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カクテル・バー『J moon』  作者: かがみ透
第八章『強敵──ライバル──』
34/72

(3)仕返し

 ライブ本番。

 黒で統一された、少しずつデザインの違う衣装に、黒いハードなブーツ、髪もワックスで散らした五人が、ライブハウスのステージで、楽器を準備する。


 ジャズスポットで演奏することの多かった奏汰には、普段と違う熱気に、思わず飲まれそうになった。


 前列に迫る、きゃあきゃあ騒ぐ、着飾った女子たちが、翔の名を呼んでいた。

 彼のファンが多いことは、聞いていた通りだ。


 この日は、アマチュアバンド、主に大学のサークルが集まり、発表するイベントであった。


 雅人のバンドも、三曲だけ演奏することが決まっている。

 ロック・ジャズなどのテイストのオリジナル曲で、翔の作った二曲もその中に入っていた。


 アップテンポのロック調の曲で、奏汰がベースでアドリブを弾いている時だった。

 まだ終わらないうちに、翔のエレキ・ギターが、重なって来た。


 ベースとの掛け合いで、『合いの手』だと思っていたのが、ますます主張していくので、とうとう、奏汰が譲った。


 割り込まれた!


 奏汰は、そう感じていた。


「おい、翔、どういうつもりだよ!」


 演奏後、ライブ会場の客席に座ると、雅人が、問い(ただ)した。


「まだ奏汰のソロが終わってなかったのに、なんで割り込むような真似を……!」


 煙草に火を点けた翔が、面倒そうな顔になる。


「ちんたらやってっから、飽きたんだよ」


「飽きたって……まだ1コーラス目の途中だったじゃないか! 予定では、奏汰が2コーラスだっただろ?」


 後輩のキーボード二人と奏汰は、黙って、雅人と翔の会話を見守っている。


 煙草の煙を吐くと、翔が言った。


「ベースなんて、ソロなんかねえ場合が多いんだぜ。俺が代わりにやったら、客だって、喜んでたじゃねぇか。皆、俺の演奏聴きに来てんだから、ファンサービスだよ。それのどこが悪いんだよ?」


「そ、それは、そうかも知れないけど……」


 ファンのことを言われると、雅人は、弱気になってしまうのだった。


 じっと、翔の顔を見据えていた奏汰が、切り出した。


「翔、昨日のこと、まだ怒ってるのか?」


 ぴくっと、翔の眉が動いた。


「えっ? 昨日って、何? お前たち、どうかしたのか?」


 雅人が、奏汰と翔を交互に見る。後輩たちも、二人を見ていた。


「ライブが全部終わってから、話をしようと思ってた。もし、昨日のことが引っかかってるんだったら、俺に直接言えよ。演奏中は、お客さんに、いい音楽を聴いてもらうことだけを考えようぜ。私情は挟まずに」


 むっとした顔で、翔は返した。


「後から来たくせに、でけえツラすんなっ!」


 立ち上がった翔が、出て行く。


「ごめんな、奏汰、せっかく助っ人に来てくれたのに」


「気にすんなよ、雅人。俺、後で、翔とじっくり話してみるよ」


 奏汰は、すまなそうにしている雅人に、心配させまいと笑った。




 最後までライブを見るという雅人や奏汰たちよりも早く、翔がライブハウスを出ると、前方に、同じく大学生と思われる女子が二人、歩いていた。


「今日の上原(かみはら)さんも、超〜格好良かった!」


「そうだけど、あの人って、女好きだって噂じゃない? 私は、あの新しくメンバーになった人がいいなぁ。ベース上手かったし、ちょっと可愛い感じだけど、格好良くて。新入りだからか、ソロが少なかったのが残念ね! もうちょっと聴いてみたかったなぁ」


