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奇術師の涙  作者: 片霧 孤帖
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冒険のはじまり…の前の下準備

こんにちわ。

初投稿です。温かい目で見てください。

「ねーちゃん!俺今日めっちゃいいことあったんやおねー!」


相変わらずうざい弟である。

夏休みだからと親に言われてしぶしぶ弟へのお土産と二日酔いを引っ提げてこんな田舎まで帰省したというのに…


「朝からうるさい。近所迷惑。だまれ。頭に響く。水。」

「ちょっ!酷くね!?あと12時は朝じゃない!飲めないのに飲んでくるからだろ!ハイ水!!」


相当に話を聞いてほしいのか水まで用意してあるとは


「…っぷは。はいコップ。おやすみ。」

「いや、だから!いい加減起きろ!飯できてるから!」

「ぬ。仕方ない、起きるか。ご飯なに。」

「チャーハン!」

「母作?」

「俺作!」

「お休み。」

「だから!寝んな!」


自分がチャーハン好きだからって私も好きだと思うなよ?


「シジミの佃煮もあるから!」

「起きる。」


シジミがあるならおふとぅんから出るのもやぶさかではない。


「ほんと扱いやすいって言うかなんていうか…」

「シジミっ。シジミっ。」

「…まだ寝ぼけてるし。はあ…。」

「話聞いてやらないぞ?」

「しゃーせんした!!!!」


シジミご飯(佃煮を白いご飯の上にのせただけ)は美味であった。うむ。



「…で?」

「フフフ…これを見よ!!!」


差し出されたのは某有名会社がつい最近販売を開始したギアと呼ばれるゲーム機。

これを読んでる人ならフルダイブと言えばわかるのではないだろうか。

まあ、頭につける感じのやつである。うむ。


「…今説明めんどくなったやろ。」

「テヘペロ。」

「無表情でテヘペロされてもかわいくねー。」

「はい。じゃあおやすみー。」

「聞いてください。まじで!!」


ここまで食い下がるとは珍しい。


「で?そのギアがどうしたのさ。」

「反応悪くね?ギアだよ?販売の予約さえろくにとれず、第一弾は数秒で売り切れたあのギアだよ?」


ふむ。我が弟はこれを自慢したかっただけか。


「お前。私を誰だと思っているのだ…。」

「ゲーム好きの姉。」

「そんなもの持っているに決まっているだろう。ついでに言うと限定モデル。」

「おまっ!限定って!!抽選どんだけの倍率だと思って…!!」

「宝くじ買ったほうがまだ望み高いレベル。」

「なんでお前がそんなのもってるんだよ!!!」

「当たったから。」

「……あ~。前からねーちゃんって、本気でほしいと思った景品当たらなかったことないよな…。」

「うぬ。」


その代わり弟はよく物欲センサーに引っかかるのだが。これは言わないでおこう。気にしてるらしいし。


「あ。忘れてた。はいこれお土産。」

「え、何?俺に土産なんてめずらしー。いつも家族まとめてなのに。」

「いらないならいい。貰い手は数えきれないほどいる。」

「いるいる!どれどれ……。」


あ、弟が固まった。息してるかこいつ?救急車いる…?


「こここここここここっこれ!!!!!」

「ニワトリのものまね?うまいうまい。」

「違くてっ!!!これ“自分だけのもう一つの人生を異世界で“がキャッチコピーで、圧倒的な自由度が売りのアナザーライフオンライン。通称ALOだよね!!!これこそ何で持ってんの!?販売前じゃん!!」

「説明乙。そのソフトの開発協力してるから。私。」

「えっ?おねーちゃんってただの大学生だよね…?」

「うちのゼミの先生がそこの開発チームのリーダーと知り合いで、その関係でギアの体験をさせてもらったら、なんと電脳空間への適応率が一般の2倍だったらしく、そこからはモルモット生活。」

「つまりβテスター…。くそう。何で誘ってくれなかったんだよ!!」

「いや~。ゼミに行ったらほとんど拉致されるように研究所連れてかれたからな…。誘ってる暇なかった。というかお前応募落ちたんだろ?落ちた人を当たった事にはできないだろ。」


…今思えばあの性悪オヤジ(開発リーダー)からもうちょっとふんだくればよかった。


「うわぁ。ずるっ。」

「そのソフトはゲーム好きな弟がいるって言ったらくれた。たぶんプレイデータ取られると思うけどどうする?」

「やるに決まってんじゃん!!!おねーちゃんが2倍ならおれは1 .3倍ぐらいはあるはず!!」

「なぜに自己評価低め?」

「だって俺だぜ?ねーちゃんみたいに何でもはできないって」

「私は器用貧乏なだけだろ…。あ、キャラメイクとかその他諸々は皆といっしょだから。あと三日後ね。知ってるとは思うけど、最初の町は火、水、土、風から選ぶことになってて、私は風から始めるから。」

「りょーかい。俺も風かな…。始める前にやっとくと良いことってなんかある?」

「情報収集はしてるだろうから、あとは…ギアに内蔵されてるアスレチックは全クリした方がいいと思う。」

「何故に?あれ思った通りに動けないって不評じゃん。」

「アスレチックはALOの体の動かし方とほぼいっしょなんだけど、慣れるまでの時間がかなりかかる。普通の人はすぐには動けない。それに仮想空間なら基本はイメージだから、コツをつかめばどこのサーカス団?みたいな動きもできるようになる。プレイスタイルの参考になるでしょ。」

「おねーちゃんは仮想空間でどこまでできるん?」

「人間の関節限界をこえなければ何でも。」


あのギアには他にもお試しで色々入ってるけど、アスレチックは途中からクリアさせる気がないんじゃないかってレベルだからな~

全クリしたら基本的にAFOでできないことはないんじゃないかな?


「…ちょっと三日で終わる気がしない。」

「たぶん内蔵されてるアスレチックはやってない人が多いから、スタートダッシュはそこで決まる。」

「逝ってきます。」


いってらっしゃいまし~


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