リアルな遭遇
用事の合間の息抜きです。
そしてやってきました魔法初心者講座。なんか初心者向けのものを受けるのは恥ずかしいって思う奴多いけど受けなくて間違った使い方を思い込んでる方が俺は恥ずかしいと思う。同意の人は挙手してくれ。
はーい。
「はーい。」
一人でなに考えてるんだろ俺、流石にねぇわ。心中の出来事に反応なんて返ってくるわけ……。は?
俺は慌てたように顔をバッと声がした方に向ける。
そこに居たのは大和撫子の特徴をおさえた可愛い女の子だった。綺麗な黒髪に白い肌。こんな日本女性がもっと増えたらいいのに。
だが、普通に誰か分からない。そして心中の出来事に反応するとか妖怪かもと一瞬思った俺自分でも疑問だわ明らか挨拶のイントネーションだったろうが帰ってこい殴らせろ。……んんっ!話を戻そう。
本当に誰だ。いや、普通に初対面だよな、気になったから話しかけただけだろう。
そう思い話をしようと口を開く。
「やっほー、蛇君だよね?委員長だよ。ゲームの中で会うなんて偶然。ほんとは話し掛けるつもりなかったんだけど百面相してたから面白くて。つい話しかけちゃった。ごめんね?」
先に話しだされた。俺は当然閉口する。が、すぐに口をあんぐり開けることとなった。
まさかの知り合いだった。そして委員長だった。気づけよって思うかもしれないが、学校での委員長は眼鏡掛けてるし三つ編みだしっていう定番真面目ちゃんコーデなのだ。親しいってほどの仲じゃないのに気付けるわけがないと言い訳しておく。
「あぁ、確かに俺は蛇だが……ここではオフィウクスだ。よろしく。と言うか可愛いな、いつもそうしてればいいのに。これで委員長じゃなかったら凹むから俺の名前を耳打ちしてくれないか?」
名前を耳打ちしてもらうが合っていた。嘘をついているわけでは無いようだ。そう言えば委員長可愛いんだぞ!て親友が言ってたな。写真撮ってろよ役立たないな。理不尽なのは自覚してる。
「あはは、用心深いね。でも良いことだよ。偉い偉い。お世辞どーもありがとう。君はいつも通りかっこいいね。」
「ふは、知ってる。言われなれてるしな。」
「わー、すごい自信。まぁでも間違ってないしなぁ。んーと、じゃあオフィて呼ぶね。ちなみに私はアリエスだよ。偶然ほんとビックリした。星座繋がりだね。」
本当に偶然が多いな。作為的な訳ではないと確信できる位には委員長の人柄は知っている。ちなみにアリエスにした理由を聞いたところ、未年生まれで牡羊座だったからだそうだ。
「オーケー、じゃ、アリィだ。こうなったら呼び名にも似た要素入れようぜ。小さい、ぃ、な。あ、フレンド登録もしておこうぜ。」
「了解だよー。はい。」
講習が始まるまでまだ少し時間が有ったため暫くアリィと話すことにした。
「何属性?無属性を極める!て宣言してるプレイヤーさっき見かけた。」
「武器に迷ったよ。もっとマイナー系のバリエーションを……。」
「ギルドね、すごい沢山の依頼書がさ。」
「ゲームするんだーって意外に思った。」
「知り合いに早々に会うとかすごいよね。」
アリィも最近始めたばかりらしい。ギルドには登録したようだ。俺がこの前仕入れた情報を話すと残念そうな顔をされた。
「そうなんだ……。私も聞き込みすればよかったかなぁ?ま、いっか。ギルドマスターに気に入られたし。」
「は?!そこ詳しく。」
「拒否しまーす。ちょっとお得情報聞いて悔しくなったから。……うそうそ。悔しくはあったけど今度話すよ。そう言えば勢い余ってプレイヤーにも聞き込みする青年がいるって噂聞いたけど、それオフィ君じゃない?」
「う"……なんだそれは知らないな。……黙秘権発動だ。」
「あはは、それ認めてるのと一緒ー。」
「恩を仇で返された気分だよ……。」
「ごめんごめん、事実確認したかっただけだからさ。ギルドマスターの件はほんとに今度話すよ。なんだったらリアルで話したげる。」
「……言ったな?二言はないな?」
「うわ、仇を仇で返されちゃった。」
「そんなことないだろ?」
不思議と会話がポンポン進む。とても楽しい。だがしかし、俺には愛する彼女がいるので惚れることはない。浮気性にはならない。絶対に。
そうこうしているうちに講師の先生らしき人が来た。
「はい!では、初心者への魔法講習会を始めますね!」
「「よろしくお願いします!」」
魔法講習会のつもりだったのに知り合いに会わせただけですごく長くなったので、とりあえずこれで投稿です。