思い出しちまった……お父さんは……思い出させないでくれ」
私は、思い出したくなくて、うつ伏せた。
「い、いやな思い出があるんですね……ごめんなさいです……」
「僕もです……」
「ありありだ。……で、付いてくるのか?」
「ふぇ?」
2人は不思議そうな顔をした。
「付いてくるかと聞いているんだ。今は、白猫の願いで湿地の魔女倒しに向かう。また、付いてくるなら、馬鹿と猫付だがな」
私は、起き上がった。
「あ、うん! 僕、行くよ! 約束だもん!」
「僕も、シエルと同じく〜」
「んじゃ、決まりだな」
へへ、とうとう双子出せましたよ〜。
今回は長くなりました〜。
約大文字3250文字です〜