初めての新技開発に挑戦!
テンションで書き上げたため、雑な感じがしますが、余裕が出たら、改定したいと思います。
俺 棚部 亮は、師匠の指導の元、新技の開発をしていた。
「何度言やぁ分かるんだ!お前は、バカか!」
「うるせぇよ!擬音語ばかりで、何にも分からねぇからな!」
……ドンとか、バコーンとかで何が分かるんだよ。
「そんなもん、イントネーションで分かりやがれ!」
「無茶苦茶だな!?」
これで俺は、強くなれるのか?
ガジーにコテンパンにされた翌日。
獣人族の族長であるトビーに俺の師匠となって鍛えてやると提案され、二つ返事でOKした俺。
今は、1階のリビングでトビーと俺の反省会と今後の予定を話し合うことになった。
木製のテーブルを挟むように椅子に座る俺とトビー。
「お前が負けた理由だがな、魔力の流れを読まれたからだ。」
「魔力の流れ?」
「あぁ。お前は、『サーチ』が使えないんだったな。」
「うん。使えない。」
「『サーチ』が使えるとな、相手が体の何処にどれだけの量の魔力を込めているかが分かるようになるんだ。」
トビーの言った俺の攻撃が当たらなかった原因は、俺が攻撃する時に魔力が込められて、ガジーの経験でどのような攻撃かを予測、回避出来たからだそうだ。
「俺の攻撃とその軌道が、予測できているから簡単に避けられ、無防備な部分に攻撃をもらったわけか。」
そりゃあ、当たらんわけだ。
「まずは、『サーチ』を覚えんとな。」
そう言って、俺とトビーは、表へと出た。
「とりあえず、コイツが見える様になることだな。」
懐から何かを取り出したトビー。
箱のようなものってのは、分かるけど、それ以外なにも分からない。色はもちろん、形もボヤけていて分からない。
「コイツを見るためには、『サーチ』を覚えなきゃならん。」
「そう言われても、だいたい、どうすれば使えるんだ?」
「まぁ、そうだな。まずは、目に魔力をためてみろ。」
言われたことをやろうとするが、ここで問題が浮上する。
「俺、部分的に魔力を込めるの苦手なんだが……。」
「なら、全身の魔力を高めてみろ。」
そっちならできそうだ。
俺は、深呼吸を1つして、炎の鎧を発動する気で全身の魔力を高めていく。
「どうだ?見えたか?」
「いや……全然。」
さっきより、ぼやけ具合が減った程度でまだ、見えたと言えない。
「ちょっといいか…………ほら!」
「ぐへぇ!な、何すんだよ!」
いきなり、背中を叩かれた。
「いいから、見てみろ。」
叩かれたことに文句を言ってやりたいが、……とりあえず、見てみるか。
そう思い、箱のようなものに目を向けると
「おぉ!み、見えた!」
立方体のティッシュ箱のような箱が、置かれていた。色は、木製のため木目のある薄い茶色だ。丸太の切断部分のような色だ。
「どうやら、魔力の流れが、悪くなっていたようだな。殴った部分で魔力が固まってやがったんだ。」
見えたことに感動する俺。あまりにもクッキリ見えるから、ここに来る途中にあった岩でも見てこようかと考えちまった。
「それにしても、よくあんな状態で平気だったな。俺なら動くことすらできねぇぞ。」
「はぁ?どういうことだ?」
トビーから、さっきまでの俺の状態を軽く説明される。
「魔力が、体のどこか、お前の場合は、背中で塞き止められている状態だったんだよ。しかも、本来なら激痛で立つことすらできないほどにな。」
さらっと怖いことを言う。
だが、俺には、なんともなかったから、気づくはずもない。クサリさんは、気づいていたんだろうか?
「クサリでも気づいていなかったんだろ。それ以上にヤバイ状態だからな。」
「えっ……。」
嫌な事ばかりを告げられる。なんだ?俺の体は病気だらけなのか!?
「まず、さっきから見ていたが、魔力値がゼロのままだ。ほんとに魔力を全身に込めてるのかすら怪しいほどだ。」
「いや!ちゃんとやってるからな!」
実は、見えてないんじゃないかと言われそうだ。
「まぁ、いい。少し俺とタイマンするから、準備しろ。」
「お、おう!」
なぜか、1対1で戦うことに。
病気の事は、怖くて追及できませんでした。
村の外、昨日ガジーにコテンパンにされたとこに来た俺とトビー。
「どっからでもいいから、かかってこい。」
ドンと構え、俺の攻撃を待つトビー。
「それじゃ、いくぜ!『炎の鎧』!」
炎の鎧を発動する。なぜだか、昨日よりもスムーズにできた気がする。
「よし、こい!」
昨日と同じ方法で10メートルほどの距離を一気に詰め、右ストレートを叩き込む。
ドンッ!
