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三代目魔王の挑戦  作者: シバトヨ
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初めての飛行訓練に挑戦…………したくねぇ!

「魔王様ー!……もう、何処行っちゃったんだろう?」

俺は今、オルとドーラの2人から逃げて、森の中で息を潜めていた。

「全く、飛ぶのは楽しいのにねぇ?」

ガサゴソ草むらを掻き分けて、奥へと進んでいく2人を見送って、とりあえず一息つく。

「ふぅー。見つかったらヤバイな。」

さっさと移動しようと振り向いた瞬間、前が見えなくなった。

「フフン、ダーレだ?」

可愛らしい声を出して、こんなマジでヤバイときに、楽しんで悪戯(いたずら)を仕掛けてくるのは、

「リリンさん……俺の今の状況を楽しむのやめてくれませんかね?」

「えぇー。」

ブーブー文句を言いながら、闇属性初級魔法『ダーク』を解いていくリリンさん。

……これで、後ろにオルでもいたら、洒落にならない。

そう思い、後ろをチラ見する。………………どうやら、いないようだ。

「よかった。まだ見つかっていないようだな。」

確認を終えて、リリンさんの方を向く。文句を言うために。

「ところで、リリンさん、仕事は?」

仕事というのは、一昨日のイベントじみた訓練の後処理の事だ。

「あぁ、アレ?片付けたわよ。」


一昨日にガスターと魔力の塊を作る(本来は、別の内容を練習するつもりだったが)というジミーな練習をしていたときに、シェリーさんが、ガスターを呼びに来た。

「代表がお呼びです。ガスターは至急、書斎まで来てください。ほら、行きますよ。」

「せめて、『さん』を付けて欲しいもんだな。……まぁいい、お前は続けてろよ。」

ガスターは、魔力の塊で作製した手作りベッドから、体を起こして、シェリーさんについて歩き出した。

「あぁ!さっさと行け!」

シッシッと手を払って、俺は魔力の塊を作り出すのに集中した。

……全く、コツコツ自分の寝るスペースを作りやがって。

それから、休憩を挟みながら3時間くらい、1人で黙々と魔力の塊を作っていた。

「はぁ……はぁ……と、とりあえず…………こんなもんかな?」

人差し指の第1関節くらいの大きさまで、出来るようになった。

……コイツを空中に作り出すのか?

「体から離して作るのも、無理じゃねぇの?」

1人で勝手に絶望していた。…………本当は、魔法士向きなんじゃねぇのか?


暗くなってきたので、魔王城へと帰ってきたわけなんだが……

「ど、どうなってんだ!?」

沢山の人が、凄い勢いで火炎瓶とか、鉄パイプで武装して、魔王城で働く人達と格闘していた。

「あ、アレって……スパインさん……か?」

魔王城側で武装している人たちを片っ端から気絶させていた。

スパインさん、すげぇなぁ。

チョンチョン。

俺が、凄まじい戦闘を眺めていると、後ろから服の(すそ)を引っ張られる。振り向くと見知った顔がいた。

「うん?……あぁ、オルか。」

「魔王様は、参加しないの?」

参加?もしかして、魔王城側で戦えと?

「いや、俺いらねぇだろ?スパインさんやシェリーさんだけで、よく分からんが、制圧出来ると思うぞ?」

そう応えるとオルは、首を横に振った。

「違う違う。城攻め隊の方だよ。」

「へぇ?あっちの火炎瓶とか持ってる方にか?」

ど、どうなってんだ?

俺が困惑しているとオルが、説明してくれた。

「今やってるのは、魔王軍の兵士100人による、城攻めの訓練だよ。」

「く、訓練?」

「うん!オルは、城攻めの方に配属されたの!」

よく分からないが、とにかく訓練であって、クーデターではないらしい。

「パパは、魔王城の方だよ。」

オルの言う『パパ』とは、ガスターの事を指す。

2代目魔王のガスターが、育ての親であり、そう呼ばせているんだとか。

「それで、俺はどうすりゃいいんだ?このまま、傍観(ぼうかん)してればいいのか?」

「せっかくなんだし、こっち側を手伝ってよ!今ピンチなの!」

まぁ、どうせ終わるまで部屋には入れそうにないからな。

それに、クサリさんのメイド隊と戦ったことはあるけど、シェリーさんのメイド隊とは、無いからな。

いい機会だし、実力確認と行きますか!

