巨大モンスターに挑戦なの!
「魔王様ぁー!!」
巣から出てきた10メートル程の『バビー』。
その背中に乗っていた魔王様は、『バビー』と一緒に上空に上がって行っちゃったの!
「オル殿。1度地上に戻るぞ?」
「で、でもっ! 魔王様が、連れられてっちゃったよ!?」
「魔王殿なら大丈夫だ。あんなことでは死なん男だからな。それよりも、下の方が騒がしい」
オルには聞こえないけど、竜族の耳には聞こえるみたいなの。
「……うん。分かった」
リリンにも知らせないと。
オルは、ドンの背中に揺らされて地上に戻った。
「女王陛下っ! 火属性が全く効きませんっ!!」
「属性を風に切り替えなさいっ! 斬劇ならある程度足留めができるはずよっ!」
地上に降りてみるとリリン達が忙しなく指示を飛ばしていたの。
「リリン!」
「オル!? 無事だったのね!」
「うん……ただ、魔王様が連れられてっちゃったの」
オルが未だに上昇している1匹を指す。
リリンもその1匹を見上げて苦虫を噛み潰したような顔をするの。
「魔王ちゃんたら……よりにもよって、女王蜂に乗るなんて」
「女王蜂?」
「そうよ。それを守るように周りを飛んでいるのが、通称親衛隊って呼ばれているバビーよ」
話を聞くと、女王蜂は安全が確保できるまで降りてこないらしいの。
「つまり、親衛隊を倒さないと魔王様は降りてこれないの?」
「降りてこれないだけなら、まだいいんだけどね……しびれを切らして何処かに飛んでいかないとも限らないし」
「そ、そんなぁ!」
大ピンチなの!!
「大丈夫よ。さっさと駆除しちゃいましょ」
それだけ言い残して、リリンは魔法部隊の方へと歩いていった。
う~ん、大丈夫かなぁ? とっても心配なの。
何気に初のオル視点です。




