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三代目魔王の挑戦  作者: シバトヨ
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久しぶりの戦後処理に挑戦!

勝った。

かなり苦戦したが、確かに倒した。

未だ視界は赤く染まってるけど、さっきまで動いていたダルマのような人界(じんかい)の兵士は、地面を血で赤く染めて倒れている。

「……勝った……だよな…………?」

俺の呟きは、誰の耳にも届いていないが、それに応えるようにオルが言う。

『うん、魔王様!勝ったんだよ!!』

頭にガンガン響いてくる声。

「ふぅ……」

俺はその場で座り込んだ。

あまりにも長い戦いに身体も精神もボロボロのヘトヘトだった。

「……オル」

『なに?』

そのまま寝転んで、オルに声をかける。

「コレ……どうやって戻るんだ?」


いつも見ている風景に戻った。

この時期は、木々が青々していて仕事がなければピクニックにでも行きたい、そんな気分だ。

「ほら、そこ!サボらないの!」

サボってもないのにスパインさんから叱られた。

「いやいや!頑張ってるじゃないですか!?」

「オルちゃんがね!」

……まぁ、そうなんだけど。

今俺は、魔王城の修復のために瓦礫(がれき)をどかしている。

正確に言うなら、俺にオンブされているオルが、魔王七つ道具の一つである盾をスコップにみたてて、すくっては邪魔にならない場所に持っていっている。

つまり、俺はオルの動力源兼、機動力となっている。……俺、サボってないよな?

「魔王様」

「はいはい、動くぞ?」

ある程度瓦礫が積み上がったので、オルごと移動する。

この盾の性質で、俺と(正確にはオルと)一定の距離を保って盾もついてくる。

森に作られた大きめの穴に瓦礫を捨てる。この穴は、リリンさんが作ったものだ。

「ってかよ、瓦礫の方を吹き飛ばせばよかったんじゃねぇの?」

成人男性20人入れそうな穴も魔法一発で作ってたぞ?

「さぁあ?」

オルに言ったつもりだったんだけど、スパインさんが瓦礫を持ったまま応えた。その瓦礫を穴に向かって放り投げる。

「いつもの事でしょ?」

……嫌がらせか。

スパインさんは、手をパンパンはたいてから、また瓦礫の山へと向かっていった。

もう何往復したのか分からない道のりとその先にある瓦礫の山を見てひとつ思った。

…………疲れた。

「魔王様、次いくよ?」

「あぁ……」

で、そのリリンさんは?


「おい」

俺が魔界の大統領的ポジションに位置するリリンさんにえらっそうな声で話しかけた。

本来なら首と体がさようなら~だろうな。

「あれ?もう終ったの?」

「いや、もう少しだけど……」

正直、俺はイラついていた。

いや、確かに瓦礫の処理とか、城門の修復は大変だけど、重要な仕事だしキチンとやるさ。

問題は、

「なんで水着姿でくつろいでるんだよ!?」

しかもビーチパラソル付きで!

海辺にありそうな白色に塗られた木製のベンチの上で!!

「いいじゃない?上に立つ人間は、なにかと疲れるの。だから、羽根を伸ばせるときは、縮まらなくなるほど伸ばさないと!」

「いや、俺が来てから結構伸ばしっぱなしでしょ?ハネ?」

俺が覚えてる限り、遊んでばっかだった気がするけど?

「気にしない、気にしない。だいたい、そんなの気にしてるようじゃ、何時までたっても彼女すら出来ないわよ?」

「余計なお世話だ!」

俺の彼女の話は、どうでもよくないけど、どうでもいい。

「それより、ガスターとかシェリーさんはどうしたんだよ?ガスターはあり得ねぇだろうけど、シェリーさんは戦ってたんじゃねぇの?」

俺が聴くと、突然悲しげな表情をするリリンさん。

「ガスターもね……頑張ったのよ……けど…………」

うぅっ!と言って泣き出すリリンさん。

「そうかぁ……全然働かねぇニートより酷いんじゃねぇ?ってずーーーっと思ってたけど……寂しくなるなぁ」

本当に。

「おい!勝手に殺すな!!」

階段をカツカツ鳴らしながら、屋上へとガスターがやって来た。

「「いや、死にそうにないじゃん」」

俺とリリンさんがハモって同じことを言う。

それを聞いたガスターは、胸を張って

「まぁ、俺クラスなら最終戦争でも余裕で生き残るけどな!」

言うが

「そもそも戦場に立たなさそうだしな……」

「たぶん、部屋でテレビを見て笑ってるわよ、コイツなら」

と俺とリリンさんの連続口撃(れんぞくこうげき)で撃沈した。

「うるせぇよ。……それより、あんな雑魚にアンリミテッド状態じゃねぇと勝てねぇとか……情けねぇ」

「し、仕方ねぇだろ!?戦いっぱなしだったんだからよぉ!」

「だとしてもだ!ムダが多いんだよおめぇは!!」

うっ!痛いところを突かれた。トビーにも言われた覚えもある。

魔力の配分を考えろとか色々言われた。……元気にしてるかなぁ。

「まぁあいい。それより、リリン。シェリーはどこ行った?」

ズタボロの俺を放置して、ガスターはリリンさんにシェリーさんの居場所を聞く。俺も気になっていた。

「うん?娘ならもうすぐ戻ってくるんじゃないかしら?」

「戻ってくる?」

「えぇ。……ほら」

そう言ってリリンさんは、階段の方を指さす。

カツカツと石でできた階段を鳴らしながら二人のメイドさんが、屋上へと昇ってきた。

「シェリー……騙しましたね?」

「何の事ですか?魔王城の危機でしょ?クサリ」

ニコニコ笑顔のシェリーさんと少しだけ仏頂面(ぶっちょうづら)のクサリさんだ。

……シェリーさんは、母親にそっくりだなぁ。特に悪そうな笑顔は。

30日から2月8日まで、アメリカに行ってきます!

海外旅行に初挑戦です!めっちゃ楽しみです!

なので、読者の皆さんに悲しいお知らせです。

2月の中旬まで更新が止まります……。帰ってからなるべく早く更新したいと思いますが、それまで待っていてください。

それでは、行ってきまーす!

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