「よう! 俺たちの演奏、聴いてくれてたのか、サンキュー!」


 後ろから声をかけた翔に、振り返った女子たちの表情が驚き、嬉しそうにほころんだ。


「きゃー! 誰かと思ったら、上原さんじゃないですか!」

「あ、お疲れ様です!」


 そう言う女たちに、翔は、にこやかに笑いかけた。


「俺も帰るとこだったんだ。駅まで、一緒だな」


 女たちは、きゃっきゃと喜んだ。

 駅まで歩く間、女二人と翔は、楽しそうに会話を弾ませていたが、途中で、一人は、別方向の電車に乗り、もう一人と翔が、同じ電車に乗った。


「ライブの後は、いつも一杯やっていくんだ。今日はまだ飲んでないから、良かったら、一杯だけ、付き合ってくれないか?」


「は、はい……」


 翔と女は、バーに寄る。


 飲んで話をするうちに、いい雰囲気になった二人は寄り添い、足はホテルへと向いた。


「上原さんて、正直、前は、ちょっとこわいなぁって、思ってたんですけど、本当は、やさしかったんですね」


「でも、きみは、さっき、奏汰の方がいいって言ってなかった? あいつ、紹介しようか?」


「そ、そんな……、今さら……」


「だよな。俺だって、きみを、あいつに紹介するには、もう遅過ぎた。あいつには、渡したくなくなった」


「……本当?」


 女の目を見つめながら、翔が、唇を覆った。


 緊張していた女の唇も、口づけを繰り返すうちに、大胆になっていく。

 貪るように求め合うと、二人はベッドに倒れ込んでいった。


 激しい時の後、女と翔は、今後も会う約束をし、別れた。


「所詮、こんなもんか……」


 ひとりになって、そう呟いた翔は、妙に冷めた表情であった。




「遅かったわね。また女?」


 マンションに帰ると、菜緒が、恨めしそうに迎え入れた。


 取り合うこともなく、さっさとリビングに腰を下ろし、煙草に火を点ける翔を、菜緒が見つめている。


「どうしたの? なんだか、イライラしてるみたい」


「うるせえな。腹癒(はらい)せで女抱いても、つまんなかっただけだよ」


「腹癒せって、……昨日ワインかけられたことに? それとも、ライブ、上手くいかなかったの?」


「ライブは上手くいったに決まってんだろ! だけど、なんかスッキリしねぇ」


 やけになった答え方をしてから、翔は、レコーダーをテーブルに置いた。


 菜緒は、スピーカーを通してレコーダーを再生し、翔たちの曲を聴いていた。


「前よりも軽快感が増して、すごく良くなってるじゃない。バラードは、色気があって、せつない感じが現れてて」


 分析する菜緒の表情は、真面目な様子から、曲を楽しむように変わっていった。


「何がこんなに違うのかしら? ドラムがパターンを変えたから?」


「ドラムだけじゃねえよ。ベースが、大分変わった」


「ベースって、……ああ、昨日会った、奏汰くん?」


「あいつ、これまで組んだ奴らと、なんか違ってた。何が違うんだ……?」


 練習の時から感じていた謎だった。

 自分の曲も、奏汰の工夫で、高揚感が増したのだ。


「奏汰が、ベースの弾き方を変えたら、雅人もそれに合わせてドラムを変えた。それだけなのに……」


 ドラムはともかく、裏方だとばかり思っていたベースが変わっただけで、あんなにも印象が変わるものなのか。


 盲点を突かれた思いだった。


「確かに、ドラムとベースの息がピッタリね。裏方がしっかりしてると、ボーカルも歌いやすいのよ。翔もキーボードの子たちも、ノリやすかったんじゃない?」


 菜緒の言うことに、翔は、答えなかった。


 落ち着かない様子の翔は、煙草も吸い終わらないうちに、灰皿に押し付け、玄関に向かう。


「また他の女のところに行くのね」


「それが、どうしたってんだよ」


 イライラとした口調で答えると、翔は、マンションを出て行った。


 彼は、どうにも腹の虫がおさまらなかった。


 奏汰のソロの出番を奪い、ファンになりかけていた女も奪ったつもりだった。


 だが、それでも、奏汰に勝ったような気には、なれなかった。といって、負けた気がしているわけではない。


 なのに、なぜ、自分は焦りを感じているのか?


