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三代目魔王の挑戦  作者: シバトヨ
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久しぶりに2代目に挑戦!

 クロノワールが戦闘を繰り広げていた場所までは、小動物にすら会うことなくたどり着いた。

「この粗大ゴミがっ!」

「シニサラセ! マオウ!!」

 ……ガスターが本物の化け物になっていた。まぁ、体はなんとも無さそうなんだけど。

 周りに居た神界の兵士らは、全員が殺されていた。正直、オルやドーラに見せんのが(はばか)られるけど。

「ちょっと! ガスター! 落ち着きなさいよ!!」

 荒れ狂うガスターをなだめようと声をかけているリリンさんだが、隣には煽っているクロノワールが居るので効果がない。

「オル、なんとかなら無いのか?」

 あのままだと、俺の体が殺されるんだけど。

「う~ん……あの状態のパパには、何を言っても無駄だからなぁ」

 だから、大技だったのな。ちょっと理解した。

「くっ!? このゴミ屑めがっ!」

 クロノワールは体を黒い炎で覆った。黒い『炎の鎧』って感じだ。

「コロスコロスコロスゥ!!」

 ガスターは、両腕に装備している短銃でクロノワールを撃つ。

 いつもの魔力量なら大したダメージにはならない。筈なんだが……。

「なっ!?」

「マジかよ!?」

 纏っていた黒い『炎の鎧』が解除された。

 集中力を切らすと直ぐに保てなくなるが、たかだか一撃で、しかも威力の無い攻撃で掻き消された。

「シッ!」

「ぐふっ!?」

 呆気にとられているところにボディーブローが炸裂する。

 さらに引き金を引いて、魔力弾を撃ち込む。

「がはっ!?」

 やばい。冗談抜きでヤバイ!?

 一連の攻撃を加えたガスターは、1度距離をとって身体中の魔力を高めていく。オルじゃねぇけど、大技を放つ気だ。

「お、オル……」

「な、なに? 魔王様?」

 俺は、なんの考えも無しに口にしていた。

「あそこに投げてくれねぇ……?」

「な、なに言ってるの!? 魔王様!?」

「そうだよ!? いくらダーリンでも死んじゃうよ!?」

 いや、でも……。

「大丈夫だって。今の俺ってヌイグルミだし」

 体が無くなる方が困る。

 リリンさんと本気でぶつかり合った後に、1人で神界の大将格を封殺して、休憩をする間もなくガスターに攻撃された。おまけに、かなりのダメージで立っているのがやっとのクロノワールだ。

 避けることなんか出来ないだろう。

「ってなわけで……思いっきりよろしく」

「魔王様……うん」

 覚悟を決めてくれたオルに心のなかで感謝をする俺。

 マジでこんな無茶苦茶な魔王に付いてきてくれるよ。

「シネェ!! クサレマオウ!!!」

 溜め込んだ魔力を短銃から放つガスター。

「行けぇぇぇええええ!!!」

 オルも負けじと、俺を力一杯投げ飛ばす。




「がはっ!?」

 腹部に2発。魔力弾だとはいえ、さすがに布切れ一枚では凄まじダメージだ。

「くっ!」

 なんとか立っているが、……気を抜いただけで倒れてしまいそうだ。

「はぁ……はぁ……」

 目が霞む。あのゴミ屑が、まさか、ここまで強いとは……。

 やはり、2代目魔王の名は伊達じゃないということか。

「シネェ!! クサレマオウ!!!」

 ……これで、初代様の元へ行けるのだなぁ。


 膨大な魔力の塊に撃ち抜かれることを想像し、あの世で過ごされている魔王様の元へ逝けることを願っている私は、霞んだ世界から目を閉じた。


「間に合えぇぇぇえええ!!!!」

 だから、私はその声を耳にした直後に目を開いた。

 ーー初代魔王様によく似た声に、呼び起こされるように。


 そして、はっきりとした視界に入ってきたのは、体を撃ち抜かれる瞬間だった。

 正直、ついさっき更新した話に追加しておけばよかったと思ったシバトヨです。

 次話は、クロノワールの過去です(予定)。

 ちょっと引っ張ります。

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