久しぶりのアイツに挑戦
なかなか更新できなくてすみませんでした。
その割には、本文がかなり短いです。……すみません、仕事の方が忙しく、なかなか執筆活動ができていませんでした。
それでも頑張って更新していきますので、暖かく見守っていただけたらと思います。
それでは、短いですが、本編の方をどうぞ!
「くそっ! 何処に行ったんだよドーラの奴はっ!?」
「なにをそんなに怒ってるの? 魔王様?」
「……別に怒ってるわけじゃねぇけど…………なんか嫌な予感がするんだよ」
ドーラの行方が分からなくなってから、もう半日が経とうとしていた。
太陽もすっかり沈み、森の中での捜索は難しくなってきた。
結局、ドーラの行きそうな場所を思い付ける限りまわってみたが、どこにも姿がなかった。
「っ!?」
なんでこんなに胸がざわつくんだ!?
「魔王ちゃん?」
聞きなれた声に呼ばれ、俯きかけていた顔を向ける。
「リリンさん……」
「ドーラを探してるんだって?」
どこで聞いたのか知らないけど、事実だから俺は首を縦に振って肯定した。
「俺もオルも探査系の魔法を使えないから、ドーラの行方を探ろうにも……」
「そのドーラだけど、どうやら神界の連中に拉致されたみたいなのよ」
「「……はぁ!?」」
落ち着いて言うリリンさんに、俺とオルの驚きの声を浴びせる。
「ってか、拉致されたって、どういうことだよ!? 神界の奴らにって、いてっ!!?」
問い詰めるように言い募ると、リリンさんに頭をチョップされた。結構、痛い。
「ちょっとは落ち着きなさい。……それと、これがその証拠よ」
小突いた手を引っ込めて、一枚の紙切れを見せてくるリリンさん。
『竜神の子は我らが預かった。返して欲しいなら、三代目を差し出せ』
そこには、どう見ても脅迫状にしか見えない内容が書かれていた。
「場所とか制限時間みたいなものは、わざと省かせてもらったわよ。……今の魔王ちゃんなら、飛び出しかねないからね」
っということは、時間以内に場所へと向かわないと、ドーラの身が危ないってことだな。
「……何処なんだよ」
「魔王ちゃん、それを言う「いいから答えろ! リリアーデ!!」っ!?」
「リリアーデ? なに言ってるの魔王様? 目の前にいるのはリリンだよ?」
リリンは、棚部を睨んで疑問を口にした。
「……どうして、私の旧姓を知ってるのよ?」
「それはな……」
棚部が口を開いたのと同時に、リリンの脳に鋭い痛みが電気信号として伝えられた。
――リリンの脇腹から、真っ赤な血が溢れ出るのを目にしながら。
「『私』がコイツの体を乗っ取ったからだ」
棚部は、真っ黒な鎧に身を包み、右腕をゆっくりと上げる。
星の輝きすら見えない黒い空間を指し示す右腕には、嫉妬や憎悪の塊で構成された剣が生成されていく。
「ま、魔王様!? 何してるの!!?」
さすがのオルも、棚部の異変に気がついたが、棚部の体が乗っ取られていることに気づいていない。
いや、もしかしたら、気付きたくはないのかもしれない。
「死ね、リリアーデぇ!!」
棚部は、憎しみにまみれた右腕を力一杯、降り下ろした。
なるべく近いうちにもう一本更新したいと思います。




