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葛葉女史のオカルト事件簿  作者: 蒼藍王国神政省奇発事案記録局一般啓蒙部日本語課
魔女
1/7

見つかる

某月某日 暑くも無く寒くも無い心地よさ目な季節

某地方都市のとある家電量販店の一角。

時間は20時になろうとしていた。

とあるキャリアの社員として、この店に勤務する若い女性が居た。

そのブースのとなりにむき出しのパソコンがたくさん並ぶ一角があった。

「師匠、今日はどうですか?」

「見たらわかるだろう。今日はこれで片付けだよ。」

「手伝いましょうか?ホスピタはもうしまいましたし。」

大手携帯キャリアの総合同相談受付ブースとして置かれた、テーブルの置かれているオープンスペースの掃除をしている女性に、隣で働く若い男性が声を掛ける。

「なんか騒がしいですね。」

彼は基本的に自分のところが閉まるとこうして彼女を手伝いに来る。

「防災倉庫のところだね。ちょっと気になるから見てきてくれないかな。」

「わかりました。」

彼が、彼女のところにいると言うことは、両ブースはその日の営業を終えたと言うことになる。

「―、ベストは脱いでけ。」

彼の上司も2人の関係を理解しており、協力的である。

その関係とは、彼が、彼女に呼びかけるときの呼び方を見ればすぐにわかる。

師弟。

彼女のその分野に関するスキルは彼が働くテナントに居る誰よりも遥かに高見にあった。

たまに彼女が、そのテナントが提供するサービスの中で最も充実し高額なサービスを契約決定状態で彼に振ることがある。それによって、彼は、ほとんど接客をせずともその方面については成績が良い。もちろん自力でとると言うこともするが、彼女から振られた物は彼名義で登録手続きをとるという形が決定事項として彼の上司からテナント全員に周知されている。

「葛葉さんにはいつも迷惑掛けるね。スイングももらっちゃって。」

「その分鍛えますから。彼は、まだ伸びますよ。ユーザーに合わせてプランを絞るというのは大事ですが、包括的にサポートするというのはいざというときに使えますから。彼は元々キャリア就職を考え、ユーザーに合わせて、プランの取捨選択を行う腕を高めました。その取捨選択という考えを包括的にという考えに変えるだけで彼は伸びますよ。たぶんあと3ヶ月ほどで三つ星行くでしょう。」

葛葉と呼ばれた女性と―と呼ばれた青年の上司が―が小走りで向かった方を一瞥して、言葉を重ねる。

…………。

「「あくぞ。」」

その建物内のテナント代表者が集まり中をのぞく。

「お?ほぉ~ほぉ~。」

どこぞの日本一有名な5歳児みたいな言い方と声音で中をのぞく―青年。そのままずかずかと入って行くと、

「うっへぁー。こんな漬け物食いたくねぇ…そう言えばぁ。」

何か液体につかった肉状の物や、植物があった。

…………。

「どうだった?」

「なんか、爺ちゃんちの漬け物倉みたいな感じでした。」

「どういう感じだよ。」

入った者しかわからない例えをする―に突っ込む上司。

「あー山くりぬいて作った防空壕的な感じです。そこに棚置いて漬け物を置いているんです。彼の祖父の家では。まあ、きちんとした倉の建物の一階に収められてますけどね。だから壁はコンクリートですが、灯りが電球一個なので薄暗いんです。」

葛葉女史、現在の職場に来たあと、友人として、―君の祖父の家に行ったことがあり、倉にも入ったこともあった。

「一先ず帰りますか。」

戻り次第いろいろと片付けをして、―青年が声を掛ける。


「さっきは言葉濁していたけど、何を見たの?」

―青年は、葛葉女史を送り迎えしている。というのも、―が借りている駐車場が葛葉女史の住まいの隣だからと言うのがある。

「血酒です。」

「……なんかやばそうな名前の物だな。」

「ブラッドリキュールですね。」

帰りにスーパーで買い物をしているうちにこの話になった。

「問題は、誰も見てなかったけど、犬とか、猫の液体漬けがあったことかなぁ。首輪付きだったんですよ。あと、あれどっかで見たことあるんですよね。」

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