「よし!そんじゃ、参加しますか!」

「やったぁ!これで、百人力だね!」

隣でキャキャっとはしゃぐオルに城攻め側の本部へと案内してもらった。


この訓練の目的は、守りが硬い城をいかに攻め落とすかだ。

ただ、訓練だからか、一応ルールがあるらしい。

まず、死者、重傷者を出さないように配慮する事。まぁ、兵士側は、向こうを殺すつもりで戦ってるけどな。

次に、城攻め側は、魔王城の書斎にある椅子に、こっちの兵士を1人でも座らせると勝ち。

魔王城側は、日の出まで、座らせなければ勝ちとなっている。

……運動会みたいだな。

「それでね、勝った方には、りりんさんからご褒美があるんだって!」

「へぇー。何が貰えるんだ?」

リリンさんの事だから、くだらない物じゃないよなぁ?

「えっとねぇ、確か、リリンさんの撮影会参加券とか、城攻めボーナスとか……沢山ある中から、1人1つ貰えるんだって。」

撮影会の参加券?

まぁ、リリンさんのスタイル凄いからなぁ。

ドーラと同じくらいの巨乳で、大人の色気が満載だし…………。

「よし!野郎共!!全力で勝ちに行くぞー!!!」

「「「「「うぉぉおおおお!!!!」」」」」

男は、エロで団結出来るようだ。


「いくぞ!オル!」

「うん!」

オルをオンブして、魔王城の城門へと走っていく。

城門の前で戦闘しているのは、スパインさんだ。

「げっ!魔王様まで参戦なの!?」

怯んだ今のうちに!

「悪いけど、押し通る!!オル!」

「『バインドチェーン』!」

スパインさんの足元から数本の鎖を出現させる。

だが、スパインさんもこの攻撃を詠んでいたのか、後ろに半歩跳び、コレをギリギリで回避された。

「さすがに一発じゃ無理か。……なら、次だ!オル!」

「うん!『ギルティブレード』!」

太刀を出現させ、構える。

「さて、こっちからも攻撃させてもらうから、……覚悟してね。」

皮膚がピリピリし出した。……凄い。『サーチ』を使わなくても、魔力を感じられる。……だけど!

「こっちだって、負けられねぇ!!」

足にありったけの魔力を注ぐ。

「オル!構えろ!!」

「うん!準備いいよ!!」

オルに太刀を持たせて、正面に構えさせる。

あのお転婆娘、カルラの得意技の名前を2人で言う。

「「『猪突(ちょとつ)』!!」」

足に溜め込んだ魔力をロケットエンジンのように爆発させる。

空気との摩擦で、体が引き裂かれそうだ!

「ちょ、ちょっと無理ね。これは。」

スパインさんは、構えを解いて回避行動に移る。

もちろん、軌道修正なんか出来ないから、俺達はそのまま、スパインさんが守っていたモノに衝突する。

……そう、魔王城の城門を突き破る!

ドゴォォォォオンン!!!

城門は、全壊と言っていいほど崩れ去り、俺達は、そこから50メートルくらい離れた位置で止まった。

ぶつかった時の衝撃は、あまり痛く感じなかった。

「城門突破!ドンドン行くぞ!」

「「「「「うぉぉぉおおお!!!」」」」

後ろで待機していた城攻め側の兵士80人が、土石流のように魔王城へとなだれ込んでいく。

「やられたわ。ハハハっ。」

スパインさんは、なだれ込む兵士らを見ているだけだった。


「なんでスパインさんは、攻撃してこなかったんだ?」

「さぁ?」

オルに聞いてみるが、よく分からないらしい。

まぁ、なんでもいいか。それより、ここからが本番だ。

少なく見積もっても相手は、シェリーさん、リリンさん、そしてガスターが控えている。

もちろん、スパインさん以外のメイド隊員もいるから、かなり手強い。

城門を突破出来た勢いで城攻めを成功させたいけどな。

「簡単には、いかねぇよなぁ。」

「そうですね。クサリは、貴方の事を誉めていましたが、私は厳しくいきたいと思います。……3代目魔王の名に恥じない活躍ぶりを期待していますので、頑張ってください。」

……シェリーさんが、階段の上で待ち構えていた。

その後ろに2人のメイドさんがいた。確か、マミー族のマリンさんとガーゴイル族のイルさんだ。

確か、シェリーさんの部隊は、シェリーさんの盾を最大限に活かせるように組まれていたはずだ。

……魔王メイド隊の中でも、1、2を争うほどの超攻撃型部隊だって、クサリさんから聞いた覚えがある。

「オル、先手必勝だ!」

「うん!『バインドチェーン』!!」

鎖を壁から出現させ、マリンさんに攻撃する。

しかし、マリンさんは避けるどころか、魔法の詠唱を始めた。

よし!まず1人!!

