はじめての共闘に挑戦なの!
お久しぶりです!
久々の投稿です。キャラクター紹介の話は、全然、書けていませんが、本編を進めながら、コツコツ書いていけたらと思っています。
では、本編をどうぞ!
「では、行くよ!」
こく、じゃなかった、隊員Kが、『ジェナム』の地下深くにある、領主の部屋に唯一ある扉を蹴破った。
正面に配置されている机に腰を掛けている人の形をした機械兵がいる。
「……ダレダ?」
しゃ、しゃべったの!?
今まで倒してきた機械兵は、ウィーンとかガシャコンとかしか言っていなかったのに!?
機械兵は、椅子から立ち上がり、こっちに歩いてくる。手には、首から上だけになった領主を持って……。
「お、おい!」
隣にいる魔王様が、機械兵に向けて言う。
「お前の仕業か!?」
「コノ……くびナラバ、……おれガ…………ヤッタ。」
カタコトで、自分のした事を認める機械兵。
なかなか、手強い相手なの……。
「どうして、殺した。」
今度は、隊員Kが、機械兵に質問する。あたしは、一緒に城落としをしていたから分かるけど、隊員Kは、どこの領主も殺さずに捕らえているの。
どんなに劣悪な事をしていても、自分の領土に住まう国民の一人だからだとかなんとか言っていたの。
「コレハ……めいれい。…………ココヲ……はき……サセル……タメ。」
「命令?……誰から命令された?」
「ソレハ……いえない。」
依頼主の情報は、明かさないなんて。流石、機械兵と言うべきなのかしら?
「……ジャマヲ……シナイデ……ホシイ。オレハ……きがいヲ……クワエナイ…………。」
「残念だが、それは出来ない。」
あたし達は、隊員Kの言葉で戦闘体勢をとる。あたしは、デュランダルを顕現して構える。
「ナラバ……シカタナイ。」
機械兵の両腕から長剣が出てくる。相手も戦闘体勢のようなの。
「ゼンリョクデ……てきを……ハイジョする!」
「くっそ!硬すぎる!!」
魔王様が、得意の剛打を機械兵に当てるものの、ダメージが通らない。
「5対1で戦っているのに……なかなかやるわね!」
ま、……隊員Mが、相手を誉める。
「まだ、本気でないけど、ここまでのモノなのか。」
隊員Kも感嘆の声でつぶやく。
今までの機械兵は、一定のパターンで攻撃をしてきたの。
けど、この機械兵は、まるで、生身の人と戦っているような感じなの。そして、一番大きな違いは、
「『フレアアロー』」
危ない!機械兵が、あたしを狙って火矢を放つ。もちろん、デュランダルで防ぐ。
この機械兵の最大の特徴は、魔法を使ってくるの。しかも、中級でそこそこの威力があるから、まともに当たっちゃまずいの。
「大丈夫!?」
ま、じゃない、隊員Mが、あたしを心配して声をかけてくる。
「平気!平気!!」
あたしは、剣を振り回して大丈夫なことをアピールする。
「『バインドチェーン』!」
クサリんが、機械兵を拘束しようと仕掛けるが、素早く後ろに下がって回避する。もう!ちょこまかちょこまか!!
なかなか攻撃が当たらないのも、戦闘が長引いている原因の1つなの。
「『火炎・剛打』!」
全身を炎で包まれた魔王様が、後ろから、機械兵の背中に拳を叩き込む。やった!これで、機械兵も動きが鈍くなるの!
そんな喜びも空しく消え去った。
「なっ!」
当たったと思った拳は、あたしのデュランダルと同じくらいの剣で防がれていたの。
「アマイ!」
機械兵が振り向き様に魔王様の顔をめがけて、裏拳を当てる。
「ブッ!」
「『ゴウダ』!」
殴られた魔王様が、5メートルくらい吹っ飛ばされる。鋼鉄の壁に激突したけど、未だ気絶していないみたいなの。
「魔王様!?」
「大丈夫だ!」
よくも魔王様を!あたしは、大技を繰り出すためにデュランダルの柄を右脇に挟み込み、つばの部分を両手で持つ。
「これでもくらいなさい!『猪突』!!」
魔力を用いて、初速からトップスピードになる!
剣を持って突っ込みだけの簡単な技。
だけど、始めからかなりの速さで移動するため、直接当たらなくても、無事では済まないほどの怪我をするの!