「そうだ、あの女……!」


 そう思い付くと、彼の足は、方向を変えた。




 『J moon』では、昨日のカジュアルな雰囲気とは違う、シックな出で立ちの蓮華がいた。


「よう!」

「あなた、昨日の?」

「覚えててくれたか。光栄だなぁ」

「当たり前でしょ? こんなに年下のくせに、あたしを怒らせた子なんて、滅多にいないんだから」

「へー、そうなんだ」


 話している二人を、カウンターの中から見ていた優が、翔に目を留める。

 と同時に、翔も優に気が付いた。


「あれー? 優さんじゃん。ほら、銀座と新宿のお店にいたでしょ? 俺、そこのライブに出たことあるんだぜ」


「ああ、上原翔(かみはら しょう)くんだったね」


「覚えててくれたんだ?」


「知り合いだったの?」


 翔は、蓮華に説明した。この店に来る前に、優が働いていた店のライブにも、彼が高校生の頃から出演していたことがあったのだと。


 カウンターに座った翔は、蓮華に語り出した。


 蓮華は、彼が、若年の割には、古い音楽に詳しいことや、クラシック・ギターも勉強したこと、ジャズの曲のギター部分を耳から聴いてコピーしていたこと、あのノリを出すのに練習を重ねたことなどを知った。