そう思ったが、

「甘いですね。」

マリンさんと鎖の間に鋼鉄の盾が出現する。鎖は、盾に(はば)まれて、跳ね上がった。

「くそ!オル!」

「うん!『チェーンブレード』!」

階段から鎖付きの太刀を出現させる。

「とにかく詠唱を止めるぞ!」

マリンさんの詠唱を止めるために階段を駆け昇る。

「悪いんすけど、……そっちの敗けっすね。」

「なっ!」

いつの間にか、イルさんが俺の後ろにいた。

俺は、ダメージは受けていないが、オルにダメージが入るとヤバイ。

イルさんは、鎖分銅(くさりふんどう)を投げてきた。

「『硬』!」

右肩に魔力を送り込み硬化させる。

かなり久しぶりにやったが、何とかうまく出来たようだ。

「遅いっす。」

「ふぐぅ!」

腹部にイルさんの拳が、入った。

魔力を右肩にしか送っていなかったのが、仇となった。

「魔王様!大丈夫!?」

「あ、あぁ。なんとか、耐えた。サンキュな。」

「痛いっすねぇ。咄嗟に出来るもんじゃ無いと思うんすよ、そんなコンビネーション。」

俺の腹に決まったと思われるイルさんの拳は、オルが間一髪のところで、小さな盾を出現させ、ダメージを和らげてくれた。

「でも、終わりっすね。」

そう言って、イルさんは、シュンっと消えた。

後ろを振り向くと、詠唱を終えたのか、マリンさんが構えていた。

「くそ!間に合わなかったか!!オル、逃げるぞ!」

魔法を防御する(すべ)を俺は、持ち合わせていない。

だから、詠唱を止めるか、魔法の効果範囲から逃げないと致命傷になる。

だが、オルは首を横に振って、

「ううん、魔王様!シェリーに突っ込んでいって!!」

「はぁ!?……分かった、しっかり捕まってろよ!」

何か考えがあるんだろう。俺は、オルを信頼して、シェリーさんに突っ込んでいく。

「『サンダーボルト』!」

マリンさんの魔法が発動した。

風属性上級魔法『サンダーボルト』。ターゲットに雷を落とし続ける、なかなかえげつない魔法だ。

「『レイジークリスタル』!」

オルが魔法を使うときに、大概出していた水晶を出現させる。

そんなので、どうするんだよ!?雷なんか防げねぇぞ!!

「『ドレイン』!」

オルが続けざまに何かを叫ぶ。ど、『ドレイン』?

俺が読んでいた魔法関連の書物には、なかったようなぁ……。

今にも俺をめがけて降り注ごうとしていた雷は、水晶に吸い込まれてしまった。

「何が「魔王様!」お……うりゃぁああ!!」

オルに聞こうとしたら、突っ込めと怒られた。

右肩に魔力を送り込み、降下させた状態でシェリーさんにタックルする。

「まだまだ、詰めが甘いようですね。」

シェリーさんに攻撃する直前に、俺のタックルは、盾で防がれてしまった。

い、痛い!壁に激突したみたいだ!

「オルだって、勉強してるもん!!『サンダーボルト』!!」

ぶつかった衝撃で、上空に投げ出されるオル。だが、マリンさんの使った魔法を無詠唱で発動させた。

な、何がどうなってるんだ?

「あぁぁぁあああ!!!」

オルの発動した魔法は、マリンさんに直撃する。

……し、死んでないよね?大丈夫だよね?

黒こげになったマリンさんの心配をしながらも、この好機を逃さないようにする。

せっかくオルが切り開いたんだ。だから、全力で、

「全力で、押し通る!!『剛打連拳(ごうだれんけん)』!!」

両手の拳に魔力を注ぐ。そして、硬化させ、シェリーさんを守るように出現している鋼鉄の盾を殴る。殴り続ける!

ドゴン!ドゴン!と銅鑼(どら)を叩いているような音が、城全体に響く。

「まだまだまだまだ!!!」

ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!!

「くっ!」

徐々に鋼鉄の盾が、下がっていく。

俺は、それを追うように階段を1段づつ上がる。

だが、俺の拳も勢いが衰えてきた。

いくら魔力で頑丈にしていても、鋼鉄を殴っているから痛い。血も出てきた。

「……後ろ、がら空きっすよ。」

イルさんが、俺のすぐ後ろにいる。

ま、マズイ!今攻撃されたら、この勢いが完全に死ぬ!