ものすごい衝撃音がしたものの、トビーは、一歩も後ろに下がらず俺の『剛打』を受け止めた。
「なっ!?」
「悪かぁねぇんだが、それまでだな。ほれ、戻っとけ。」
俺は、言われたのと同時に投げられる。
「いてっ!」
……着地失敗。
「当てることしか考えてねぇから、簡単に止められんだ。もっと頭を使ってよく見てみろ。」
頭を使えって、おおかた、さっき覚えたばかりの『サーチもどき』を使えってことだろうけど。
「『サーチ』」
術名を呼び発動した気になる。……実際は、半分発動している感じだ。数値化までは、できていないが、何となく魔力に偏りが見える。
「そうだ。それでいい。その状態を続けたまま続きをやるぞ。」
「おっす!」
このままの状態で30分くらいトビーと戦ったが、どんな攻撃もトビーを動かすことができなかった。……一歩も動かねぇんだぜ!あのデカウサギ!
「はぁ……はぁ……きゅ、休憩……。」
「だらしがねぇなぁ。」
30分も魔力を使い続けば、集中力がなくなるわ!
そんな抗議の声もあげることができないほど、俺は、疲れきっていた。
休憩ついでに俺のダメなところをあげていくトビー。
「まず、お前は、魔力効率が悪すぎる。もっと少量の魔力で同じことができるはずだ。」
「そんなこと言われてもなぁ。」
「まぁ、見てろ。」
そう言って、近くの木の目の前で構えるトビー。
「ふんっ!」
魔力を腕から拳まで流して、勢いよく木を殴る。
ドンッ!とすごい音がしたが、木は倒れなかった。
「お前が、バカの一つ覚えのように使う『剛打』だ。今のは、使う魔力を10分の1くらいにしたから、木が倒れずにすんだんだ。」
やってみろと言われて、同じように木の前に立つ。
「倒すつもりでやれ。」
「おっす。」
いつもより丁寧に『剛打』を放つ。
しかし、ドンッて音はしたものの木は倒れなかった。
なんでだ!?全力で殴ったのに!
「だから、魔力の使用効率が悪いからだ。今の量の魔力を完璧に消化できてたら、この辺りが吹き飛んどる。」
「はぁ!?そんなに悪いのか!?使用効率!」
あまりの効率の悪さを聞き、耳を疑う俺。
「よくそんなので今まで生きてきたな。」
トビーは、不思議そうに言ってくるけど、俺だって必死に……。
「まぁいい。当分は、『サーチ』を完璧に使えるようにすることと使用効率の改善からだな。」
トビーは、、今後のスケジュールをすらすら書き連ねていく。
「あんまり時間がないのも知ってるからな、どこまで強くれるかは、お前次第だ。頑張れよ。」
大雑把なスケジュールとそんな励ましの声を聞き、俺はやる気が出てきた。
修業を開始した夜。
あの後も、何度か1対1の戦いをしては、休憩をしてを繰り返したが、結局トビーを1歩も動かすことができなかった。
族長の家のリビングで、クサリさんとガジーが、俺とトビーが、修業していた間に現状の『ガルナ』について調べたことを4人で話し合っていた。
「ここまでが、調べてわかったことです、魔王様。」
「兵士がざっと2000人、おまけに、専属勇者が3人。」
「普通に考えれば、こんなとこ、攻めるわけないわな。」
呆れるほどに厳重な守りなんだとか。
「本来なら、勇者1人配置すれば、何とかなるもんなんだがな、……3人は、厳重すぎる。」
とガジー。その文句に首を降りながら訂正するクサリさん。
「いいえ、たぶんですが、まだ足りないくらいなのではないでしょうか。」
「ほう。その心は?」
「奴隷として捕まった者の数が、多いのですよ。ざっと5000は、捕まっているようですから。」
「ご、5000!」
あまりの多さに驚く。
だって、5000人だぜ!
「それは、知らなかったな。だとすると、ここ以外にも奴隷として捕まったのがいるのか。」
ガジーの見解にはいと肯定するクサリさん。
「まぁ、なんにしても、今はどうやって攻めるかだな。もしかしたら、3人で城攻めだからな。」
相変わらず、ムカつく野郎だな。
コテンパンにされてからガジーは、俺に噛みつくようになった。
しかも、それを回りの奴が止めないから余計に腹が立つ。あのクサリさんまでも、顔を背けるだけだ。
……俺って嫌われているのかな?
「明日からは、俺もそっちに参加しよう。」
え?
「トビー!魔王様の修業は、どうするのですか!?」
「コイツには、やることをちゃんと告げた。それに、早朝と夕方ごろにきちんと見てやるから、心配すんな。」
「そ、そうですか。」
なんか、独りぼっちにされてません?
そのあとも、今後の偵察の動きについて、実質3人で話し合っていた。
え?俺は?…………寝るために2階の客間へと直行したよ!