「っ!!」
「どうよ!」
跳んで回避しようとした機械兵に、直接じゃないけど、ダメージを与えたの。右足が、火花を散らしているの。
「スコシ……あまく……ミテイタ。」
ふっふーん!どうよ!あたしの得意技は!
「なら!次で終わりよ!!」
もう一回、『猪突』を当てる!さっきと同じように構え、機械兵に照準を合わせたけど……。
「……りょうかい…………シタ。」
右耳に手を当てて、突然つぶやく機械兵。
何を了解したの?気になるけど、それは、あとで聞けばいいだけ!
「ワルイガ……ココマデダ。」
「何を言って……!」
突然、機械兵が光の輪に包まれたの!
「逃がすか!」
隊員Kが、長剣で斬りかかるけど、そこにはもう、誰もいなかった。
「何だったの?」
怪しい機械兵は、消えちゃたの。
謎の機械兵は、逃げちゃったけど、城落としに成功したの!
「さて、魔王君。これで、リストに書かれた領土をすべて落としたことにするけど、どうする?」
ボロボロになった領主の部屋で、これからどうするかを話し合うことになったの。
「どうするって、同盟を組むんだろ?」
魔王様から聞いていたけど、魔王領と勇者領、それとあたし達の住む姫岸領が同盟を組むことになったの。
「その事も重要だが、今はもっと重要なことがある。」
?なんなの?
あたしの疑問は、クサリんの質問によって解消された。
「地下9階と10階……ですね?」
「そうだ。」
あ~、そう言えば、ここって地下8階だったの。
「そう。……ここより下に行くかどうかだよ。」
「そりゃ、……。」
ドキドキしながら魔王様を見つめる。
「帰って風呂でも入りたいけど、さっきのみたいのが、いるかもって思うとな。……行くしかねぇか。」
「よし。それでこそ、魔王君だ。」
魔王様の肩をバシバシ叩くこく……隊員K。
「そうと決まれば、さっさと準備をしましょう。」
マ……隊員Mの呼び掛けに皆が、それぞれの準備をする。
あたしは、デュランダルの点検なの。
伝説の武器なんて言われているけど、ちゃんとしたメンテナンスをしてあげないと魔力の消費が激しくなるの。
初めの頃は、メンテナンスなんてって思っていたけど、1回振るだけで気絶しそうになったことがあるの!
……なんとか生き延びたけど。
そんな経験から、戦いが終わる度に簡単なチェックと時間が取れたらきちんとした点検・補修をしているの。
「……うん!問題なし!」
「うんうん。きちんとできてるじゃない。さすが、我が子ね!」
「うへへ~。」
誉められちゃった。
「皆、準備できたようだね。」
隊員Kの確認をとる声に、皆がうなずく。
「それじゃ、心してくれ。ここから先は、何があるのか全く把握していない。まさに、未知の領域だ。」
領主の部屋の奥にある小型のベーターに乗り込む。
ベーターは、9階で止まったの。
「どうやら、これより下へは、別のベーターに乗るか、階段を探すしかないようだ。」
「デュランダルで、穴でも開ければいいんじゃねぇのか?」
ま、魔王様が、過激な提案を!
「流石に危険が大きいな。ここが崩れたら、何を研究していたのか分からなくなってしまう。」
「それもそっか」と納得して、ベーターから降りていく魔王様。
今までの魔王様とどこか様子が、……気のせいかな?
「これは…………。」
「す、凄い…………。」
ベーターを降りて目の前に現れたのは、機械兵のパーツと
「あれは、死んでるのか……。」
「はい、魔王様。恐らくですが……。」
人間や犬、鳥などの死体だったの。
「もしかして、……今まで倒してきたのも……。」
ママの呟きで、ここに来るまで倒してきた機械兵の事を思い出しちゃった……。
「……まぁ、倒しちまったのは、しょうがねぇだろ。」
「ま、魔王様?」
「うん?何、クサリさん?」
ど、どうしちゃったんだろ!?
いつもの魔王様なら、もっと、……何て言うのか……。
他の皆もあたしと同じことを思っているのか、心配そうに魔王様を見ている。
「い、いえ……。なんでもありません……。」
「うん?あっそ。……とりあえず、下に行く階段を見つけようぜ。」
「…………はい。」
魔王様が、いつもと違うように感じるのは、あたしの気のせいじゃないよね?
そんな不安を抱きながら、地下9階の探索が始まったの。