「終わりっす!」「させない!『バインドチェーン』!!」

なっ!と後ろで驚いているイルさんの顔が、想像できる。

なんせ、オルが魔王七つ道具を1人で使ったんだから。


オルは、魔王七つ道具全てを使うことが出来る。ただ、代償に大量の魔力が必要となる。

俺の体に触れているときは、俺の魔力を消費して、魔王七つ道具を使用している。

俺の魔力は、理由は知らないが、無限大だからな。いくら使われても命に問題ない。

ただ、オルが1人でとなると話が変わってくる。

オルが死ぬギリギリまで魔力を消費しても、せいぜい5秒から10秒くらいで使えなくなってしまう。

そんなことから、オルが単独で魔王七つ道具を使用出来ないと、オルに長く接していた人間なら、普通に考えるだろう。

だが、

「鎖が、消えないっす!?」

10秒経っても、オルが出現させた鎖は、イルさんを縛っていた。

「これで!終わりだ!!」

右手に込められるだけ魔力を込め、鋼鉄の盾を殴った。

「フン。」

だが、シェリーさんが扱う盾は、俺の想像を超えていた。……俺の渾身の一撃は見事に弾かれ、腹部がガラ空きになった。

さらに、シェリーさんは、俺の大きな隙を見逃さず、ハンマーのようにして殴りつけてきた。

「『シールドハンマー』!」

右腹部を的確に狙った攻撃は、今の俺の姿勢では無理だ。

オルは……魔王七つ道具を発動した状態のまま動けない。仮に動けたとしても、シェリーさんの攻撃を防げるとは思えない。

……どうする。どうすれば、この攻撃を防げる。俺が考えている間にも、鋼鉄の盾はゆっくりと俺の右腹部へと迫っていた。

……そういえば、つい最近、同じように時間がゆっくり感じたことがあったなぁ。まぁ、だからと言ってどうやって防げばいいのか全く分からねぇけど。

「簡単な事だろうが。」

突然、頭の中に声が響いてくる。だ、誰だ!

「姿はまだ見えねぇか。……まぁいい、声だけ聞こえれば十分だろう。」

誰だよ!お前は!

「紹介なんかどうでもいい。それより、その拳は何のためにあるんだ?」

こ、拳?

右手は、シェリーさんの盾に弾かれてるだろ?

左手は、渾身の一撃を放つ際に魔力をスッカラカンにしちまったから、すでに近い状態だし。

今から魔力を込めたとしても、間に合わない。

おい!拳ってどれだよ!?

「自分で考えろ。思いつかなければ、ここで負けるだけだ。」

じゃあなと言って、謎の声は、消えていった。

…………一か八か、やってみるか。


「『シールドハンマー』!」

この一撃で終わる。確信をもって放った一撃。

クサリの言う通り、ここまで来た実力は、評価できます。

……しかし、私に負けるようでは、ここから先へは進めないでしょう。

「まだだ!『(ごう)』!!」

「なっ!」

私の一撃を!?

魔王様は、右ひじで私の盾を弾いた。魔力をあんなに消費していたのにもかかわらず、これほどの魔力を、まだ秘めているのですか!?

「シェリーさん!歯を食いしばってください!!」

す、凄い!まだ……まだ魔力が込められている!!

『サーチ』を使うまでもなく、右腕全体に魔力が込められていく!

魔力だけならば、初代魔王様に匹敵する!

「『剛打(ごうだ)』!!」

盾で防ごうにも、間に合わない。

……仕方がありません。あまり使いたくありませんでしたが。

「『アンリミテッド』!」

制限解除(アンリミテッド)状態になり、魔王様の拳を両腕で受ける。

しかし、完全に受けきれなかったためか、後ろに吹き飛ばされた私は、魔王城の壁を突き抜けて、外へと飛ばされた。

「フフフ。」

これからが、楽しみですね。


「はぁ……はぁ……はぁ……。」

や、やったのか?

緊張の糸が途切れたのか、その場に座り込んでしまった。

「魔王様!」

オルが、俺のところまで来る。

……正直、もう疲れた。だけど、

「なんとか、勝ったぞ。」

あのシェリーさんに勝てた。魔界に来て、1ヵ月くらい経つけど、少しづつ力がついているんだ。

「あーあ。負けちまったすか。」

縛られたままのイルさんが、残念そうに言う。……いや、あまり残念そうじゃねぇなぁ。

「あぁ、あたし等の事は、気にしなくていいっすよ。メイド長の回収に行ってくるんで、上の階に進んで言いで構わないっす。」

「い、いいのか?」

うっすっと言って、魔王城の入口へと向かったイルさん。な、なんか、あっさりしてるなぁ。

イルさんの姿が見えなくなってから、マリンさんの様子を見る。

「ま、マリンさーん、大丈夫ですか?」

黒こげになったマリンさん。……死んでないよな?大丈夫だよな?

「……はい?何か御用ですか?」

「ひっ!」

突然、黒こげ状態のマリンさんが、起き上がった。

ほ、ホラーだ!オルなんか、俺の背中に隠れちまってる。……グイグイ押さないでほしい。

「私の事なら気にしなくていいですよ。焦げたのは、包帯だけですから。」

ほ、包帯が焦げるほどの電撃を受けたのに、ケロッとしていた。

……ほ、本当に大丈夫なのか?

よろよろ歩きながら、イルさんの後を追っていった。

「……とにかく、上に行くか。」

「う、うん。」

勝ったんだが、なんか……なぁ。


釈然としない気持ちを飲み込みつつも、2階へと階段を昇った。

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