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プロローグ
――お父さんは、私をどう思っていますか?
大事な子? それとも、大嫌いな子?
少なくとも、大事な子、はないでしょうね。
だって――
――カレンが家に何故いない原因を知っているか? お前のせいだよ!
――何もかもがお前のせいだ!
大嫌いな、酒好きな冷たい父。
いつも失敗しては、怒鳴られ、殴られるの繰り返し。
反論したら、どうせ返り討ち。
ああ、いやだな、こんなの。抜け出したいよ。
父から習った武器の使い方さえあれば、きっと大丈夫。きっと。
家出でもんなんでもしてやる! もう、嫌だよ!
――私はいつの間にか、冷たい性格になっていた。父の凶暴さが、今の私の性格にしたに違いない。
それにしても、何故お父さんの知り合いはその性格を知らないんだろう……? それが、疑問だった。
――私は知らなかった。父の暴力は実は私を殺すための序章であったことを――