 音楽に関しては、真面目に取り組んでいるようだった。

 そんな話している時の翔は、粗野な感じはなく、純粋な音楽青年であった。


「翔くんて、口の利き方も知らない小僧だと思っていたけど、一回り上の菜緒さんが、あなたと離れられないのが、わかった気がするわ」


「でしょ? 俺って、ホントは、夢見る王子様なんだぜ」


 蓮華が苦笑しながら、「何言ってんだか」と言う。


「蓮華さんも、第一印象と違うね。結構、いい女じゃん」


 翔と蓮華は、冗談を言い合い、楽しそうに笑っていた。


 翔の、蓮華を見る瞳には、明らかな好意が、現れていた。

 蓮華も、にこやかな笑顔を絶やさなかった。


 そんな彼女が、カウンターの奥に、一瞬引っ込んだ時、優が近づいた。


「上原くんのことだけど……」


「大丈夫よ、気は抜いてないから」


 優が、安心した表情になる。


「わかってるんなら、いいんだ。彼、ちょっと、よくない噂があって」


「でしょうね。大丈夫よ、どうせ、もうすぐ閉店だし、ライブの打ち上げ終わったら、奏汰くんも来てくれることになってるし」


 蓮華が他の客の相手に移ると、カウンターの目の前でカクテルを作る優に、翔から話しかけた。


「優さんて、店を出すから、銀座と新宿の店を辞めたんだって聞いたけど、ここは、自分の店ってわけじゃないんでしょ?」


「そうですね」


「長い間、東京でバーテンダーやってたのに、突然ここに移って、二年もやってる割りには、独立しないのは何で?」


「まだその時期じゃないからですよ」


 優が微笑んだ。


「そうかなぁ。キャリアも充分積んでるんだから、もういつでも独立出来るんじゃないの? それでも、そうしない理由は、一つだな」


 翔は、優を、挑発的な目で見た。


「あのママに、ホレてんだろ?」


 優は表情も変えずに黙っていたが、ふっと、諦めたように笑った。


「上原くんには、かなわないな。きみの言う通りだよ。でも、ママには、気付いてもらえなくてね」


 優が、口止めするような動作をする。「奏汰くんには、内緒ですよ」


 翔は目を丸くし、そのまま笑顔で仕事を続ける優を見つめた。


 本心なのか、冗談なのか、大人の男のポーカーフェイスは、翔には、全く読み取れなかった。


 ちっと、小さく舌打ちすると、濃いめのハイボールを、ぐいっと飲み込んだ。




「もう閉店よ」


 いつの間にか、カウンターに俯せていた翔の肩を叩いて、蓮華が声をかけた。


「ちょっと酔っ払ったな」


「危ないから、階段の上まで送るわ」


 会計を済ませた翔は、蓮華に付き添われ、階段に出る。


「実は、酔ったっていうのは、ウソなんだ」


 にやっと笑い、翔が蓮華を見下ろす。


「やっぱり?」


 蓮華は、驚きもせずに笑った。


「知ってて、のこのこ付いてきたのか。身の程知らずが」


 純粋音楽青年は、影をひそめていた。


 今、蓮華の目の前にいるのは、野生の動物が、今にも、獲物に食いつこうとしているのに似た男の姿だった。


「あたしを、いくつだと思ってんの? 年相応の経験くらい、あるのよ」


「菜緒だって、最初は、気の強い、わがまま女だったけど、今じゃ、俺に従順な女だぜ」


 野生の男は、壁に手をつき出し、獲物を追い詰めた。


「女が弱いシチュエーションなんだろ。さあ、どうする?」


 蓮華の顎を、指で持ち上げ、無理矢理、自分を見上げさせた。


 蓮華は、キッと、翔を睨んだ。


「強がっていられるのも、今のうちだ。気の強い女は、無理にでも口説いてみたくなる。逆らっていた女が、そのうち、俺を求めるようになるのを、何度も見て来てる。俺を知れば、蓮華さんも変わるぜ」


 翔の視線は、その年齢を感じさせない、大人びた色気を帯びていった。


「放してよ」


「なんでだよ。俺から、逃げられなくなるのが、こわいのか?」


「うぬぼれないで」


 蓮華が言い終わらないうちに、翔が唇をふさいだ。


 壁に頭を押し付けられた蓮華は、逃げ場もふさがれていた。


 翔は、彼女の手首を掴み、それも壁に押し付けた。


 唇が、執拗に追い求める。


 蓮華の身体の力が抜けるのを、彼は感じた。


 舌が侵入し、彼女の舌を従わせた。

 絡み合う舌と、深い口づけは、方向を変えながら、熱く交わされる。


 堕ちた。


 女が堕ちるときの手応えを、彼は確信し、勝利した気になった。


 だが、その時、彼の舌は、押し戻された。


 そして、唇が離れた。


 蓮華が、うっすらと目を開く。


「……っていうのが、あなたの望んでたシチュエーションなんでしょ?」


 翔は、わけがわからず、ただ蓮華を見つめた。


「ワインぶっかけた分の代償よ。これで、チャラね」


 翔から見た蓮華の瞳は、恋に堕ちた女でも何でもなかった。


「気が済んだ? あたしに仕返し出来て、奏汰くんにも仕返ししたつもりになって。だけど、世の中、あなたの言いなりになる女ばかりじゃないのよ」


 納得がいかないとばかりに、翔は、むきになって、引き下がらなかった。


「この先に進めば、わかるはずだ」


「残念ながら、ここまでよ」


 蓮華は、冷たく言い切った。


「こわいんだろ、俺が?」


「あなたこそ、これ以上絡むなら、己を思い知って、傷付くことになるわよ」


「この俺が、傷付くだと?」


 ふんと、鼻で笑う。翔は、あくまでも、彼女を見下したままであった。


 蓮華は、溜め息を吐いてから、顔を上げた。


「言わずに済めばと思ったけど、どうやら、言わなきゃわからないみたいね。あたしが、あなたとはここまでだって言ったのはね、……その先は、底が知れてるからよ。


 マズくて腹をこわすだけだって知っていたら、そんなもの、わざわざ食べようなんて、誰も思わないでしょう? あなたは、器用なだけ。あたしが感動するかどうかは、別問題だわ」


