2.間宮陽日とスプラッター
今回非常に短いです。すみませんネタが浮かばず(-ω-;)
まず先に一つだけ。
やはり文芸部には、変人が集まるようだ。私の天使はもうどこにもいない。
「みや先輩。原稿読んでくれませんか?」
朝比奈君は私のことをみや先輩と呼ぶことにしたらしい。先日部長に言われた小説を私に差し出した。
「え。私が読んでもいいの?」
「はい。書いたからには早く読んでもらいたいですし。今、みや先輩しかいませんし」
少し照れたようにはにかむ朝比奈君。どっから見ても天使にしか見えない。
「ありがとう。じゃ、失礼して」
朝比奈君はホラーを書いてきたようだ。そういえばうちの部員にはその分野はいなかった。なんか新鮮だな。てか、朝比奈君はホラーとか苦手そうな顔してるのに。以外。
……。
――バサッ
手から原稿が零れ落ちる。
「き、きゃああああぁぁぁぁっ」
なに、なにこれ。スプラッター!?
「あの、みや先輩?」
「うっせーぞ間宮。原稿は仕上がっ――」
部室の扉を開けた格好のまま、切れ長の目がすっと細められる。
いやぁぁあ。美形が起こると怖いって本当だぁ。
「なに散らかしてんだ? あ?」
「す、すみません。しかし部長! これは不可抗力で……!」
部長が床に散らばった朝比奈君の原稿を手に取り、さっと目を通す。
さすが鬼畜部長。エグイ文章を冷静に読み込む。
「朝比奈」
視線を上げ、ぞっとするほどの美形が朝比奈君を捉える。
「やりすぎだ馬鹿」
「そうですか? ハンニバル・レクター風にしたのに」
「そこが間違いなんだ馬鹿。読者層考えろ馬鹿。R18は確実だろコレ。つーかお前まだ十五だろ。どんな生き方して来たらコレが書けんだよ」
原稿を丸め、朝比奈君の頭を叩きながら一息でダメ出しをする部長。
てゆうか。
『部長ならもっとエグイの書けそうですけどね』
朝比奈君と声がそろう。
「馬鹿かお前ら。そんなん書いたところで読む人間がいねーと意味がねぇだろうが」
おう。正論。
「そうですね」
朝比奈君も頷いている。
「とりあえず朝比奈。カニバリズムは禁止だ」
そりゃそうだ。いくらなんでもやりすぎだ! 食人なんて。
「えぇ!? ちょっと部長! カニバリズムはロマンじゃないですか! 俺からそれ取ったら何が残るんですか!!」
え。カニバリズムは朝比奈君のアイデンティティーなの?
やだよそんな十五歳。
「うっせー。中身スカスカなお前が悪いんだろ。やり直し」
部長がパンッと手を叩くと、朝比奈君は肩を落としてPCに向き合う。
あゝ。私の天使は何処へ――
どうやら私は、今年も苦労するらしい。
天使は思考(嗜好)が悪魔w
朝比奈君は血飛沫が上がってないと物足りないという狂人です。