再会
不器用で不恰好でも人生で最もキラキラしているそんな時間に、異能と共に生きて悩んで、ぶつかってぐちゃぐちゃになりながらも笑いあうそんな少年少女の物語
がやがや。がやがやざわざわ。
プルルルル。
「もしもし?今どこにいるの」
今、駅ついた。
「あ、あたしも。バス待ってるところ。もうあたし達以外みんな集まってるってよ」
そっか。
「急にさ、あの場所に再集合しろなんて。こっちの予定も聞かないで」
ああ。悪い。
「でも、みんな集まれてよかった」
本当に。
「…また、会えるなんて思ってなかった」
…ごめん。
「いいの。でも、お願い一つだけ教えてほしいの。あの日聞けなかったこと。みんなのところに行く前に、二人だけのうちに」
…ああ。
ねえ、わたしのこと今でも……
小さな喫茶店「maple」に集まって過ごした日々。
かけがえのない日々が脳裏によみがえる。
綺麗だけではなかった。汚れた部分もたくさんあった。ぶつかり合って傷ついて傷つけて。それも含めて何よりも大切な日々だったと思えるんだ。
「辛いこともあったけど、それでも今があるんだね」って。
始まりはまだ、葉桜の季節。
運命を変えた、始まりの季節。
こちら!メイプル喫茶探偵団
プロローグ『再会』