「なにぃ」


 見るからにプライドが傷付いた翔は、逆上する一歩手前まで、顔を上気させた。


「マズいだと? なんで、そんなことがわかる? 試してみろよ、奏汰より、絶対にいい思いをさせてやるぜ。試す勇気もないのかよ」


「試すまでもないわ。挑発しても無駄よ。いい? 己の技を過信すると、それで身を滅ぼすのよ、恋愛でも、音楽でも」


 翔の剣幕に気圧(けお)されることなく、蓮華は、じっと彼を見据えた。


「愛がなかったら、どんなにイケメンでも、ナンバーワン・ホストであっても、愛のある可愛い男の子よりも、マズいに決まってるの。


 そこがわかっていないあなたに、どうやって、奏汰くんよりも、あたしを満たすことが出来ると? ましてや、あたしの心が、あなたの方を選ぶと思うの?」


「年上のくせに、まだまだ甘いな。お前らのが純愛だとでも、信じてるのか? それこそ、過信じゃねえか。もっと大人かと思ったら」


 ふふんと、翔が、小馬鹿にするように、蓮華を見下した。


「そう聞こえるかも知れないわ。でもね、結局、原点は、そこなのよ。それがわからないと、いろんな人との、上辺だけの恋愛ごっこを繰り返すばかりだわ。わかってないから、繰り返しているだけなのに、自分がモテてると錯覚してるのよ」


「なんだと?」


「あたしを、あなたに惚れ込ませて、弄んでから、残酷に捨てようって、せいぜいそんなところだったんでしょうけど、そんな無意味な復讐なんか時間の無駄よ、やめた方がいいわ。自分で自分を、(おとし)めるだけよ」


 翔の目が、見開かれていく。


「あなたには才能があるんだから、音楽で頑張ればいいじゃない。あなたが、恋愛で才能を発揮するとしたら、その相手は、菜緒さんだけよ。


 他の女は、あなたのイケメン顔とシチュエーションに酔ってるだけ。そんな違いもわからないの? 照れてないで、格好つけてないで、ちゃんと、彼女と向き合って」


「だっ、誰も、照れてなんか……!」


 言いかけた翔に構わず、蓮華は続けた。


「その上で、奏汰くんと協力し合ったなら、バンドは最強になれるわ。あなたのギターには、あたしも感動したわ。あなたのギターになら、もう惚れてる。


 ね? ミュージシャンなら、外見で惚れられるより、才能に惚れられる方が、嬉しく思わない? あなたは、既に、菜緒さんの愛を手にしてるんだから、今後掴むべきは、プロミュージシャンへの道でしょう?」


 翔には、その蓮華の言葉は、意外にも、すんなりと入っていた。


 持って生まれた整った顔を褒められるよりも、正直、努力を重ねてきたギターを褒められた方が嬉しかった。


 その言葉で、復讐を遂げたような気にもなり、蓮華と奏汰を(あざけ)るよりも、満足感を得られた気になっていた。




「なんだ、そいつは! 僕が、その場にいたら、はっ倒してやったのに!」


 残業を終え、『J moon』閉店後に現れた潤が、蓮華からの話を聞くと、ぷりぷり怒った。


「まったく、『おのれの技を過信すると……』だなんて、よく言うよ」


 私服に着替えた優は、呆れた顔で、蓮華を見ている。


 ライブの打ち上げが長引き、翔とも顔を合わせることなく駆けつけた奏汰は、蓮華の隣にいた。


「翔には、ちゃんと俺も話をつけておくから。もう、あんまり危ない真似するなよ。心配だよ」


「大丈夫よ~。降りかかる火の粉は、自分で振り払うから」


 カウンターにそっくり返って座る蓮華は、周りの心配をよそに、笑っていた。


「火の粉、自分から招き寄せてる気もするけど」


 呆れた優の呟きだった。


「優ちゃん、何か言った?」

「いや、別に」


ふ~、やれやれ。(^_^;

イケメン壁ドンでも、効果なし!(笑)

これも、流行りだから、というより、10年以上前のメモ通りです。

しかし、蓮華、壁ドン多い。

『J moon』階段、キケンですな。(^^;

次回、『バンド結成』奏汰VS翔です。


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