第9話
白猫が多く登場なのです!
盗賊らを倒し、シバを放置し、私達はただ森をさまよっていた。
不気味なオーラを漂わせている。途中、死に物狂いで走ってくるシバと合流し、今に至るわけだが――
「ショナ……一体後どれだけでどっかの町に着くんだよ」
「知らん」
シバは、ゾンビの格好で歩いている。手を前に垂らし、前かがみ状態で。
果物もどっかの誰かさんが食べたし……食料はあとわずか。
「シバ、死ぬ気で走れ」
「えぇえ? 無理無理、ぜぇったい無理! 殺す気かよ! ……お前のことだ、どうせ「殺して欲しけりゃ殺す」でしょ?」
「シバ、よく知ってるねぇ」
「ま、まぁな」
喉はカラカラ。よって、水分が欲しいわけで。
「ねぇ、喉カラカラ……水というものない?」
「あるぜ。口あけろ」
言われたとおりに口を開けると、シバが口の前で手のひらを向けて、
「セルフサービスだぜ!」
と言った。そっか。こいつの能力、放水能力だった……
口の中に水が流れ込む。水流が強く、後ろに倒れてしまった。
「シバ……アンタ……ゴボゴボ」
意識、途絶えた――
† † † † † †
「生きていますか? 死んでいますか? うわぁ、まさかもう死んでる?」
「んなわけねぇだろぉおお!」
「生ーきーてーた〜!」
荒い息をしながら、私は飛び起きた。
ここはどこ? ってか、何故宿屋(らしき場所)にいる?
さて、シバはどこかな〜……説教しないといけないんだけど……さっき、声かけてきたのはシバだよ……ね?
「シバさぁん、こちらにおーいで」
もう、何もする気が起きなかった。目は半分しか開いていないし、手や足も動かなかった。口のほうも、非常に小さい。
出るのはため息ばかり。いつもの調子なら、シバを探しに行くのだが――
「ショナさん、無理しなくていいですよ。シバさんなら、後で帰ってきますよ」
白猫は、きっと私を慰めようとしたのだろう。白猫はそういった後、自然に笑顔を作った。
「……あ、うん……」
――そういえば、『笑顔』を見たのはいつ以来だろう。
父が見せるのはいつも怒っていたり、不機嫌そうな顔。依頼を完了して、その依頼者が、目の前で「ありがとう」はほとんどなかった。
私は、その影響からか、笑顔を徐々に忘れたのかもしれない。笑顔を作ろうとしても、苦笑いになる私。
でも。でも、思い出した気がする。
「あっ、何か飲み物でもいる?」
「というか、ここは?」
白猫は、忘れていたような顔をし、1人(匹?)で納得したように頷く。
「ここ? ここはね、冒険者の町アレインの町よ。貴方が倒れた後、シバに貴方を担がせてねぇ。重い重い言ってたわ」
重いという言葉は、女には禁止ワードである。
何か、叱る理由がまた1つできたような気がした。
「あ、分かった。……何か、暖かい物が欲しいな」
「えぇ。分かったわ」
白猫は、暖かい物を取りに、どこかにいった。
そういえば、自分でも『自分の中の変化』に気づいていた。
いつもは、なにもかも冷たくいっていたが、最近は何か違った。
仲間の大切が、今日初めて分かった気がする。
――そういえば、こうして旅しているのも白猫もお陰か。シバの依頼受けなかったら、今この町にいないだろうね――
その時、白猫が帰ってきた。後ろ足立ちで、前足にマグカップを持っている。中には、白い液体が入っており、揺れた振動でチャプチャプと揺れている。湯気も、もうもうと出ていた。
「あぁ……私、猫だから、ベッドの上まで行けないわ。取ってくれる?」
私は、体をそのままにし、ベッドから落ちそうなくらいに、手をベッドの下の猫まで持っていく。
マグカップを受け取ると、その暖かさが神経を通り脳まで伝わった。
「ありがとう。頂く」
暖かい牛乳を息で覚まし、口に運ぶ。体が、だんだん温かくなった。
「そういえば、ここまでどうやって運んだ?」
「1階から持ってくるのは大変だったわ。頭にカップ乗せてねぇ。バランス取るのが難しかったわ」
「敏捷、私より上だな……」
白猫も、私も苦笑いをした。
その約1時間後、元気になった私が探していると、シバが見つかった。
――3時間お説教していたのは、言うまでもないのかもしれない。
んとですね・・・ブライングタッチ、10分で諦めました。無理です。
もしかしたら・・・というか、かなりの確立で男性キャラ補充に双子たんいれるかもですw
最近、更新が遅いなぁ。う〜ん・・・